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大精霊の代替わりとルークの秘密
5、魔王復活の神託
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アウグスト王国と陸で接する国は二つある。トロイメライ王国と、正妃エメルダの出身国、トゥーラン帝国だ。
「トロイメライ王国については父上にお任せします。トゥーラン皇国はどうですか?」
「あの国はもうあの毒婦を切り捨てたからな。攻めてくることはせんだろう」
アウグスト王国とトゥーラン皇国とは細長い陸地、地峡で繋がっている皇帝を頂点とする中央集権の軍国主義国家だ。皇帝が住む皇宮には広い後宮があり、国内外から選りすぐりの美女が集められている。その中で皇帝の一番のお気に入りだった妃嬪から生まれたのがエメルダで、末っ子で母そっくりだったエメルダを皇帝は溺愛し、甘やかして育てた。
その結果、皇帝が妃嬪に飽きた頃にはそうとうな我儘皇女に育っていて、母と共に皇帝にも見捨てられ、政略結婚の道具として使われることになった。だが、人を人とも思わず気に入らないというだけで情け容赦なく使用人を処罰するあまりの苛烈さに国内では婚約者を見つけられなかった。
そんな折り、不可侵の同盟を願いに皇国に来たアウグスト王国王太子ロバートにエメルダが一目惚れをしたことをいいことに、エメルダを持て余していた皇帝や皇族たちは、その当時、皇国が地峡に進軍させていた軍を引くこと、今後一切の侵略行為を行わないことを条件に、国同士の関係強化を名目にして同盟を結び、強引にアウグスト王国へエメルダを押し付けた。そんな経緯もあって、国内でエメルダに何かあるとまた戦争になりかねず、エメルダがいくら増長しても手を出せない状況となっている。
「国同士のことよりもエメルダ自身が問題だな。自身の子を王座に就けたいがためにユリエル第二王子殿下に暗殺者を差し向けていると聞く。お前は両殿下と同じ学年で入学するから巻き込まれないように気をつけろ。お前になにかあったら精霊たちが暴走する。お前は大精霊様のーー」
ざわり、と部屋にいた精霊たちが騒めいた。水面に落ちた水が波紋を描くように騒めきが大きくなっていく。空気がピリついたことを感じたヴォルフの尻尾が逆立った。
「落ち着いて、みんな。まだ何かあったわけじゃないし」
『ねえねえルーク。だれをやっつける? じゃま者は消しちゃえばいいよ!』
パッと空中に現れたシルフが邪気のない顔で怖い事を言った。風の精霊王であるシルフならいとも簡単に相手を亡き者にしてしまうことができる。続いてウンディーネとサラマンダーも姿を見せた。
『ルーク、ルークに何かあったらわたくしたちはこの世界を滅ぼすわ』
『俺たちのルークに手を出す奴がいたら其奴を燃やし尽くしてやる』
「ウンディーネ、サラマンダーもありがとう。大丈夫だよ。私には精霊たちの加護があるしヴォルフもいる。それに私自身も強いからね」
『ええ、ええ。そうよね』
ルークが笑顔で力こぶを作ってみると、心配そうな顔つきだったウンディーネがほっと息を吐いて微笑みを浮かべた。その笑みは母マルガレーテがルークやヘレンに見せる顔によく似ていた。
「父上。ファルシオン家は王位継承に関しては中立の立場ということで宜しいでしょうか」
「そのつもりだが向こうはそうと思っていまい。ファルシオン家の領地は王都から遠いからどちらが次代の王となっても影響はないのだがな」
マルガレーテが側妃イングリズの護衛をしていた関係で、イングリズの実家であるフェアバウワー公爵家とも厚誼を結んでおり、ファルシオン家は第二王子派だと思われている。
「お前のことだから心配ないとは思うが学園では上手く立ち回れ」
「はあ……。面倒ですね」
「仕方あるまい。まあどうせお前は成人したらこの国を出る事になるんだから、面倒な事になったら全部捨ててここへ戻って来て構わん。ああ、だが本当は……」
アベルは立ち上がり、ルークの肩に軽く手を置いた。
「精霊の加護持ちは全員学園へ入学しなければならない決まりだから仕方ないとはいえ、本当はお前を遠い王都へやりたくはないのだがな。ただでさえ家族で過ごせる時間が残りわずかだというのに……」
「父上……」
普段、家族や親しい者以外には感情を見せることがないアベルだが、実はとても涙脆い。声が少し震えているのに気付いたルークは肩に置かれた手をぎゅっと握った。
「学園の夏期休暇には必ず帰ります。ワイバーンかバトルホースをご用意して頂けたら、十五日ほどかかる旅程も十日くらいには短縮できるでしょう。卒業後、私が国を出てしまうと、確かに家族と会える機会はほとんどなくなってしまいますが、顔を見せることくらいは出来ます。精霊鏡もありますし」
精霊鏡とは精霊の力を借り、鏡を使って音声や映像を伝え合うことができるものだ。
「そうは言うがな。それでもやはり寂しいし、お前が一番大変な時に共にいて手助けすることが出来ないーーん?」
アベルが外から聞こえる物音に気が付いて扉の方へ目を向けた。ヴォルフは袖口に隠し持っていた小さなナイフを出してルークの前に立ち、いつでも動けるように体勢を整えている。
『ルーク、ルーク! 誰かこっちに向かってきてるよ!』
『ルーク! この足音は家令のセバスチャンだよ』
『あーれー? ママとブリーズもいるよ』
『なんかあったんだよぜったい!』
『ジケンだ、ジケンだーー!』
部屋にいた精霊たちが一斉に騒めいた。いつも音を立てずに歩く使用人が貴族の邸宅内で足音を立てる時は余程のことがあった時だけ。何かあったのは間違いない。精霊が言うママ、というのはマルガレーテのことで、契約精霊のブリーズも一緒についてきたらしい。
「ヴォルフ、敵ではないから警戒を解け。セバスらしい」
「はい。失礼いたしました」
ヴォルフは何事もなかったようにナイフを袖口に戻すと、右手を胸に当てて身体を傾けた。所作が大変美しい。ヴォルフに侍従としての仕事を教え、親身になって世話をしたのはセバスチャンだった。そんな使用人として完璧であるはずのセバスチャンが慌てているのは本当に珍しい。
「失礼致します。旦那様、王都から早馬です」
執務室に入って来たセバスチャンが王家の紋章が入った封筒をアベルに渡した。封は開いているからマルガレーテが開けたのだろう。アベルは中の手紙にさっと目を通すと眉根を寄せた。
「あなた」
マルガレーテが青い顔でアベルを呼んだ。アベルはもう一度手紙をじっくり読み直すとルークに手紙の内容を教えた。
「ルーク、聖女であるヴァレンタイン侯爵令嬢が女神ジブリール様より神託を受けた。それによると五年以内に魔王が復活するそうだ」
この国の聖女、ルルーシェ・ヴァレンタイン侯爵令嬢は元平民で、世界樹の加護を受けた事により教会派の名門ヴァレンタイン侯爵家の養女となった。そして女神ジブリールはアウグスト王国が信仰する三女神のうちの一柱で、農耕と平和を司る女神である。
「では魔王が復活したとして、一番最初に襲われて被害を被るのはここファルシオン領ですね。今のうちから住民の避難先や食糧備蓄諸々のことも考えた方がいいでしょうね……」
常闇の森に続く北側一帯は元魔王領で、魔王亡き今でも瘴気が渦巻き、荒れ果てた荒野が広がっており、人間は誰も住めない土地となっている。復活するならおそらくそこ。魔王は嫉み、恨み、憎しみ、悲しみなどの負の感情が凝り固まって魔物に取り憑いた負の意識の集合体で、肉体は滅んでも負の意識は消えることなく残るので、何度魔王を倒そうとも、新たな肉体を得て復活する。
「前回の魔王との戦いは五百年前でしたか。確かボア系の魔王だったそうですね」
「形こそ大きかったが、そこまで強い魔王ではなかったと伝わっているな。まあ受肉したのがワイルドボアーー魔獣だったから、魔王といえどそこまで脅威ではなかったらしい」
前回はたまたま魔獣の中でも弱い部類に入るワイルドボアが魔王の核となったが、核となる生き物が竜のように強い個体だったり、人型の知能を持つものだったりすると、その分魔王の強さは跳ね上がり、討伐は困難を極める。
「勇者に関しての神託はなかったのですか?」
ルークがアベルに聞いた。魔王復活の予兆と同時に勇者となり得る存在が女神に選ばれる。
「ーーーー勇者は王立ルサルカ魔法学園生、だそうだ」
それはルークが来月から通う学園の名であった。
「トロイメライ王国については父上にお任せします。トゥーラン皇国はどうですか?」
「あの国はもうあの毒婦を切り捨てたからな。攻めてくることはせんだろう」
アウグスト王国とトゥーラン皇国とは細長い陸地、地峡で繋がっている皇帝を頂点とする中央集権の軍国主義国家だ。皇帝が住む皇宮には広い後宮があり、国内外から選りすぐりの美女が集められている。その中で皇帝の一番のお気に入りだった妃嬪から生まれたのがエメルダで、末っ子で母そっくりだったエメルダを皇帝は溺愛し、甘やかして育てた。
その結果、皇帝が妃嬪に飽きた頃にはそうとうな我儘皇女に育っていて、母と共に皇帝にも見捨てられ、政略結婚の道具として使われることになった。だが、人を人とも思わず気に入らないというだけで情け容赦なく使用人を処罰するあまりの苛烈さに国内では婚約者を見つけられなかった。
そんな折り、不可侵の同盟を願いに皇国に来たアウグスト王国王太子ロバートにエメルダが一目惚れをしたことをいいことに、エメルダを持て余していた皇帝や皇族たちは、その当時、皇国が地峡に進軍させていた軍を引くこと、今後一切の侵略行為を行わないことを条件に、国同士の関係強化を名目にして同盟を結び、強引にアウグスト王国へエメルダを押し付けた。そんな経緯もあって、国内でエメルダに何かあるとまた戦争になりかねず、エメルダがいくら増長しても手を出せない状況となっている。
「国同士のことよりもエメルダ自身が問題だな。自身の子を王座に就けたいがためにユリエル第二王子殿下に暗殺者を差し向けていると聞く。お前は両殿下と同じ学年で入学するから巻き込まれないように気をつけろ。お前になにかあったら精霊たちが暴走する。お前は大精霊様のーー」
ざわり、と部屋にいた精霊たちが騒めいた。水面に落ちた水が波紋を描くように騒めきが大きくなっていく。空気がピリついたことを感じたヴォルフの尻尾が逆立った。
「落ち着いて、みんな。まだ何かあったわけじゃないし」
『ねえねえルーク。だれをやっつける? じゃま者は消しちゃえばいいよ!』
パッと空中に現れたシルフが邪気のない顔で怖い事を言った。風の精霊王であるシルフならいとも簡単に相手を亡き者にしてしまうことができる。続いてウンディーネとサラマンダーも姿を見せた。
『ルーク、ルークに何かあったらわたくしたちはこの世界を滅ぼすわ』
『俺たちのルークに手を出す奴がいたら其奴を燃やし尽くしてやる』
「ウンディーネ、サラマンダーもありがとう。大丈夫だよ。私には精霊たちの加護があるしヴォルフもいる。それに私自身も強いからね」
『ええ、ええ。そうよね』
ルークが笑顔で力こぶを作ってみると、心配そうな顔つきだったウンディーネがほっと息を吐いて微笑みを浮かべた。その笑みは母マルガレーテがルークやヘレンに見せる顔によく似ていた。
「父上。ファルシオン家は王位継承に関しては中立の立場ということで宜しいでしょうか」
「そのつもりだが向こうはそうと思っていまい。ファルシオン家の領地は王都から遠いからどちらが次代の王となっても影響はないのだがな」
マルガレーテが側妃イングリズの護衛をしていた関係で、イングリズの実家であるフェアバウワー公爵家とも厚誼を結んでおり、ファルシオン家は第二王子派だと思われている。
「お前のことだから心配ないとは思うが学園では上手く立ち回れ」
「はあ……。面倒ですね」
「仕方あるまい。まあどうせお前は成人したらこの国を出る事になるんだから、面倒な事になったら全部捨ててここへ戻って来て構わん。ああ、だが本当は……」
アベルは立ち上がり、ルークの肩に軽く手を置いた。
「精霊の加護持ちは全員学園へ入学しなければならない決まりだから仕方ないとはいえ、本当はお前を遠い王都へやりたくはないのだがな。ただでさえ家族で過ごせる時間が残りわずかだというのに……」
「父上……」
普段、家族や親しい者以外には感情を見せることがないアベルだが、実はとても涙脆い。声が少し震えているのに気付いたルークは肩に置かれた手をぎゅっと握った。
「学園の夏期休暇には必ず帰ります。ワイバーンかバトルホースをご用意して頂けたら、十五日ほどかかる旅程も十日くらいには短縮できるでしょう。卒業後、私が国を出てしまうと、確かに家族と会える機会はほとんどなくなってしまいますが、顔を見せることくらいは出来ます。精霊鏡もありますし」
精霊鏡とは精霊の力を借り、鏡を使って音声や映像を伝え合うことができるものだ。
「そうは言うがな。それでもやはり寂しいし、お前が一番大変な時に共にいて手助けすることが出来ないーーん?」
アベルが外から聞こえる物音に気が付いて扉の方へ目を向けた。ヴォルフは袖口に隠し持っていた小さなナイフを出してルークの前に立ち、いつでも動けるように体勢を整えている。
『ルーク、ルーク! 誰かこっちに向かってきてるよ!』
『ルーク! この足音は家令のセバスチャンだよ』
『あーれー? ママとブリーズもいるよ』
『なんかあったんだよぜったい!』
『ジケンだ、ジケンだーー!』
部屋にいた精霊たちが一斉に騒めいた。いつも音を立てずに歩く使用人が貴族の邸宅内で足音を立てる時は余程のことがあった時だけ。何かあったのは間違いない。精霊が言うママ、というのはマルガレーテのことで、契約精霊のブリーズも一緒についてきたらしい。
「ヴォルフ、敵ではないから警戒を解け。セバスらしい」
「はい。失礼いたしました」
ヴォルフは何事もなかったようにナイフを袖口に戻すと、右手を胸に当てて身体を傾けた。所作が大変美しい。ヴォルフに侍従としての仕事を教え、親身になって世話をしたのはセバスチャンだった。そんな使用人として完璧であるはずのセバスチャンが慌てているのは本当に珍しい。
「失礼致します。旦那様、王都から早馬です」
執務室に入って来たセバスチャンが王家の紋章が入った封筒をアベルに渡した。封は開いているからマルガレーテが開けたのだろう。アベルは中の手紙にさっと目を通すと眉根を寄せた。
「あなた」
マルガレーテが青い顔でアベルを呼んだ。アベルはもう一度手紙をじっくり読み直すとルークに手紙の内容を教えた。
「ルーク、聖女であるヴァレンタイン侯爵令嬢が女神ジブリール様より神託を受けた。それによると五年以内に魔王が復活するそうだ」
この国の聖女、ルルーシェ・ヴァレンタイン侯爵令嬢は元平民で、世界樹の加護を受けた事により教会派の名門ヴァレンタイン侯爵家の養女となった。そして女神ジブリールはアウグスト王国が信仰する三女神のうちの一柱で、農耕と平和を司る女神である。
「では魔王が復活したとして、一番最初に襲われて被害を被るのはここファルシオン領ですね。今のうちから住民の避難先や食糧備蓄諸々のことも考えた方がいいでしょうね……」
常闇の森に続く北側一帯は元魔王領で、魔王亡き今でも瘴気が渦巻き、荒れ果てた荒野が広がっており、人間は誰も住めない土地となっている。復活するならおそらくそこ。魔王は嫉み、恨み、憎しみ、悲しみなどの負の感情が凝り固まって魔物に取り憑いた負の意識の集合体で、肉体は滅んでも負の意識は消えることなく残るので、何度魔王を倒そうとも、新たな肉体を得て復活する。
「前回の魔王との戦いは五百年前でしたか。確かボア系の魔王だったそうですね」
「形こそ大きかったが、そこまで強い魔王ではなかったと伝わっているな。まあ受肉したのがワイルドボアーー魔獣だったから、魔王といえどそこまで脅威ではなかったらしい」
前回はたまたま魔獣の中でも弱い部類に入るワイルドボアが魔王の核となったが、核となる生き物が竜のように強い個体だったり、人型の知能を持つものだったりすると、その分魔王の強さは跳ね上がり、討伐は困難を極める。
「勇者に関しての神託はなかったのですか?」
ルークがアベルに聞いた。魔王復活の予兆と同時に勇者となり得る存在が女神に選ばれる。
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