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第三章 怪奇、幽霊学習塾! 退魔剣客ふたたび
第51話 口淫
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久美子は、いやらしく動いている“道具"を花芯に当てた。
「ああ……」
押し寄せる快感に思わず声が漏れる。気温が低いため、甘く熱い吐息は白く立ちのぼり、どこかへ消えた。低い駆動音が部屋の中に響く。
久美子は寝ながら自慰にふけった。暗闇の中、性的な感触に喜び、波打つ白い身体が浮かび上がるが、彼女のそんな姿を知る者はこの世にはいない。少女のころから退魔の道を歩み始めた久美子は、恋もせず今まで生きてきた。無口な女であるが、人前で、たまに語る言葉が男のようである理由は“女を捨てた"というアピールだった。そうやってライバルに差をつけてきたのだ。もっとも、最近は昔ほどに職人気質ではなくなった。少しは落ち着いてきたものである。
従兄を愛していた時期があった。それは自覚している。だが、今や他の女のものである。幼かったころの久美子の下着を被りながら彼が自慰をしている姿を見たとき、湧き上がった性的な興味。一緒に寝ながら身体をまさぐられ、勃起した一物を何度も尻に押し付けられた。その暖かい感触を心地よく思っていた。男どもにいやらしい目で見られることが大好きな女になったのは従兄のせいである。彼が久美子という女の“性癖"を作りあげた。
“そろそろ、誰かのものになってみる?"
最近は鏡を見ながら、自分にそう語りかけるようにもなっていた。初恋だったと思えば、割り切れるものなのか。一生を処女のまま終える気などはない。恋愛には興味があった。
今、自慰をしながら久美子は一人の“男"の姿を妄想していた。それは従兄ではない。ならば別の“恋人候補"なのか?新しい一歩を踏み出すため、違う男を脳内に据えるようになったのか?だが、男と呼ぶには、まだ幼い“少年"である。しかも少女の如く夢の如く、美しい少年だ。
「隼人君……ああッ……隼人……」
道具を股間に当てながら、先日彼と“同衾"したときのことを思い出した。美少女と見間違うほどに愛らしい少年を脱がせてみると、男らしくそそり立つ一物が立派に生えていた。身体つきが華奢であるため、ふたなりを連想させる美しい姿だった。
「フフッ……ダメ……ダメよ……隼人……私には、子供を愛好する趣味は、ないのよ……」
自慰の快楽にひたる久美子を、少年は懸命に抱いていた。特に胸が好きなようである。男ならば、皆、そこに顔を埋めたいものなのか。
だが、この少年の魅力は、そこではないのである。あどけなさを残しつつも艶っぽい美貌は、むしろサディスティックな性欲を増進させる。こっちが犯したくなるのだ。久美子は強引に体を入れ替え、少年を下にした。
“久美子さん……なにをするの……?"
少年の美しい顔は、戸惑いを浮かべていた。久美子の妖しい表情から、大人の女の怖ろしさを察したのか?だが、勃起したままである。
「あなたが、いけないのよ……あなたには、女をおかしくさせる“なにか"が、あるのよ……」
久美子は言った。この少年の本領は、そこにあった。11歳にして、何人もの女たちを、類まれな美貌で狂わせてきたのである。明るい性格の香代も、おとなしい性格の啓子も、彼を犯した。和美も、敏子も……みな、狂った。そのことを知らない久美子も先日、眠っている彼の乳首を舐め、自慰をしながら、その唇を吸った。もう少しで、口淫までするところだった。
久美子は、目の前の少年の幻影にキスをした。
“んんっ……んんっ……"
少年は苦しそうに呻いた。息が出来ないほどの吸着だった。このとき、久美子は実際にうつ伏せになっており、尻を上げながら“道具"を秘所に当てていた。愛液が腿をつたう。
“久美子さん、あそこが、熱くて変だよ……"
唇を離したとき、少年の幻影が言った。
「それは、あなたが、健康な男の子の証なのよ」
久美子は、そのように答えた。年上の女が優しく“手ほどき"をしてあげる、そんなシチュエーションに興奮していた。
「フェラって、知ってる?」
無口な彼女が人にものを訊ねることは大変に珍しい。少年は頷いた。
「可愛い顔してるのに、いやらしいのね……もしかして、誰かにしてもらったこと、あるのかしら?」
その質問には、少年は首を振った。
「そう……なら、してあげるわ……」
久美子は体を下にずらし、美しい唇を少年の恥部に近づけた。
「口の中で出しちゃ、ダメよ……」
そう言って、そこに吐息を吹きかけた。目を閉じ、固まっていた少年が、“ぴくん"と動く。
「気持ちよく、してあげる……」
と、久美子。少年の一物を咥えるため、唇を開けた……
「ああ……ああっ……」
妄想に支配されながら、ベッドの上で久美子の自慰は続いていた。一糸もまとわぬ白い身体は女神の如く。それが感じている姿は、芸術的に美しい。
「はあっ……ん、あっ……」
快楽のさなか、頭の中で隼人を犯しながら喘ぐ。その声と“道具"の駆動音だけが深夜の空気と同化していた。
“久美子さん……あそこが……あそこが、気持ちいいよ……"
隼人の幻影は久美子の性技を小柄な一身に受け、美少女のように官能の表情を浮かべていた。いや、彼は美少女よりも美しい少年である。その美貌、大人の女に“抱きたい"と、思わせる。所有願望すら、いだかせる。
久美子は、かるくウェーブのかかった長い髪をかきあげた。顔を見せてやるためである。こうすれば、自分を犯す雌の仕草がわかるだろう。
「夜は、長いの……だから、まだ……イッちゃダメよ……」
などと言いながらも、久美子のほうがイキそうになっていた。“現実"の彼女は自慰の真っ最中である。
「いく……いくうッ……」
久美子は、そう喜びながら、“道具"を蜜壺に当て続けた。
『我が、妻よ……』
“神"の声が聴こえたような気がした。だが、気のせいであろう。久美子を指姦した首払村の化け物は、不思議な力を持った剣により、“あちら側の世界"に送り返されたという。斬ったのは隼人だった。
『美しき我が妻……汝は本来、淫蕩な性……』
そう。久美子は、そんな女である。はしたなく、いやらしい。
『その姿、淫蕩な汝に相応しい……』
神は笑った。ベッドの上で自慰をしながら、恍惚の表情を浮かべる久美子の目は死人の如く焦点定まらず、喘ぐ唇からは大量の涎を流していた。美しくもあるが、異様な状態でもあった。
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