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ジョニィという男
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「ひどいなあ、人のことをジョニィだなんて」
ジョニィはぼやいた。
生徒会の机に座ってマンガ雑誌を読んでいたぼくは、肌もあらわなヒロインの危機一髪シーンから目を上げて笑った。
「そりゃ、お前が悪いよ。放送部に『ジョニーへの伝言』なんて懐メロをリクエストなんかするからだ」
ぼくはマンガ雑誌を閉じた。
「放送部のリンちゃん、笑いをかみ殺してたぜ。『次のリクエストは、「ジョニーへの伝言」です』ってね」
これでもぼくはジョニィに対して気を使っているのだ。正確には、放送部の名アナウンサーにして、才色兼備の2年A組のリンちゃんは、こういったのだ。『次のリクエストは、「ジョニーへの伝言」です。生徒の中にアラフィフがいるんですね』と。ジョニィのあだ名が『アラフィフ』にならなかったのは、我が高校の校是が『友愛』だからかもしれない。
M高校生徒会書記をしているジョニィは、「ちぇっ」というと、眼鏡を外して頭を机に伏せた。誰が使っているかもわからない生徒会室の机だから、いくら疲れやすくても、ここで寝ようとするのはやめたほうがいいと思う。
扉ががらがらと開いた。この立て付けの悪い部室棟は、全室引き戸になっている。高校の施設だからしかたがないけど。
「聞いたかお前ら、あれを」
入ってきたのは、わが校の生徒会長だった。みんなからは「会長」と呼ばれている。こいつを「会長」以外の何と呼べばいいのか、正直ぼくにはわからない。膝を悪くするまではバスケ部の主力をしていたほどの長身で、頭がアメリカ産のスイカのように縦長で、部をやめたのに頭は丸坊主にしている。そこに銀縁眼鏡をかけて、私服OKのはずのうちの高校においてもいまだに詰襟の学生服着用をやめない。
「あれってなんですか」
ぼくはマンガ雑誌を閉じた。この会長が「あれ」といったからには、何か価値あることが起きたのだ。
「わからないのか」
会長はスタッカートの早口でいった。こういうしゃべり方をする男なのだ。
「わかりませんよ。誰かに告られでもしたんですか」
「うっ」
スタッカートが途切れた。
むくり、とジョニィが起き上がり、眼鏡をかけた。
「やりますなあ、会長。で、相手は、どこの誰です」
「別に告られたわけではない」
だが、その言葉からは、動揺が窺われた。この会長に、動揺は似合わない。そしてたいていのことは、似合わないから面白いのだ。
「告られたわけではないそうですよ、書記殿」
「そうらしいですな、学園祭実行委員長殿」
ぼくとジョニィはわざと話し方を変えた。こうすることにより、会長は「あせる」のだ。
今回も、会長はあせったらしかった。スタッカートの話し方が妙にゆがんだ。
「きみたち、きみたちはそう告る告るというが、そういうものではないのだ」
ジョニィはにやにやと人の悪い笑みを浮かべていた。たぶんぼくもそうだったろう。
「軽音部の伊藤さんを知っているな」
イトーさん? 軽音部に知り合いはいないが……。
ジョニィがあはは、と笑った。
「あのヴォーカルやってる、ほら、あの、『歌姫』さんだよ」
「ああ、あの妙にケバい娘ですね。会長、やりますなあ。今度卒業する先輩も、何人もが目をつけているっていう話でしょ。そんな人に告られ……」
「だから、何度も言うようだが、告られたのではない」
ではなんだろう?
「伊藤さんが、わたしに、『学園祭実行委員』になるための手続きを聞きに来たのだ」
ぼくの頭が一瞬真っ白になった。
「学園祭実行委員って……来年度の?」
「当たり前だろ。今年の学園祭はもう終わっている」
「……来年度ってことは、ぼくが実行委員長の?」
「当たり前だろう」
ぼくは四方八方に目を配った。狭苦しい生徒会室に、まっとうな手段で出ていける出口は、窓を除けば、会長が今入ってきた出入口よりほかになかった。
「会長」
ぼくはいった。
「学園祭実行委員長の要職、謹んで返上してもいいですか」
会長は考え込む目をした。
「いろいろ考えてみたんだが」
「はあ」
「却下だ」
そりゃそうだよな。
ジョニィが会長に目を向けた。
「彼女は軽音部ですよね」
「そうだ」
「ということは、狙いはライブの確保でしょうね」
「きみもそう思うか」
ジョニィだけじゃない、ぼくもそう思っている。ほかに、軽音部が何の目的で学園祭実行委員なんかに立候補するんだ。
「あれがきいたんでしょう」
ぼくはなんとか口を開いた。
「前回の、教室ライブ潰され事件」
思い出したくもなかった。発表会と称し、教室をひとつ確保して行った軽音部のライブは、野次を飛ばしてきた観客の生徒に、今年卒業する3年生が逆上し、あわや鉄拳飛び交う乱闘騒ぎになるところだったのだ。野次を飛ばした生徒はわがM高の生徒であったことと、パンチが届く前に、隣の文芸部の教室で本年度の会誌を囲んで談笑していた(実際は、わがM高の教職員をモデルとしたらしいBL風恋愛小説を回し読みしてバカ笑いしていた)学園祭実行委員会をはじめとする生徒会主要メンバーがかけつけて取り押さえることに成功したことで、本件は丸く収まったのだが、当然、ライブは中止ということになった。
教職員と文芸部は知らないが、それ以来、生徒会と軽音部の間には遺恨が発生したということになっている。
そんな軽音部の主要メンバーが生徒会入りするというのだ。ただで済むとは思えない。
「正式な委員になるつもりでしょうかね」
ぼくの質問に、会長はちょっと気分を害したようだった。
「きみ、わがM高が、委員会の運営において、正式な委員と、希望委員との間に格差を設けたことがあったかね」
「ない……でしょうね」
「むろんだ。それは、わが校の『友愛』の精神にも反する」
「はあ」
「だからだ」
会長はぼくの前の机に両手をついた。
「きみにはがんばってもらわねばならん。わかってくれるな、学園祭実行委員長」
ぼくとしてはわかりたくなどなかった。
ジョニィが手を挙げた。
「会長?」
「なんだ」
「会長は、正直どうなんです? 『歌姫』が入ってきて、邪魔だと思いますか?」
「わたしがか」
会長は身を起こし、二、三度まばたきをした。
「邪魔だとは思わない」
「じゃあ、それでいいでしょう。ぼくも、別に邪魔だとは思わないしね」
冗談じゃない。不安定要因を抱えるのは、このぼくなんだぞ。ぼくはジョニィに鋭い視線を向けた。
「お前も、ほんとうは邪魔だなんて思ってないだろ?」
ジョニィの顔を見ていると、急に、自分がなにかアンフェアなことをしているという気分になってきた。
「ああ……別に、邪魔だとまでは……」
「ほら」
ジョニィはあははと笑い、さっきまでぼくが読んでいたマンガ雑誌を取り上げた。
「この話はこれで終わりにしよう。伊藤さんには、明日からでもこの生徒会室に入ってもらおうよ。早めにここの空気に慣れてもらったほうが、誰にとっても都合がいい」
ぼくにとっては都合は……。
「来週には、委員会の基幹メンバーの顔合わせを兼ねた、来年度の予算の決定があります。その会議用の資料を作らなくちゃならない。『歌姫』にも、手伝ってもらいましょう。当然、会議にも出てもらって。もし、『歌姫』が、こいつの考える通りの、音楽しか興味のない暴れ者なら、それだけで嫌になって自分から出ていきますよ」
「おいきみ、そこまでいうことはないだろう」
「ですね、会長。ぼくはこの実行委員長よりはあの人を信用してますし。いろいろと文句はいうでしょうが、働いてくれると思いますよ。どうせなら」
ジョニィはぼくがさっきまで読んでいたファンタジーもののマンガのページを開いた。
「このマンガのヒロインくらいにまで活躍するようになってほしいものですよね」
会長はジョニィの手から雑誌をひったくった。
「そんな破廉恥なことはこのわたしが許さないからそう思いたまえ!」
スタッカートでそういうと、会長は憤然とした調子で雑誌のページをめくり始めた。
たぶんさっきのマンガを探しているんだろう。
ジョニィはにやにやしながら昼寝に戻った。
ジョニィとはこういう男なのだ。
「ひどいなあ、人のことをジョニィだなんて」
ジョニィはぼやいた。
生徒会の机に座ってマンガ雑誌を読んでいたぼくは、肌もあらわなヒロインの危機一髪シーンから目を上げて笑った。
「そりゃ、お前が悪いよ。放送部に『ジョニーへの伝言』なんて懐メロをリクエストなんかするからだ」
ぼくはマンガ雑誌を閉じた。
「放送部のリンちゃん、笑いをかみ殺してたぜ。『次のリクエストは、「ジョニーへの伝言」です』ってね」
これでもぼくはジョニィに対して気を使っているのだ。正確には、放送部の名アナウンサーにして、才色兼備の2年A組のリンちゃんは、こういったのだ。『次のリクエストは、「ジョニーへの伝言」です。生徒の中にアラフィフがいるんですね』と。ジョニィのあだ名が『アラフィフ』にならなかったのは、我が高校の校是が『友愛』だからかもしれない。
M高校生徒会書記をしているジョニィは、「ちぇっ」というと、眼鏡を外して頭を机に伏せた。誰が使っているかもわからない生徒会室の机だから、いくら疲れやすくても、ここで寝ようとするのはやめたほうがいいと思う。
扉ががらがらと開いた。この立て付けの悪い部室棟は、全室引き戸になっている。高校の施設だからしかたがないけど。
「聞いたかお前ら、あれを」
入ってきたのは、わが校の生徒会長だった。みんなからは「会長」と呼ばれている。こいつを「会長」以外の何と呼べばいいのか、正直ぼくにはわからない。膝を悪くするまではバスケ部の主力をしていたほどの長身で、頭がアメリカ産のスイカのように縦長で、部をやめたのに頭は丸坊主にしている。そこに銀縁眼鏡をかけて、私服OKのはずのうちの高校においてもいまだに詰襟の学生服着用をやめない。
「あれってなんですか」
ぼくはマンガ雑誌を閉じた。この会長が「あれ」といったからには、何か価値あることが起きたのだ。
「わからないのか」
会長はスタッカートの早口でいった。こういうしゃべり方をする男なのだ。
「わかりませんよ。誰かに告られでもしたんですか」
「うっ」
スタッカートが途切れた。
むくり、とジョニィが起き上がり、眼鏡をかけた。
「やりますなあ、会長。で、相手は、どこの誰です」
「別に告られたわけではない」
だが、その言葉からは、動揺が窺われた。この会長に、動揺は似合わない。そしてたいていのことは、似合わないから面白いのだ。
「告られたわけではないそうですよ、書記殿」
「そうらしいですな、学園祭実行委員長殿」
ぼくとジョニィはわざと話し方を変えた。こうすることにより、会長は「あせる」のだ。
今回も、会長はあせったらしかった。スタッカートの話し方が妙にゆがんだ。
「きみたち、きみたちはそう告る告るというが、そういうものではないのだ」
ジョニィはにやにやと人の悪い笑みを浮かべていた。たぶんぼくもそうだったろう。
「軽音部の伊藤さんを知っているな」
イトーさん? 軽音部に知り合いはいないが……。
ジョニィがあはは、と笑った。
「あのヴォーカルやってる、ほら、あの、『歌姫』さんだよ」
「ああ、あの妙にケバい娘ですね。会長、やりますなあ。今度卒業する先輩も、何人もが目をつけているっていう話でしょ。そんな人に告られ……」
「だから、何度も言うようだが、告られたのではない」
ではなんだろう?
「伊藤さんが、わたしに、『学園祭実行委員』になるための手続きを聞きに来たのだ」
ぼくの頭が一瞬真っ白になった。
「学園祭実行委員って……来年度の?」
「当たり前だろ。今年の学園祭はもう終わっている」
「……来年度ってことは、ぼくが実行委員長の?」
「当たり前だろう」
ぼくは四方八方に目を配った。狭苦しい生徒会室に、まっとうな手段で出ていける出口は、窓を除けば、会長が今入ってきた出入口よりほかになかった。
「会長」
ぼくはいった。
「学園祭実行委員長の要職、謹んで返上してもいいですか」
会長は考え込む目をした。
「いろいろ考えてみたんだが」
「はあ」
「却下だ」
そりゃそうだよな。
ジョニィが会長に目を向けた。
「彼女は軽音部ですよね」
「そうだ」
「ということは、狙いはライブの確保でしょうね」
「きみもそう思うか」
ジョニィだけじゃない、ぼくもそう思っている。ほかに、軽音部が何の目的で学園祭実行委員なんかに立候補するんだ。
「あれがきいたんでしょう」
ぼくはなんとか口を開いた。
「前回の、教室ライブ潰され事件」
思い出したくもなかった。発表会と称し、教室をひとつ確保して行った軽音部のライブは、野次を飛ばしてきた観客の生徒に、今年卒業する3年生が逆上し、あわや鉄拳飛び交う乱闘騒ぎになるところだったのだ。野次を飛ばした生徒はわがM高の生徒であったことと、パンチが届く前に、隣の文芸部の教室で本年度の会誌を囲んで談笑していた(実際は、わがM高の教職員をモデルとしたらしいBL風恋愛小説を回し読みしてバカ笑いしていた)学園祭実行委員会をはじめとする生徒会主要メンバーがかけつけて取り押さえることに成功したことで、本件は丸く収まったのだが、当然、ライブは中止ということになった。
教職員と文芸部は知らないが、それ以来、生徒会と軽音部の間には遺恨が発生したということになっている。
そんな軽音部の主要メンバーが生徒会入りするというのだ。ただで済むとは思えない。
「正式な委員になるつもりでしょうかね」
ぼくの質問に、会長はちょっと気分を害したようだった。
「きみ、わがM高が、委員会の運営において、正式な委員と、希望委員との間に格差を設けたことがあったかね」
「ない……でしょうね」
「むろんだ。それは、わが校の『友愛』の精神にも反する」
「はあ」
「だからだ」
会長はぼくの前の机に両手をついた。
「きみにはがんばってもらわねばならん。わかってくれるな、学園祭実行委員長」
ぼくとしてはわかりたくなどなかった。
ジョニィが手を挙げた。
「会長?」
「なんだ」
「会長は、正直どうなんです? 『歌姫』が入ってきて、邪魔だと思いますか?」
「わたしがか」
会長は身を起こし、二、三度まばたきをした。
「邪魔だとは思わない」
「じゃあ、それでいいでしょう。ぼくも、別に邪魔だとは思わないしね」
冗談じゃない。不安定要因を抱えるのは、このぼくなんだぞ。ぼくはジョニィに鋭い視線を向けた。
「お前も、ほんとうは邪魔だなんて思ってないだろ?」
ジョニィの顔を見ていると、急に、自分がなにかアンフェアなことをしているという気分になってきた。
「ああ……別に、邪魔だとまでは……」
「ほら」
ジョニィはあははと笑い、さっきまでぼくが読んでいたマンガ雑誌を取り上げた。
「この話はこれで終わりにしよう。伊藤さんには、明日からでもこの生徒会室に入ってもらおうよ。早めにここの空気に慣れてもらったほうが、誰にとっても都合がいい」
ぼくにとっては都合は……。
「来週には、委員会の基幹メンバーの顔合わせを兼ねた、来年度の予算の決定があります。その会議用の資料を作らなくちゃならない。『歌姫』にも、手伝ってもらいましょう。当然、会議にも出てもらって。もし、『歌姫』が、こいつの考える通りの、音楽しか興味のない暴れ者なら、それだけで嫌になって自分から出ていきますよ」
「おいきみ、そこまでいうことはないだろう」
「ですね、会長。ぼくはこの実行委員長よりはあの人を信用してますし。いろいろと文句はいうでしょうが、働いてくれると思いますよ。どうせなら」
ジョニィはぼくがさっきまで読んでいたファンタジーもののマンガのページを開いた。
「このマンガのヒロインくらいにまで活躍するようになってほしいものですよね」
会長はジョニィの手から雑誌をひったくった。
「そんな破廉恥なことはこのわたしが許さないからそう思いたまえ!」
スタッカートでそういうと、会長は憤然とした調子で雑誌のページをめくり始めた。
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