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「王川君は、ヤンデレ系」
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ずっと、恋愛に興味が持てずにいた。好きな人ができたことがなかった。愛とかなんだとかよくわからないものに、振り回される周りの人間が不思議でならなかった。
よくいわれたのは、「王川君格好いい」だった。自分の顔が良い顔なのかどうかは分からなくて、ただ周りの女性達に持て囃される事は悪い気はしなかった。そうか、自分は外見が優れているのか、それだけは理解して二四年間を生きてきた。
それでも、よく分からなかった。
どうしてそんなに皆は恋をしたがるのだろう。何故、皆は俺にそんな目を向けるのだろう。何故、そうまでして誰かと繋がりたがるのだろう。そんな事を聞くのは空気的に良くないと分かっていたから、何食わぬ顔をして生きていた。恋をするのが普通、誰かを好きになるのが普通、誰かを愛して生きるのが普通。
ありふれた普通に苛まれ続けて、もう疲れていた。恋をできない人間だと思っていた。もう、それでいいだろうと思い込もうとしながら生きていた。
そんな俺の目の前に現れたのが、羽矢ちせ先輩。
研究員のちせ先輩と営業課の俺とでは接点など何一つないのに、急に舞い込んだ『若手は全員参加』の大きな飲みの席で、隣になったのが初めての出会いだった。
たまたま隣になっただけのちせ先輩に、心惹かれる何かがあったのかと聞かれたら決してそういうわけでは無い。ただ、恋愛経験もなければもちろん性経験だって無かった俺にとって、年上のちせ先輩はなんとなく刺激的だったのは認める。
隣に座った俺に笑顔で話しかけて『営業の子?頑張ってね、めっちゃブラックらしいよ』初対面の俺に、しかも新卒で入った俺にそれを言うところは、彼女の意地悪な所だったけど。
「ちせ先輩、ここ凄いことになってる……あのね、俺も今やばい…」
「…っぁ……、待って…っ…ん…」
ちせ先輩が好きだった。宴会で沢山お酒を飲んで気づいたら彼女の部屋にいた一年前のあの日に、流れでこの人に筆おろしをお願いして。ベッドの端に座りながら「好きです」とそのまま告白をして、流れるように付き合ったのは記憶に新しい。
恋をする前に先にセックスを経験した。その後にこの人に恋をした。
初めてのセックスが気持ちよかったから。全く関係のない人だったちせ先輩とのセックスが凄く気持ちよかったから。
ワンナイトラブというものに憧れがあったわけではないけど、そんな大人な一度きりの関係なら俺ももしかしたら恋愛に興味が持てるかもしれないと思ったのだ。
女性の裸を見て女性とのセックスを経験して、そうしたら女というものに興味を持てるかもしれないと。
残念ながら、女性への興味や恋愛への興味は特になく、ただとにかくちせ先輩への興味に頭の中は一杯になってしまっただけだったけど。
多分、理系としてずっと生きていたからだ。探究心だけでここまで来た自分にとって、興味のなかった恋とか愛とか性にいきなりのめり込むのは、麻薬と同じだ。
未知の気持ちよさに興味が惹かれた。今はもう、この人にしか目がない。愛とかを語るなら、俺はもう、この人以外に愛について語れる事はない。
「ぁ……っ、ぁ…っ、待って…」
「ん…イッていいよ…」
先輩は可愛い。先輩は格好良い。先輩はエロい。
裸の身体をベッドのシーツでくねらせている姿を見下ろすのが好きだった。ドキドキする、止まらない鼓動に仕事中だって襲われそうになるその姿を記憶する脳が、きっとあと少しで破裂するんだろう。
濡れている下半身は俺の指を簡単に咥え込んだ。初めてのセックスをした時から、この体に虜だった。フェラをされると一瞬で持っていかれそうになるテクニックに、挿入したら締めつけられる膣の圧迫感。全部全部俺よりも経験値の多い先輩に、俺はただ気持ちよくなるだけだ。
それが、本当は嫌だった。
あぁ、俺以外の人とも経験していたんだなと分かってしまうから。このテクニックはどこから手に入れたの?なんて、不粋な質問はできないし、身体の相性というか、先輩のその舌使いや腰の動きに体全体で愛を示してしまうぐらいには、虜だから。
もっともっと興味を持っていればよかった。もっと沢山恋愛をしてセックスも経験して、それからちせ先輩に会いたかった。
あんなにもいらないと思っていた愛やら恋にここまで執着を示してしまうぐらい、自分にとって彼女は尊い存在になってしまったのだ。
「ん…っ、っぁ、王川君、待ってっ…」
「ん…っ…はぁ、もう好き…」
ぐちゅぐちゅと鳴る水音が部屋いっぱいに広がる。ちせ先輩の部屋に通うようになって早一年。俺の服や下着の置かれた場所が一つ二つと増えてきた。それがすごく嬉しかった。ちせ先輩の中に俺という存在がどんどん膨らんでいると分かっていたから。
「先輩、好き…好き…」
耳を甘噛みすると、鳥肌を立てて喘ぎ声を出す事を学んだ。細い腰は指先を伝わせると、くすぐったそうにくねらせて、膣の入口から少し離れた窪みに中指を押し付ければ、もっと当てろとでも言うかのように腰をあげる癖も。
全部全部、先輩の気持ちいいところを教えてもらって、それを応用してるだけの自分が、本当に情けない。教えられないとこの人を気持ちよくすることもできないのだから。
「先輩は、好き?俺のこと、好き?」
「んっ…好き、好きだから…っぁ…」
先輩の腰が浮いている。奥に向かう指をさらにいかせるために、中指と薬指2本でぐちゅぐちゅと膣の中を掻き回した。卑猥な音に重なって、先輩の吐息と喘ぎ声が重なる。
ぴくぴくと揺れている太腿に力が入っていた。先輩の揺れと合わせてベッドも一緒に揺れていく。鳴り響くスプリングの音と、エロいその姿に俺の股間はもう、はちきれそうだった。
好きの気持ちがやっと分かったのだ。優しくて、賢くて、研究してる姿を後ろから見るのはいつ見ても素敵すぎた。あの人の隣にいる同期の先輩に、嫉妬をするぐらいには。
酷く醜く、俺のこの恋心は厄介なものになっていた。今思えば多分、拗らせた。思春期の頃も全く恋をできなかったせいか、今更青春のような恋をしてしまっている。
この人から、他の男を感じたくない。
膣の中から指を抜いて、先輩の上に跨った。コンドームは枕元、荒い呼吸を繰り返して肩を上下に揺らしている先輩を見下ろして、ごくりと生唾を飲み込んだ。
あぁもう、ずるいよね、本当に。俺以外の男を知ってるんだこの人は。俺以外の男に笑いかけられるんだ、この人は。俺以外の男に抱かれてきたんだ、この人は。
黒い感情が渦巻いて気持ち悪かった。独占欲と支配欲。この歳になって初めて恋した人に、こんな酷い感情を押し付けるのもよろしくない。
だから、決めた。
「いれるよ…?」
「ん…っ…」
両足を開いて、俺のを受け入れるために濡れているその入り口へ、自分の先端をつけた。力を入れて腰を前に動かせばあとは簡単に中へ入っていく。膣の締め付けにぐっと眉をしかめて、先輩の身体を抱きしめるように身体を倒した。
汗のかいた額にキスを落として腰を動かす。奥が好き、もっと激しく動いて、ちせ先輩の好きなセックスを言われた通りにやってきた。激しく前後にピストンすれば沢山沢山喘いでくれるこの人が好きで、舌に吸い付いてキスをして、全部を飲み込ませて小刻みに動けば締め付けながらイッてくれる先輩が愛おしくて。
セックスになればエロくなるこの人が、大好きだった。もっともっとみたいし、乱れていく姿をこの目におさめたい。
だけど同時に沸き起こるのが、どうしようもないこの嫉妬。
この人を開発したいという支配欲。
この人を自分だけのものにしたいという独占欲。
だから、この人の誰にも触らせたことのないだろうアナルは、俺のものにしたかった。
俺のこれは、恋だ、愛だ。行き過ぎた物だとは思っていない。だって、聞いたのだ同じ営業の同期に。
アナルは開発するとめちゃくちゃに気持ちいいんだと。
ちせ先輩に勇気を出して、お尻の穴に興味がありますと告白した時はそりゃぁドキドキしたけれど、優しいこの人はすぐに肯定してくれた。
少しだけ時間ちょうだいね、って。きっとほぐしたり慣らしたり、俺とのアナルプレイを楽しもうとしてくれているのかなと思った。
俺も頑張らないと、頑張ってこの人のアナルを調教するんだ。意気込みだけは強くても、ゲイだと噂されているあのイケメンの男の人がちせ先輩の隣を明け渡さない。
腹が立った。落ち込んだ。アナルの開発には時間が掛かる。この人は俺にとても甘いから、きっと本番のその日に色々面倒な事が起きないようにしてるんじゃないかとか、あの人に聞いてるんじゃないかとか、はたまたもしかしてあの男に身体を見せてるんじゃないかとか。
渦巻く嫉妬欲が止まらなかった。彼女のそばにいる男全員が嫌いだ。営業課の人間じゃなくてよかった、もしも彼女が営業課だったなら、俺は毎日毎日、毎日毎日この人の体を抱かないと、きっと気が収まらない。
膣の中へ入れた自分の分身が締め付けられている。ぐちゃぐちゃと鳴っている水音と、俺と先輩の混ざり合った吐息が部屋いっぱいに広がっている。あぁ、その音だけで多分俺はイケるかもしれない。この歳になってやっと目覚めた性への興味は止まることを知らない。
俺の欲を全て携えた精液も、このまま製造し続ける。
「ちせ先輩、好きだよ…っ」
腰を動かして、何度も何度も膣の中を前後に動いた。膣の奥にぶつかる先端、突いて動くたびにベッドのスプリングの音は鈍く響いて、先輩の耳の中へと舌を伸ばしながらキスをする。
あぁ、仕事してる時も早くだきたくて仕方なくなるし、仕事してる時に偶然先輩に会えたら嬉しくなるし、そしてその隣にあの男がいたらイラっともするこれを、俺はもうどうしたらいいのか分からなかった。月曜日だとしても構わない程には、セックスだって毎日できる。あの男の存在をこの身体から消し去ってやりたい。一緒にご飯を食べる仲なのは理解できても、それを見せつけられるのが嫌なのだ。
あぁ、俺があと五年早く生まれてればちせ先輩と同期だったのに。この人の隣に立てたのは俺だったのに。お昼も朝も夜も会社にいる時間、ずっとそばに居続けられたのはきっと俺だったはずなのに。
絶対にダメ、俺以外の男と一緒にいちゃダメ。彼女からあの男を外さないと、俺にはこの人しかいない。この人にも、俺しかいないんだとわからせてやりたいのだ。
だから早く、先輩のアナル処女を頂戴。
俺に、まだ誰にも見せてない先輩を頂戴。そんな気持ちを抱きながら、この人を抱き続けた。平日の夜だろうと構わない、今更になって襲ってくる性欲を、俺はこの人へ吐き出すしか能がないのだから。
好きなんだ、仕方ない。
よくいわれたのは、「王川君格好いい」だった。自分の顔が良い顔なのかどうかは分からなくて、ただ周りの女性達に持て囃される事は悪い気はしなかった。そうか、自分は外見が優れているのか、それだけは理解して二四年間を生きてきた。
それでも、よく分からなかった。
どうしてそんなに皆は恋をしたがるのだろう。何故、皆は俺にそんな目を向けるのだろう。何故、そうまでして誰かと繋がりたがるのだろう。そんな事を聞くのは空気的に良くないと分かっていたから、何食わぬ顔をして生きていた。恋をするのが普通、誰かを好きになるのが普通、誰かを愛して生きるのが普通。
ありふれた普通に苛まれ続けて、もう疲れていた。恋をできない人間だと思っていた。もう、それでいいだろうと思い込もうとしながら生きていた。
そんな俺の目の前に現れたのが、羽矢ちせ先輩。
研究員のちせ先輩と営業課の俺とでは接点など何一つないのに、急に舞い込んだ『若手は全員参加』の大きな飲みの席で、隣になったのが初めての出会いだった。
たまたま隣になっただけのちせ先輩に、心惹かれる何かがあったのかと聞かれたら決してそういうわけでは無い。ただ、恋愛経験もなければもちろん性経験だって無かった俺にとって、年上のちせ先輩はなんとなく刺激的だったのは認める。
隣に座った俺に笑顔で話しかけて『営業の子?頑張ってね、めっちゃブラックらしいよ』初対面の俺に、しかも新卒で入った俺にそれを言うところは、彼女の意地悪な所だったけど。
「ちせ先輩、ここ凄いことになってる……あのね、俺も今やばい…」
「…っぁ……、待って…っ…ん…」
ちせ先輩が好きだった。宴会で沢山お酒を飲んで気づいたら彼女の部屋にいた一年前のあの日に、流れでこの人に筆おろしをお願いして。ベッドの端に座りながら「好きです」とそのまま告白をして、流れるように付き合ったのは記憶に新しい。
恋をする前に先にセックスを経験した。その後にこの人に恋をした。
初めてのセックスが気持ちよかったから。全く関係のない人だったちせ先輩とのセックスが凄く気持ちよかったから。
ワンナイトラブというものに憧れがあったわけではないけど、そんな大人な一度きりの関係なら俺ももしかしたら恋愛に興味が持てるかもしれないと思ったのだ。
女性の裸を見て女性とのセックスを経験して、そうしたら女というものに興味を持てるかもしれないと。
残念ながら、女性への興味や恋愛への興味は特になく、ただとにかくちせ先輩への興味に頭の中は一杯になってしまっただけだったけど。
多分、理系としてずっと生きていたからだ。探究心だけでここまで来た自分にとって、興味のなかった恋とか愛とか性にいきなりのめり込むのは、麻薬と同じだ。
未知の気持ちよさに興味が惹かれた。今はもう、この人にしか目がない。愛とかを語るなら、俺はもう、この人以外に愛について語れる事はない。
「ぁ……っ、ぁ…っ、待って…」
「ん…イッていいよ…」
先輩は可愛い。先輩は格好良い。先輩はエロい。
裸の身体をベッドのシーツでくねらせている姿を見下ろすのが好きだった。ドキドキする、止まらない鼓動に仕事中だって襲われそうになるその姿を記憶する脳が、きっとあと少しで破裂するんだろう。
濡れている下半身は俺の指を簡単に咥え込んだ。初めてのセックスをした時から、この体に虜だった。フェラをされると一瞬で持っていかれそうになるテクニックに、挿入したら締めつけられる膣の圧迫感。全部全部俺よりも経験値の多い先輩に、俺はただ気持ちよくなるだけだ。
それが、本当は嫌だった。
あぁ、俺以外の人とも経験していたんだなと分かってしまうから。このテクニックはどこから手に入れたの?なんて、不粋な質問はできないし、身体の相性というか、先輩のその舌使いや腰の動きに体全体で愛を示してしまうぐらいには、虜だから。
もっともっと興味を持っていればよかった。もっと沢山恋愛をしてセックスも経験して、それからちせ先輩に会いたかった。
あんなにもいらないと思っていた愛やら恋にここまで執着を示してしまうぐらい、自分にとって彼女は尊い存在になってしまったのだ。
「ん…っ、っぁ、王川君、待ってっ…」
「ん…っ…はぁ、もう好き…」
ぐちゅぐちゅと鳴る水音が部屋いっぱいに広がる。ちせ先輩の部屋に通うようになって早一年。俺の服や下着の置かれた場所が一つ二つと増えてきた。それがすごく嬉しかった。ちせ先輩の中に俺という存在がどんどん膨らんでいると分かっていたから。
「先輩、好き…好き…」
耳を甘噛みすると、鳥肌を立てて喘ぎ声を出す事を学んだ。細い腰は指先を伝わせると、くすぐったそうにくねらせて、膣の入口から少し離れた窪みに中指を押し付ければ、もっと当てろとでも言うかのように腰をあげる癖も。
全部全部、先輩の気持ちいいところを教えてもらって、それを応用してるだけの自分が、本当に情けない。教えられないとこの人を気持ちよくすることもできないのだから。
「先輩は、好き?俺のこと、好き?」
「んっ…好き、好きだから…っぁ…」
先輩の腰が浮いている。奥に向かう指をさらにいかせるために、中指と薬指2本でぐちゅぐちゅと膣の中を掻き回した。卑猥な音に重なって、先輩の吐息と喘ぎ声が重なる。
ぴくぴくと揺れている太腿に力が入っていた。先輩の揺れと合わせてベッドも一緒に揺れていく。鳴り響くスプリングの音と、エロいその姿に俺の股間はもう、はちきれそうだった。
好きの気持ちがやっと分かったのだ。優しくて、賢くて、研究してる姿を後ろから見るのはいつ見ても素敵すぎた。あの人の隣にいる同期の先輩に、嫉妬をするぐらいには。
酷く醜く、俺のこの恋心は厄介なものになっていた。今思えば多分、拗らせた。思春期の頃も全く恋をできなかったせいか、今更青春のような恋をしてしまっている。
この人から、他の男を感じたくない。
膣の中から指を抜いて、先輩の上に跨った。コンドームは枕元、荒い呼吸を繰り返して肩を上下に揺らしている先輩を見下ろして、ごくりと生唾を飲み込んだ。
あぁもう、ずるいよね、本当に。俺以外の男を知ってるんだこの人は。俺以外の男に笑いかけられるんだ、この人は。俺以外の男に抱かれてきたんだ、この人は。
黒い感情が渦巻いて気持ち悪かった。独占欲と支配欲。この歳になって初めて恋した人に、こんな酷い感情を押し付けるのもよろしくない。
だから、決めた。
「いれるよ…?」
「ん…っ…」
両足を開いて、俺のを受け入れるために濡れているその入り口へ、自分の先端をつけた。力を入れて腰を前に動かせばあとは簡単に中へ入っていく。膣の締め付けにぐっと眉をしかめて、先輩の身体を抱きしめるように身体を倒した。
汗のかいた額にキスを落として腰を動かす。奥が好き、もっと激しく動いて、ちせ先輩の好きなセックスを言われた通りにやってきた。激しく前後にピストンすれば沢山沢山喘いでくれるこの人が好きで、舌に吸い付いてキスをして、全部を飲み込ませて小刻みに動けば締め付けながらイッてくれる先輩が愛おしくて。
セックスになればエロくなるこの人が、大好きだった。もっともっとみたいし、乱れていく姿をこの目におさめたい。
だけど同時に沸き起こるのが、どうしようもないこの嫉妬。
この人を開発したいという支配欲。
この人を自分だけのものにしたいという独占欲。
だから、この人の誰にも触らせたことのないだろうアナルは、俺のものにしたかった。
俺のこれは、恋だ、愛だ。行き過ぎた物だとは思っていない。だって、聞いたのだ同じ営業の同期に。
アナルは開発するとめちゃくちゃに気持ちいいんだと。
ちせ先輩に勇気を出して、お尻の穴に興味がありますと告白した時はそりゃぁドキドキしたけれど、優しいこの人はすぐに肯定してくれた。
少しだけ時間ちょうだいね、って。きっとほぐしたり慣らしたり、俺とのアナルプレイを楽しもうとしてくれているのかなと思った。
俺も頑張らないと、頑張ってこの人のアナルを調教するんだ。意気込みだけは強くても、ゲイだと噂されているあのイケメンの男の人がちせ先輩の隣を明け渡さない。
腹が立った。落ち込んだ。アナルの開発には時間が掛かる。この人は俺にとても甘いから、きっと本番のその日に色々面倒な事が起きないようにしてるんじゃないかとか、あの人に聞いてるんじゃないかとか、はたまたもしかしてあの男に身体を見せてるんじゃないかとか。
渦巻く嫉妬欲が止まらなかった。彼女のそばにいる男全員が嫌いだ。営業課の人間じゃなくてよかった、もしも彼女が営業課だったなら、俺は毎日毎日、毎日毎日この人の体を抱かないと、きっと気が収まらない。
膣の中へ入れた自分の分身が締め付けられている。ぐちゃぐちゃと鳴っている水音と、俺と先輩の混ざり合った吐息が部屋いっぱいに広がっている。あぁ、その音だけで多分俺はイケるかもしれない。この歳になってやっと目覚めた性への興味は止まることを知らない。
俺の欲を全て携えた精液も、このまま製造し続ける。
「ちせ先輩、好きだよ…っ」
腰を動かして、何度も何度も膣の中を前後に動いた。膣の奥にぶつかる先端、突いて動くたびにベッドのスプリングの音は鈍く響いて、先輩の耳の中へと舌を伸ばしながらキスをする。
あぁ、仕事してる時も早くだきたくて仕方なくなるし、仕事してる時に偶然先輩に会えたら嬉しくなるし、そしてその隣にあの男がいたらイラっともするこれを、俺はもうどうしたらいいのか分からなかった。月曜日だとしても構わない程には、セックスだって毎日できる。あの男の存在をこの身体から消し去ってやりたい。一緒にご飯を食べる仲なのは理解できても、それを見せつけられるのが嫌なのだ。
あぁ、俺があと五年早く生まれてればちせ先輩と同期だったのに。この人の隣に立てたのは俺だったのに。お昼も朝も夜も会社にいる時間、ずっとそばに居続けられたのはきっと俺だったはずなのに。
絶対にダメ、俺以外の男と一緒にいちゃダメ。彼女からあの男を外さないと、俺にはこの人しかいない。この人にも、俺しかいないんだとわからせてやりたいのだ。
だから早く、先輩のアナル処女を頂戴。
俺に、まだ誰にも見せてない先輩を頂戴。そんな気持ちを抱きながら、この人を抱き続けた。平日の夜だろうと構わない、今更になって襲ってくる性欲を、俺はこの人へ吐き出すしか能がないのだから。
好きなんだ、仕方ない。
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