161 / 329
クオカの洞穴の死霊
161.人ならざる者
一瞬で触手が倒された事で、本体はどう動くか?
ハンソを巻き込んだウィンドトルネードは、ワームに飲み込まれて、確実に体内でダメージを与えている。しかし12~3mはあるワームの体に対して、俺の放ったウィンドトルネードは小さすぎるのかもしれない。剣羽根やダミアの実のダメージも加わっているが、特にワームに苦しがったり、嫌がったりする素振りは見えない。
「あまり効果は無いのか?」
「まだ、判断するには早すぎるよ。口を開けたまま、固まって動いていないね」
俺一人の判断ではなく、ナレッジが助言を入れてくれる。
俺の精霊達でも、3つに分かれる。ブレスレット中から出てこない·出れない内勤組と、召喚されたままの外勤組、どちらも自由にこなせる複合組。
俺自身の事だけであれば、外勤組を多くすれば、それだけ魔力を消費してくれる事になる。しかし、最近では常に精霊を召喚している事が最善ではないと思うようになってきた。
アシスで生き残る為には魔力を消費しなければならないし、それは変わらない。ただ、今を生き残る為には、俺自身が強くならなければならない。
その強くなる手段の1つが、リズやリタ·ナルキのようにブレスレットの中から俺を強化してくれる事。直接的に俺自身に力をもたらしてくれる事を考えれば、魔力消費が少なくても問題は感じない。
リズとリタが召喚出来るまでに回復したとしても、すぐに純白の翼を失って戦う事は考えづらい。
そして、戦う事だけが力ではない。ナレッジのように、俺のスキルをサポートしてくれたり、助言してくれる存在も必要になる。
やはり一番の悩みは、判断し決定する事。精霊や仲間が増える程に、1人で考えて判断し決定する事にはプレッシャーが重くのしかかる。
それを助けてくれるのは、ムーアやナレッジになるだろうし、直接的な攻撃だけが力ではないと考えれるようになってきた。
ウィンドトルネードはワームの中に吸い込まれてゆくが、次第に威力が弱くなる。一緒に飛ばされていたハンソも、威力の減衰に伴いワームの中には着地する。
風に捕らわれていたが、今度はワームの粘液に捕らえられる。
契約した精霊であれば、特に声を出さずとも思いは伝わる。しかし、あえて大きな声を出す!
「ハンソーッ、溶けてなくなりたくなかったら暴れろーっ!」
「エトーッ、エトーッ、エトーッ」
「何してる早くしろ、岩を出せ、消化液を止めろ!」
「ントッ、ントッ、ントッ」
慌ててハンソが動き出した事で、ナレッジも焦り出す。
「ハンソは消化液で溶けるのかい?召喚解除すれば、ブレスレットの中に戻せるんじゃないか?まだ間に合う可能性も十分にあるよ!」
「溶けるかもしれないし、溶けないかもしれない」
「えっ、今の話は違うのかい?」
「本当かもしれないし、違うかもしれない。ただ未知の誰も名前も知らない魔物相手で、その可能性が無いとは言えない」
「それって、知らないって事はだよね!」
「ハンソの動きが良くなったのは事実だろ。せっかく中に入り込んだのに、全力を出さなかったら意味がない。全力を発揮させてやる事が、契約者としての責務だと思う」
「うーん、確かにそうだね。僕もそうするよ」
ハンソが暴れだすと、ワームの体が少し後退を始める。触手を切られても見せなかった反応に、少し手応えを感じる。
ありがちな話で、恐らくは触手は再生が出来る使い捨てのような存在なのだろう。しかし、ハンソのという異物が体内に入り込み、溶かす事の出来ない物が体内で増殖を始めた。
「経験した事のない現象で混乱してるんだろ。今がチャンス、皆行くよ!フォリーも出てきて大丈夫だからね」
「カショウ様、良いのですか?」
「ここは闇の中。ヴァンパイアが1番力を発揮出来る場所だろ。相手は大きいんだから、全力で一気に決めよう!」
「かしこまりました」
ウィンドトルネードを解除し、全力で前へと進む。2対4枚の翼だけでなくナルキの2本の腕が地面を捉える事で、さらに前進する速度を加速させる。
『もう、人外な存在になってきたわね。次はどこに何が増えるのかしら♪』
「それは良いのか悪いのか、どっちなんだ?」
『楽しんでるだけよ。見たことがないんだからワクワクするしかないでしょ。バランスでいったら、次は下半身が強化され番よね!』
ハンソを巻き込んだウィンドトルネードは、ワームに飲み込まれて、確実に体内でダメージを与えている。しかし12~3mはあるワームの体に対して、俺の放ったウィンドトルネードは小さすぎるのかもしれない。剣羽根やダミアの実のダメージも加わっているが、特にワームに苦しがったり、嫌がったりする素振りは見えない。
「あまり効果は無いのか?」
「まだ、判断するには早すぎるよ。口を開けたまま、固まって動いていないね」
俺一人の判断ではなく、ナレッジが助言を入れてくれる。
俺の精霊達でも、3つに分かれる。ブレスレット中から出てこない·出れない内勤組と、召喚されたままの外勤組、どちらも自由にこなせる複合組。
俺自身の事だけであれば、外勤組を多くすれば、それだけ魔力を消費してくれる事になる。しかし、最近では常に精霊を召喚している事が最善ではないと思うようになってきた。
アシスで生き残る為には魔力を消費しなければならないし、それは変わらない。ただ、今を生き残る為には、俺自身が強くならなければならない。
その強くなる手段の1つが、リズやリタ·ナルキのようにブレスレットの中から俺を強化してくれる事。直接的に俺自身に力をもたらしてくれる事を考えれば、魔力消費が少なくても問題は感じない。
リズとリタが召喚出来るまでに回復したとしても、すぐに純白の翼を失って戦う事は考えづらい。
そして、戦う事だけが力ではない。ナレッジのように、俺のスキルをサポートしてくれたり、助言してくれる存在も必要になる。
やはり一番の悩みは、判断し決定する事。精霊や仲間が増える程に、1人で考えて判断し決定する事にはプレッシャーが重くのしかかる。
それを助けてくれるのは、ムーアやナレッジになるだろうし、直接的な攻撃だけが力ではないと考えれるようになってきた。
ウィンドトルネードはワームの中に吸い込まれてゆくが、次第に威力が弱くなる。一緒に飛ばされていたハンソも、威力の減衰に伴いワームの中には着地する。
風に捕らわれていたが、今度はワームの粘液に捕らえられる。
契約した精霊であれば、特に声を出さずとも思いは伝わる。しかし、あえて大きな声を出す!
「ハンソーッ、溶けてなくなりたくなかったら暴れろーっ!」
「エトーッ、エトーッ、エトーッ」
「何してる早くしろ、岩を出せ、消化液を止めろ!」
「ントッ、ントッ、ントッ」
慌ててハンソが動き出した事で、ナレッジも焦り出す。
「ハンソは消化液で溶けるのかい?召喚解除すれば、ブレスレットの中に戻せるんじゃないか?まだ間に合う可能性も十分にあるよ!」
「溶けるかもしれないし、溶けないかもしれない」
「えっ、今の話は違うのかい?」
「本当かもしれないし、違うかもしれない。ただ未知の誰も名前も知らない魔物相手で、その可能性が無いとは言えない」
「それって、知らないって事はだよね!」
「ハンソの動きが良くなったのは事実だろ。せっかく中に入り込んだのに、全力を出さなかったら意味がない。全力を発揮させてやる事が、契約者としての責務だと思う」
「うーん、確かにそうだね。僕もそうするよ」
ハンソが暴れだすと、ワームの体が少し後退を始める。触手を切られても見せなかった反応に、少し手応えを感じる。
ありがちな話で、恐らくは触手は再生が出来る使い捨てのような存在なのだろう。しかし、ハンソのという異物が体内に入り込み、溶かす事の出来ない物が体内で増殖を始めた。
「経験した事のない現象で混乱してるんだろ。今がチャンス、皆行くよ!フォリーも出てきて大丈夫だからね」
「カショウ様、良いのですか?」
「ここは闇の中。ヴァンパイアが1番力を発揮出来る場所だろ。相手は大きいんだから、全力で一気に決めよう!」
「かしこまりました」
ウィンドトルネードを解除し、全力で前へと進む。2対4枚の翼だけでなくナルキの2本の腕が地面を捉える事で、さらに前進する速度を加速させる。
『もう、人外な存在になってきたわね。次はどこに何が増えるのかしら♪』
「それは良いのか悪いのか、どっちなんだ?」
『楽しんでるだけよ。見たことがないんだからワクワクするしかないでしょ。バランスでいったら、次は下半身が強化され番よね!』
あなたにおすすめの小説
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!