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二章 ハミヤ
49-6 弱いが強い
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どうだ、ハミヤは
「先生、ハミヤいい走りしますよ。なんだか沈み込むようなフォームになる時があるんです。なんていうのかな。地を這うようって言うんですか。その時の加速は、恐ろしい」
「恐ろしい?」
H厩舎はお膳卓だった
午前中の調教を終えて昼食前
調教師のHと厩務員のタケルが会話をしている
Hはインスタントコーヒーを飲んで、タケルはインスタントの抹茶を飲んだ
「ええ、持っていかれるって感じですかね。自分の体がハミヤに支配されるって言いますか」
「ふむ。アイツ、妙な雰囲気持っているからな。どうだ4冠は狙えそうか」
「うーん。総合力でみると現状では出走まで漕ぎ着ければ御の字というところでしょうか。勝つとなると、どうでしょう。難しいでしょうね」
「うむ。調教量を増やすことも検討しないといけないか」
「いや、先生。あの、ハミヤ。先生の言う通り、なんて言うのかな。哀愁漂うって言うんですかね。顔。悲しい表情ですか。もしかしたら・・」
「走る意味か、はあ」
生きる意味か、はあ
走ることは好き
走らされることは。
目一杯駆ける
限界を超えてあのゴールへ
骨、折っても、腱、やっても
リバイバルして
また、走る、走る、走る。
骨折しても、病気罹かって
でも
ただ、生きる、生きる、生きる。
馬、人
私共は天に飼われている
走れ、走れ走れ生きれ、生きれ
生かされることは嫌い
生きる
「はあ!なんでアイツらのために走んなきゃいけねえんだ!ブフッ!あー草原走りてえ。自由気儘に伸び伸びと走って牧草食って寝る。なんか、人間って勘違いしてるんだよな。参っちまうよな。はあ、アイツらに付き合ってやるのか。馬のプライド貫き通すか。おい!スミレ」
「なによ。ハミヤ」
ハミヤの隣りの馬房はスミレだった
スミレは4歳の雌馬でパパやガキ、ママといったH1馬と同じ世代だ
戦績は彼ら一流馬のソレには大きく水を開けられて、着順には大きな数字が並んでいた
ただ、先月に500万下レースという条件馬に限るレースを優勝した
今のランクは1000万下というランクであった
もう一つ上のクラスに1600万下があって、その上がオープン。
オープンが最上位のクラス。当然H1などの翔賞を走る馬はオープンクラス
※収得賞金
新馬、未勝利を勝つと400万
500万下を勝つと500万
1000万下を勝つと600万
1600万下を勝つと900万
以上が加算される
スミレは500万下の条件レースまで勝ったので、収得賞金は900万パーマー
「なあ、スミレ。人間が一流と思ってる馬ってよ。弱い馬じゃねえか」
「それがどうしたのよ。弱いから逃げるように早く走る。そんなの常識でしょ。人間に怯えない、動じない馬はゆったり走るんだから」
「アイツら、人間さ。わかってねえんだよな。その辺な。人間達ならどうなんだろうな。走れ!走れ!ケツ蹴られて走れ走れって強要されたら、強い人間なら反抗するだろ。従順っていうか、なすがままっていうか、唯唯諾諾っていうかさ。アイツらの言うところのスターホースって俺達から見れば雑魚じゃねえか」
「なによ、それがどうしたのよ。今更。適当にやっておけばいいんじゃない」
「前のレースはどうして勝った。スミレ」
「えっ。まあ、Hがさ。いつもこのあたり撫でてくれるし。なんか、き、す」
「キスされたのか!スミレ!それでお前走る気になったんだな!このヤロ、スケベ雌!」
「なによ!フン!いいじゃない。たまには、私だって喜んだ顔が、、、走る理由なんて。フン」
「そうか・・・」
また、哀愁の葦毛、花美哉
タケル・・・
お前が喜んでくれるなら
「まあ、いいや。じゃあな、スミレ。調教も済んだし寝るわ」
「なによ」
走らされるなんて嫌だろ、普通
じゃあ、お前。そこのお前だよ
いや、走れよ。気抜いたらケツ蹴っ飛ばす
走れ。レースだけじゃねえぞ
いっぱい練習するんだ
気が向かなくても、熱っぽくてもだ
もう、いやだよ
「タケルがいつも俺に触れるんだよ」
そんな理でいいのか
なあ、スミレ
新馬つい勝っちまった時
泣いて抱きしめんだよ
そりゃ、嬉しそうに、アイツ
己の苦労が実ったってことか
ただ己に金が入るってことか
それとも、
おれ、おれ、よえー
人間の期待に応えちゃったよ
あーあ、情けないウマ
「ハミヤ!飼い葉の時間だぞー!!!腹いっぱい食え!!」
ブルル
2033-霜月-一週
2025-11-1週目
あーい!また!
すっちゃったよ!
シランケドが3着なら
なんで私のワイドはいつも2着4着なのよ!
キー!
シトリ
誕生日おめでとう!
えっ、私、、
あっ、プレゼント用意してない
シトリは還暦超えてるから
もらう方でしょ
子供と。
還暦以上は祝ってもらう、おっきく、どんどん、増す増す
ああ、そうね
ありがとう、66
2033-霜月-1週
H1皇妃杯を制したのは
7歳雄馬
ゴルド
サカスジョッキー
「先生、ハミヤいい走りしますよ。なんだか沈み込むようなフォームになる時があるんです。なんていうのかな。地を這うようって言うんですか。その時の加速は、恐ろしい」
「恐ろしい?」
H厩舎はお膳卓だった
午前中の調教を終えて昼食前
調教師のHと厩務員のタケルが会話をしている
Hはインスタントコーヒーを飲んで、タケルはインスタントの抹茶を飲んだ
「ええ、持っていかれるって感じですかね。自分の体がハミヤに支配されるって言いますか」
「ふむ。アイツ、妙な雰囲気持っているからな。どうだ4冠は狙えそうか」
「うーん。総合力でみると現状では出走まで漕ぎ着ければ御の字というところでしょうか。勝つとなると、どうでしょう。難しいでしょうね」
「うむ。調教量を増やすことも検討しないといけないか」
「いや、先生。あの、ハミヤ。先生の言う通り、なんて言うのかな。哀愁漂うって言うんですかね。顔。悲しい表情ですか。もしかしたら・・」
「走る意味か、はあ」
生きる意味か、はあ
走ることは好き
走らされることは。
目一杯駆ける
限界を超えてあのゴールへ
骨、折っても、腱、やっても
リバイバルして
また、走る、走る、走る。
骨折しても、病気罹かって
でも
ただ、生きる、生きる、生きる。
馬、人
私共は天に飼われている
走れ、走れ走れ生きれ、生きれ
生かされることは嫌い
生きる
「はあ!なんでアイツらのために走んなきゃいけねえんだ!ブフッ!あー草原走りてえ。自由気儘に伸び伸びと走って牧草食って寝る。なんか、人間って勘違いしてるんだよな。参っちまうよな。はあ、アイツらに付き合ってやるのか。馬のプライド貫き通すか。おい!スミレ」
「なによ。ハミヤ」
ハミヤの隣りの馬房はスミレだった
スミレは4歳の雌馬でパパやガキ、ママといったH1馬と同じ世代だ
戦績は彼ら一流馬のソレには大きく水を開けられて、着順には大きな数字が並んでいた
ただ、先月に500万下レースという条件馬に限るレースを優勝した
今のランクは1000万下というランクであった
もう一つ上のクラスに1600万下があって、その上がオープン。
オープンが最上位のクラス。当然H1などの翔賞を走る馬はオープンクラス
※収得賞金
新馬、未勝利を勝つと400万
500万下を勝つと500万
1000万下を勝つと600万
1600万下を勝つと900万
以上が加算される
スミレは500万下の条件レースまで勝ったので、収得賞金は900万パーマー
「なあ、スミレ。人間が一流と思ってる馬ってよ。弱い馬じゃねえか」
「それがどうしたのよ。弱いから逃げるように早く走る。そんなの常識でしょ。人間に怯えない、動じない馬はゆったり走るんだから」
「アイツら、人間さ。わかってねえんだよな。その辺な。人間達ならどうなんだろうな。走れ!走れ!ケツ蹴られて走れ走れって強要されたら、強い人間なら反抗するだろ。従順っていうか、なすがままっていうか、唯唯諾諾っていうかさ。アイツらの言うところのスターホースって俺達から見れば雑魚じゃねえか」
「なによ、それがどうしたのよ。今更。適当にやっておけばいいんじゃない」
「前のレースはどうして勝った。スミレ」
「えっ。まあ、Hがさ。いつもこのあたり撫でてくれるし。なんか、き、す」
「キスされたのか!スミレ!それでお前走る気になったんだな!このヤロ、スケベ雌!」
「なによ!フン!いいじゃない。たまには、私だって喜んだ顔が、、、走る理由なんて。フン」
「そうか・・・」
また、哀愁の葦毛、花美哉
タケル・・・
お前が喜んでくれるなら
「まあ、いいや。じゃあな、スミレ。調教も済んだし寝るわ」
「なによ」
走らされるなんて嫌だろ、普通
じゃあ、お前。そこのお前だよ
いや、走れよ。気抜いたらケツ蹴っ飛ばす
走れ。レースだけじゃねえぞ
いっぱい練習するんだ
気が向かなくても、熱っぽくてもだ
もう、いやだよ
「タケルがいつも俺に触れるんだよ」
そんな理でいいのか
なあ、スミレ
新馬つい勝っちまった時
泣いて抱きしめんだよ
そりゃ、嬉しそうに、アイツ
己の苦労が実ったってことか
ただ己に金が入るってことか
それとも、
おれ、おれ、よえー
人間の期待に応えちゃったよ
あーあ、情けないウマ
「ハミヤ!飼い葉の時間だぞー!!!腹いっぱい食え!!」
ブルル
2033-霜月-一週
2025-11-1週目
あーい!また!
すっちゃったよ!
シランケドが3着なら
なんで私のワイドはいつも2着4着なのよ!
キー!
シトリ
誕生日おめでとう!
えっ、私、、
あっ、プレゼント用意してない
シトリは還暦超えてるから
もらう方でしょ
子供と。
還暦以上は祝ってもらう、おっきく、どんどん、増す増す
ああ、そうね
ありがとう、66
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