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つきあう兄とこわがる妹(フリー台本)
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(家・夜・リビング)
(兄、急に立ち上がる)
(妹「え⁈」)
え⁈何?
(妹「いや、どこいくの?」)
いや、コーヒー入れようかと思って
(妹「ああ、そう…」)
何?
(妹「別に」)
(兄、急に立ち上がる)
(妹「え⁈」)
え⁈何?
(妹「どこ行くの?」)
いや、トイレ
(妹「あ、そう」)
何だよ…
(妹「行ってらっしゃい」)
行ってらっしゃい、って何?
(兄、トイレから出ると目の前に妹が立っている)
うわぁっ!びっくりした
お前、こんなとこで何してんの⁈
(妹「いや、私もトイレ行こうかと思って」)
ふぅん…どうぞ
お前、風呂は?
(妹「まだ」)
だよな?先入る?
(妹「うーん、今日はやめよう…かな」)
え?入らないの?何で?
(妹「いや…なんとなく」)
なんだよ、理由がないなら入れよ
あ、じゃあ俺先に入っていい?
(妹「えっ!」)
えって、何⁈
(妹「いや、なんでもない…
兄、お風呂上がったら部屋に行く?」)
何?へ?そりゃ行くだろ
寝るんだから
(妹「寝る、の?」)
そりゃそうだろ、夜なんだから
(妹「あ、じゃあさ
やっぱり、私先に入っていい?」)
え?…いや、いいけど
なんだよ…へんなやつ
(妹「あの、さ」)
何?
(妹「私、トイレ行くからここにいて」)
へ?
お前がトイレに行ってる間、トイレの前で待ってろ、ってこと?
(妹「それと、お風呂も入ってる間お風呂の前で待ってて」)
風呂も⁈
(妹「……」)
…はぁぁ…そういうこと?
(妹「……」)
さっき、の…か?
(妹「……」)
やっぱり
俺、大丈夫か?ってきいたよな?
何で観たの?
(妹「観てた時はそんなこと思わないもん」)
チャンネル変えるなり、消すなりすればよかったのに
(妹「こわいもの見たさっていうか…ちょっと面白そうだったし」)
怖いもの見たさって、お前…
(妹「あの時は母さんも兄もいたし…
母さんが寝て、テレビ消して静かになったら、父さん仕事で今夜いないなぁとか、お風呂で髪洗う時目つむるなぁ、とか思ったら…」)
こわくなっちゃった?
(妹「目開けたときおばけがいたら怖いじゃん」)
おばけなんかいないよ
(妹「そんなのわかんないじゃん」)
今まで生きてきて俺、見たことないもん
(妹「兄は世の中のこと全部知ってんの?」)
そんなことはないけど
(妹「じゃ、何でいないって言い切れるの?」)
なんで言い切れるって…
(妹「私が怖がってるから気休めで言ってくれてるだけでしょ?
だってさっきテレビでやってたじゃん
時々出て来て人間に悪さするんだよ」)
あれは番組
おばけなんていません
悪さするのは人間だけです
人間がこの世で一番怖いんだよ
(妹「そんなことないよ
おばけが一番怖いよ」)
あ~はいはい、どっちでもいいよ
面倒くさいなぁ
とっととトイレ行けよ
(妹「ここにいてよ」)
ああ、わぁったわぁった
(妹、トイレへ)
(妹「兄」)
はいよ
(妹「いる⁈」)
いるよ
(妹「兄」)
はいはい
(妹、トイレから出てくる)
(妹「よかった~
おばけ来なかったよ」)
…そりゃ、よかったな
(妹「じゃ、部屋に着替え取りに行くから付いてきて」)
…はいはい
(妹「2階にいたら兄やっつけてよ」)
そんなにキツくしがみつくなよ
これじゃあやっつけられないだろ
(妹「そんなこと言ったってぇ…
兄の部屋にもついて行ってあげるから」)
俺の部屋にも付いて来てくれるねぇ、そりゃどーも
(妹「じゃ、お風呂入ってくるから、ここにいて」)
ここにいろって?
はいはい
(妹「さっきみたいに呼んだら返事してよ?」)
返事…ね
(妹「絶対だよ!」)
絶対ね、わかったよ
わかったからちゃんと洗ってあったまってこいよ
(妹「今日は髪洗わない、ダッシュで出て来るから」)
あそ…はいはい
(妹、入浴中)
(妹「兄」)
ああ
(妹「兄」)
おお
(妹「兄」)
…うん
(妹「兄」)
……
(妹「兄、返事!!」)
…あ、ごめん寝てた
(妹「もう何やってんの!
ダメじゃん
緊張感足りないよね
私がどうなってもいいの⁈」)
何やってんの、ダメじゃん、
緊張感足りないって、そこまで言われる⁈
付き合ってやってるのに
(妹「私もう上がるからね」)
もう上がる⁈
早すぎ!100数えろ
(妹「子供じゃないんだよ!
これ以上一人無理!」)
…ったく
(妹「兄が入ってる時もいてあげるからね」)
いてあげるって、自分が一人になりたくないだけだろ
俺は一人がいいんだよ
風呂くらいゆっくり入りたいっつーの
(妹「ねぇ、兄」)
絶対いや!!
(妹「まだ何にも言ってないよ」)
一緒に寝てくれ、だろ?
(妹「お願い!一生のお願い!」)
一生のお願い何回するんだよ
この間きいてやっただろ
(妹「一生のお願い何回まできいてくれる?」)
はぁ?
一生のお願いは一生に一回だけだろ
(妹「そんな正論きいてないよ」)
お前、寝相悪いからイヤ
(妹「一生のお願いだから一緒に寝てよ」)
こっちが一生のお願いだよ
一生のお願いだから、お前とは寝たくない
(妹「今日だけ!今日だけでいいから~」)
この間一緒に寝た時、腹蹴ったろ?
(妹「もう、蹴られたくらいで何よ」)
蹴られたくらいってなんだよ
リビングのソファに避難せざるをえなかった俺の身にもなれよ
(妹「知らないじゃん
そんな意識のない時のこと責められたって困るよ」)
意識のない時のこと責められたって困る?
寝るの俺のベッド
俺、明日も仕事だよ?
安眠したいの当然だろ
(妹「直立不動で寝るからさぁ」)
直立不動なんかでお前が寝られる訳ないだろ
(妹「おばけが来てかわいい妹さらわれたらどうすんの?」)
こんな面倒くさいヤツさらわねーだろ
(妹「兄ィ~!!」)
こら、そんな大声出すなよ
母さん寝てんだぞ
(妹「兄がどうしてもダメなら、母さんと寝る」)
あ、待て待て待て待て
この時間に母さんの寝込み襲うのダメだろう
…わかった、わかりました
しゃーねーな
一緒に寝てやるよ
(妹「やった」)
そのかわり、もうホラー系観るなよ
お前、思い出して怖くなるんだから
約束できんの?
(妹「うんうん」)
うんうんって、ホントかよ
お前いっつも夜になってからぎゃーぎゃー言って…うん、もういいや
じゃ、もう遅いし、歯磨きして寝るぞ
(兄の部屋)
え?そんな潜り込むの?
(妹「おばけ来たら絶対絶対守ってよ」)
はいはい
(妹「兄、どこ行くの?」)
電気消しに
(妹「あ、電気消しちゃだめ!」)
消しちゃダメ?
(妹「おばけ来たらどうすんの?」)
いや、電気つけたままなんて寝らんないだろ
(妹「大丈夫、寝られるよ」)
いや、お前はそうかもしれないけど…
どーせ潜り込むんだから
布団の外が明るいか暗いかなんてわからないだろ
(妹「それでも!」)
一緒にいるんだからいいだろう
(妹「お願い」)
はぁ…わかったよ
困ったお嬢さんだねぇ
お前が寝たら消すわ
(妹「何か言った?」)
いーや、別に
(妹「私が寝たからって消したら怒るから」)
…聞こえてんじゃん
寝たら消したってわかんないだろ、お前一回寝たら起きないじゃん
そんな睨みつけんなよ
…はいはい、消しませんよ
(妹「兄、もし私の寝相が悪くてリビング行く時は、私も一緒に行くから絶対絶対起こしてね」)
お前さ、自分がかなり変なこと言ってる自覚ある?
(妹「朝起きて私一人だったら兄のことぶっとばす」)
なんだよ、それ
お前、そんなに強いなら一緒に寝なくてもいいじゃん
おばけが出たらぶっとばせば?
(妹「あ、嘘うそ
兄のことぶっとばしたりしないから」)
当然だろ
こんな優しい兄ちゃん
(妹「兄、これからも怖い時一緒に寝てくれる?」)
これからも⁈
…さぁ、今夜いい子で寝られたらね
(妹「いい子だよ、いつだって」)
はぁ…いつだっていい子ねぇ
(妹「本当は兄だって一緒に寝られて嬉しいくせに」)
今、俺に一緒に寝られて嬉しいくせにって言った?
ふぅん、一人で寝ることにしたんだ
(妹「あ~、冗談、冗談だよ」)
冗談言えるんだ、余裕だね
(妹「兄が一緒だと安心するー」)
何が一緒だと安心するーだよ
…ったく
調子いいんだから、お前は
おばけでも、幽霊でも、ちゃんとお前のこと守ってやるから
とっとといい子で寝やがれ
何時だと思ってんだ
(兄、急に立ち上がる)
(妹「え⁈」)
え⁈何?
(妹「いや、どこいくの?」)
いや、コーヒー入れようかと思って
(妹「ああ、そう…」)
何?
(妹「別に」)
(兄、急に立ち上がる)
(妹「え⁈」)
え⁈何?
(妹「どこ行くの?」)
いや、トイレ
(妹「あ、そう」)
何だよ…
(妹「行ってらっしゃい」)
行ってらっしゃい、って何?
(兄、トイレから出ると目の前に妹が立っている)
うわぁっ!びっくりした
お前、こんなとこで何してんの⁈
(妹「いや、私もトイレ行こうかと思って」)
ふぅん…どうぞ
お前、風呂は?
(妹「まだ」)
だよな?先入る?
(妹「うーん、今日はやめよう…かな」)
え?入らないの?何で?
(妹「いや…なんとなく」)
なんだよ、理由がないなら入れよ
あ、じゃあ俺先に入っていい?
(妹「えっ!」)
えって、何⁈
(妹「いや、なんでもない…
兄、お風呂上がったら部屋に行く?」)
何?へ?そりゃ行くだろ
寝るんだから
(妹「寝る、の?」)
そりゃそうだろ、夜なんだから
(妹「あ、じゃあさ
やっぱり、私先に入っていい?」)
え?…いや、いいけど
なんだよ…へんなやつ
(妹「あの、さ」)
何?
(妹「私、トイレ行くからここにいて」)
へ?
お前がトイレに行ってる間、トイレの前で待ってろ、ってこと?
(妹「それと、お風呂も入ってる間お風呂の前で待ってて」)
風呂も⁈
(妹「……」)
…はぁぁ…そういうこと?
(妹「……」)
さっき、の…か?
(妹「……」)
やっぱり
俺、大丈夫か?ってきいたよな?
何で観たの?
(妹「観てた時はそんなこと思わないもん」)
チャンネル変えるなり、消すなりすればよかったのに
(妹「こわいもの見たさっていうか…ちょっと面白そうだったし」)
怖いもの見たさって、お前…
(妹「あの時は母さんも兄もいたし…
母さんが寝て、テレビ消して静かになったら、父さん仕事で今夜いないなぁとか、お風呂で髪洗う時目つむるなぁ、とか思ったら…」)
こわくなっちゃった?
(妹「目開けたときおばけがいたら怖いじゃん」)
おばけなんかいないよ
(妹「そんなのわかんないじゃん」)
今まで生きてきて俺、見たことないもん
(妹「兄は世の中のこと全部知ってんの?」)
そんなことはないけど
(妹「じゃ、何でいないって言い切れるの?」)
なんで言い切れるって…
(妹「私が怖がってるから気休めで言ってくれてるだけでしょ?
だってさっきテレビでやってたじゃん
時々出て来て人間に悪さするんだよ」)
あれは番組
おばけなんていません
悪さするのは人間だけです
人間がこの世で一番怖いんだよ
(妹「そんなことないよ
おばけが一番怖いよ」)
あ~はいはい、どっちでもいいよ
面倒くさいなぁ
とっととトイレ行けよ
(妹「ここにいてよ」)
ああ、わぁったわぁった
(妹、トイレへ)
(妹「兄」)
はいよ
(妹「いる⁈」)
いるよ
(妹「兄」)
はいはい
(妹、トイレから出てくる)
(妹「よかった~
おばけ来なかったよ」)
…そりゃ、よかったな
(妹「じゃ、部屋に着替え取りに行くから付いてきて」)
…はいはい
(妹「2階にいたら兄やっつけてよ」)
そんなにキツくしがみつくなよ
これじゃあやっつけられないだろ
(妹「そんなこと言ったってぇ…
兄の部屋にもついて行ってあげるから」)
俺の部屋にも付いて来てくれるねぇ、そりゃどーも
(妹「じゃ、お風呂入ってくるから、ここにいて」)
ここにいろって?
はいはい
(妹「さっきみたいに呼んだら返事してよ?」)
返事…ね
(妹「絶対だよ!」)
絶対ね、わかったよ
わかったからちゃんと洗ってあったまってこいよ
(妹「今日は髪洗わない、ダッシュで出て来るから」)
あそ…はいはい
(妹、入浴中)
(妹「兄」)
ああ
(妹「兄」)
おお
(妹「兄」)
…うん
(妹「兄」)
……
(妹「兄、返事!!」)
…あ、ごめん寝てた
(妹「もう何やってんの!
ダメじゃん
緊張感足りないよね
私がどうなってもいいの⁈」)
何やってんの、ダメじゃん、
緊張感足りないって、そこまで言われる⁈
付き合ってやってるのに
(妹「私もう上がるからね」)
もう上がる⁈
早すぎ!100数えろ
(妹「子供じゃないんだよ!
これ以上一人無理!」)
…ったく
(妹「兄が入ってる時もいてあげるからね」)
いてあげるって、自分が一人になりたくないだけだろ
俺は一人がいいんだよ
風呂くらいゆっくり入りたいっつーの
(妹「ねぇ、兄」)
絶対いや!!
(妹「まだ何にも言ってないよ」)
一緒に寝てくれ、だろ?
(妹「お願い!一生のお願い!」)
一生のお願い何回するんだよ
この間きいてやっただろ
(妹「一生のお願い何回まできいてくれる?」)
はぁ?
一生のお願いは一生に一回だけだろ
(妹「そんな正論きいてないよ」)
お前、寝相悪いからイヤ
(妹「一生のお願いだから一緒に寝てよ」)
こっちが一生のお願いだよ
一生のお願いだから、お前とは寝たくない
(妹「今日だけ!今日だけでいいから~」)
この間一緒に寝た時、腹蹴ったろ?
(妹「もう、蹴られたくらいで何よ」)
蹴られたくらいってなんだよ
リビングのソファに避難せざるをえなかった俺の身にもなれよ
(妹「知らないじゃん
そんな意識のない時のこと責められたって困るよ」)
意識のない時のこと責められたって困る?
寝るの俺のベッド
俺、明日も仕事だよ?
安眠したいの当然だろ
(妹「直立不動で寝るからさぁ」)
直立不動なんかでお前が寝られる訳ないだろ
(妹「おばけが来てかわいい妹さらわれたらどうすんの?」)
こんな面倒くさいヤツさらわねーだろ
(妹「兄ィ~!!」)
こら、そんな大声出すなよ
母さん寝てんだぞ
(妹「兄がどうしてもダメなら、母さんと寝る」)
あ、待て待て待て待て
この時間に母さんの寝込み襲うのダメだろう
…わかった、わかりました
しゃーねーな
一緒に寝てやるよ
(妹「やった」)
そのかわり、もうホラー系観るなよ
お前、思い出して怖くなるんだから
約束できんの?
(妹「うんうん」)
うんうんって、ホントかよ
お前いっつも夜になってからぎゃーぎゃー言って…うん、もういいや
じゃ、もう遅いし、歯磨きして寝るぞ
(兄の部屋)
え?そんな潜り込むの?
(妹「おばけ来たら絶対絶対守ってよ」)
はいはい
(妹「兄、どこ行くの?」)
電気消しに
(妹「あ、電気消しちゃだめ!」)
消しちゃダメ?
(妹「おばけ来たらどうすんの?」)
いや、電気つけたままなんて寝らんないだろ
(妹「大丈夫、寝られるよ」)
いや、お前はそうかもしれないけど…
どーせ潜り込むんだから
布団の外が明るいか暗いかなんてわからないだろ
(妹「それでも!」)
一緒にいるんだからいいだろう
(妹「お願い」)
はぁ…わかったよ
困ったお嬢さんだねぇ
お前が寝たら消すわ
(妹「何か言った?」)
いーや、別に
(妹「私が寝たからって消したら怒るから」)
…聞こえてんじゃん
寝たら消したってわかんないだろ、お前一回寝たら起きないじゃん
そんな睨みつけんなよ
…はいはい、消しませんよ
(妹「兄、もし私の寝相が悪くてリビング行く時は、私も一緒に行くから絶対絶対起こしてね」)
お前さ、自分がかなり変なこと言ってる自覚ある?
(妹「朝起きて私一人だったら兄のことぶっとばす」)
なんだよ、それ
お前、そんなに強いなら一緒に寝なくてもいいじゃん
おばけが出たらぶっとばせば?
(妹「あ、嘘うそ
兄のことぶっとばしたりしないから」)
当然だろ
こんな優しい兄ちゃん
(妹「兄、これからも怖い時一緒に寝てくれる?」)
これからも⁈
…さぁ、今夜いい子で寝られたらね
(妹「いい子だよ、いつだって」)
はぁ…いつだっていい子ねぇ
(妹「本当は兄だって一緒に寝られて嬉しいくせに」)
今、俺に一緒に寝られて嬉しいくせにって言った?
ふぅん、一人で寝ることにしたんだ
(妹「あ~、冗談、冗談だよ」)
冗談言えるんだ、余裕だね
(妹「兄が一緒だと安心するー」)
何が一緒だと安心するーだよ
…ったく
調子いいんだから、お前は
おばけでも、幽霊でも、ちゃんとお前のこと守ってやるから
とっとといい子で寝やがれ
何時だと思ってんだ
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