ブラコン姉妹は、天使だろうか?【ブラてん】

三城 谷

文字の大きさ
7 / 68
共通ルート

ブラコン姉妹は、天使だろうか?(6)

しおりを挟む
 「新聞部の小鳥遊幽さん?その人がどうかしたの?美羽」
 「もー、ヤバいよ!あの人、本当にヤバいかもよ!プライバシーとか関係ないよ!?知る権利の行使をしまくりだったよ!?」
 
 昼休みの時間、中等部の生徒会室へ入って来た美羽は美咲に休み時間の話をしていた。その話を脈絡も無く聞かされている美咲は、はぁーと言いながらご飯を口に運ぶ。

 「はぁ~、お兄様の料理、美味しい」
 「兄者の料理が美味しいのはいつもの事でしょ!それよりもだよ!危険だよ、あの小鳥遊さんって人!!」
 「そうは言われても、私たちは中等部で小鳥遊さんは先輩でしょ?私たちが何をしようが関係無いんじゃないかな?あーむっ、んん~♪」

 そう言いながら、美咲はまたご飯を口の中へと運ぶ。パクリと食べた瞬間、頬に手を添えながら深く味わっている。その所為なのか、その頬は赤く染まっていた。

 「美味しそうに食べながら、美咲は何を想像してるのかな?兄者と台所に立っているような妄想はしなくて良いから!」
 「なっ!ななな何を言ってるのかなぁ、美羽は!私がそんな憧れを抱いてると思ってるの?」
 「うん。だって、顔に書いてあるもん。『兄者と結婚したい』って」
 
 美羽にそう言われた美咲は、まるで見えてもいない文字を振り払うようにして首を左右に振った。ブンブンと振っている様子が気に入ってのか、美羽はちょっとしたイタズラをしようとニヤリと笑みを浮かべるのだった。

 「あ、まだ取れてないよ?そんなんじゃ足りないから、もっと激しく振らなきゃダメだよ?」
 「な、何を言ってるの?本当に書いてある訳無いでしょ?」
 「ええー?書いてあるよ?それで兄者の前に出たら、美咲が兄者が好きって事がバレちゃうよー?あー、恥ずかしいんだぁ、プププ~」
 「ぐぬぬ……随分と痛い所を突いて」
 「あぁ、そういえば、兄者が昼休みにこっちに来るって言ってたような……」
 「なっ!?ふんふんふんふんふん!!!」

 勿論これは美羽の嘘なのだが、そんな事を気にする余裕が無いのか。美咲は一心不乱に首を振っていた。その様子を見ながら、美羽は声を押し殺して口を塞いでいた。何せ美羽に見えている情景は、美咲がへヴィーメタルバンドのように頭を振っているのだ。

 「ぷくく……予想以上に面白いっ」
 「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ……」
 
 ひと段落した所で美咲が止めようとした瞬間だった。イタズラのつもりで言った嘘が、本当になるまで数秒前という事を彼女は知らない。さて、カウントダウンをするとしよう。3……2……1……。

 「美羽、美咲?あのさ、今度の休日なんだ、が?」
 
 教室の扉から顔を出した所で、幸一の視界には美咲が激しくヘドバンをしている。その様子を見ながら、笑いを堪えている美羽という状況である。

 「あ、兄者だぁ、やっほー!ぷくくっ」
 「なっ、おおおおおおお兄様?!こ、これは違うんです!話を聞いて」
 「あぁ、取り込み中にすまなかった。次は誰かに呼んでもらう事にするから。じゃ、じゃあ、また放課後な?二人とも」
 「ま、待って下さい!お兄様!?そんな妹の悲しい一面を見てしまったように顔を背けないで下さい!お兄様、違うんです!違うんです~!!」

 扉の向こうへと行ってしまった幸一を追いかけ、美咲は動揺しながら訳を話そうとしていたのだった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。

クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。 3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。 ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。 「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

処理中です...