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ブラコン姉妹は、天使だろうか?(9)
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「お兄様、起きて」
「起きてよぉ、兄者」
朝の日差しを受けながら、覚醒し掛けている俺の耳に声が届く。その声は確実に耳元で囁かれていて、微妙にくすぐったい感覚が背中で走る。
「お兄様、早く……」
「早くしないと、先に美羽たちがいっちゃうよ」
「んん……」
耳元で囁く言葉にしては、中学生である彼女たちに妖艶さを纏わせる言葉にしか聞こえない。俺はここで起きて良いものか、それとももう少しだけ堪能していくか悩んでいた。そう思っていたのだが……
「お兄様、早く起きて下さい。起きる気配が無いので、家族ルールを発動します!!」
「のわっ!?ちょ、待て!起きてる!起きてるからベッドをひっくり返そうとするな!」
「狸寝入りをしているお兄様が悪いです。さぁ。早く出掛ける準備をして下さい。お兄様」
「出掛ける準備?なんか用事あったか?」
「「……っ!?」」
俺がそんな惚けた事を言った途端、彼女たちの動きがピタリと止まった。もうこの世の終わりを目の当たりにしたような表情を浮かべている。そこまでか、お前ら。やがてプルプルと身体を震わせて、ムスッとした表情をこちらへ向けてくる。
ここからはいつも通りなら、言葉責めやらタックルやらをされるのだが、俺は溜息を吐いてベッドからゆっくり立ち上がって口を開いた。
「冗談だ。約束は守るさ。せっかくの土曜日だし、パァーっと遊ばなきゃな」
「お、お兄様!」「兄者ぁ~!!」
ひしっと両側からハグをしてくるのだが、俺は健全な男子高校生だ。身長的にはあまり問題は無いのだが、その位置に問題がある状態というのがある。それは……『マグナム、朝に立つ。』という意味である。
「ん?兄者ぁ?この辺にカチコチの何かがあるんだけど?」
「な、ナニがあるんだろうなぁ?きっとナニかがあるんだろうなぁ、ナニかが……はっはっは」
「美羽、へし折って良いですよ?他の人に暴走しないうちに、私たちが処理しましょう。ねぇ、お兄様♪」
「やめて!?マジでやめて!これ大事な男のシンボルだからっ!俺の未来の子供たちだからね!?」
「……お兄様はまさか、彼女が居るのですか?」
そう言いながら、チラリと美咲は俺の顔を見る。凄い良い笑顔だけど、かなり雰囲気は怖い。その横で美咲に便乗するようにして、美羽もこちらを見てくる。仲間になりたそうだという言葉が似合うくらい、穴が空くくらいの視線を受けている。
「い、居ない」
「えー、兄者居ないんだ!格好良いから、居ると思ってた!」
「そう褒めてくれるのは嬉しいがなぁ。生憎、俺は恋愛をした事無いよ。あぁでも……」
そう言いながら、俺は過去の記憶の中を探った。恋愛はした事は無いけれど、恋はした事はある。そんないつだったか分からない事を思い出し、俺は言葉を切った。
「ま、まさかお兄様に想い人が居るのですか!?だ、誰ですか!居るなら教えて下さいっ!」
「み、美咲?少し落ち着け?どうしたんだいきなり……」
「んぅ~、失礼しました」
美咲は、一度身を乗り出した身を引いて姿勢を戻した。それから数秒後、取り繕おうとして咳払いを一度してから、また姿勢を正して口を開いた。
「コホン。……それで、お兄様?」
「んあ?」
「お兄様は過去に想いを寄せている方が居たのですか?もし居たのなら、即刻白状しやがって下さいませ」
動揺しているのか、それとも怒っているのか。美咲は眉をピクピクとさせながら、そんな事を言ってきた。最後の方の言葉には、もう既にお願いなんて部分が命令になっている。こうなってる美咲は、確実に引かない精神を意味している。さて、どうしたものか。
「白状って言ったってなぁ。……ん~、あんまし良く覚えて無いんだよな」
「はい?」
「兄者、美咲から何かプチンて聞こえたけど……良いの?」
そんな事を言われても、覚えているだけで記憶に残っているだけだ。『これを覚えている』ではなく、正しくは『こんな事があった』と記憶しているだけなのだ。曖昧に記憶している所為で、記憶の中に見える景色は霞んで浮かぶ。
「……あぁ、公園かな」
「公園?」
「あぁ。小さい頃、少しだけ遊んだのを覚えてるけれど――それっきりだな。だけど、綺麗な子だったのは覚えてる」
「「へぇ~~……」」
「何だお前ら、その目は」
何が何だか分からないが、過去の話をした途端に不機嫌な眼差しを向ける美咲。それに便乗するようして、美羽も一緒になって視線を冷たくしている。この日、俺はそんな冷たい眼差しを背中に受けて過ごしたのであった――。
「起きてよぉ、兄者」
朝の日差しを受けながら、覚醒し掛けている俺の耳に声が届く。その声は確実に耳元で囁かれていて、微妙にくすぐったい感覚が背中で走る。
「お兄様、早く……」
「早くしないと、先に美羽たちがいっちゃうよ」
「んん……」
耳元で囁く言葉にしては、中学生である彼女たちに妖艶さを纏わせる言葉にしか聞こえない。俺はここで起きて良いものか、それとももう少しだけ堪能していくか悩んでいた。そう思っていたのだが……
「お兄様、早く起きて下さい。起きる気配が無いので、家族ルールを発動します!!」
「のわっ!?ちょ、待て!起きてる!起きてるからベッドをひっくり返そうとするな!」
「狸寝入りをしているお兄様が悪いです。さぁ。早く出掛ける準備をして下さい。お兄様」
「出掛ける準備?なんか用事あったか?」
「「……っ!?」」
俺がそんな惚けた事を言った途端、彼女たちの動きがピタリと止まった。もうこの世の終わりを目の当たりにしたような表情を浮かべている。そこまでか、お前ら。やがてプルプルと身体を震わせて、ムスッとした表情をこちらへ向けてくる。
ここからはいつも通りなら、言葉責めやらタックルやらをされるのだが、俺は溜息を吐いてベッドからゆっくり立ち上がって口を開いた。
「冗談だ。約束は守るさ。せっかくの土曜日だし、パァーっと遊ばなきゃな」
「お、お兄様!」「兄者ぁ~!!」
ひしっと両側からハグをしてくるのだが、俺は健全な男子高校生だ。身長的にはあまり問題は無いのだが、その位置に問題がある状態というのがある。それは……『マグナム、朝に立つ。』という意味である。
「ん?兄者ぁ?この辺にカチコチの何かがあるんだけど?」
「な、ナニがあるんだろうなぁ?きっとナニかがあるんだろうなぁ、ナニかが……はっはっは」
「美羽、へし折って良いですよ?他の人に暴走しないうちに、私たちが処理しましょう。ねぇ、お兄様♪」
「やめて!?マジでやめて!これ大事な男のシンボルだからっ!俺の未来の子供たちだからね!?」
「……お兄様はまさか、彼女が居るのですか?」
そう言いながら、チラリと美咲は俺の顔を見る。凄い良い笑顔だけど、かなり雰囲気は怖い。その横で美咲に便乗するようにして、美羽もこちらを見てくる。仲間になりたそうだという言葉が似合うくらい、穴が空くくらいの視線を受けている。
「い、居ない」
「えー、兄者居ないんだ!格好良いから、居ると思ってた!」
「そう褒めてくれるのは嬉しいがなぁ。生憎、俺は恋愛をした事無いよ。あぁでも……」
そう言いながら、俺は過去の記憶の中を探った。恋愛はした事は無いけれど、恋はした事はある。そんないつだったか分からない事を思い出し、俺は言葉を切った。
「ま、まさかお兄様に想い人が居るのですか!?だ、誰ですか!居るなら教えて下さいっ!」
「み、美咲?少し落ち着け?どうしたんだいきなり……」
「んぅ~、失礼しました」
美咲は、一度身を乗り出した身を引いて姿勢を戻した。それから数秒後、取り繕おうとして咳払いを一度してから、また姿勢を正して口を開いた。
「コホン。……それで、お兄様?」
「んあ?」
「お兄様は過去に想いを寄せている方が居たのですか?もし居たのなら、即刻白状しやがって下さいませ」
動揺しているのか、それとも怒っているのか。美咲は眉をピクピクとさせながら、そんな事を言ってきた。最後の方の言葉には、もう既にお願いなんて部分が命令になっている。こうなってる美咲は、確実に引かない精神を意味している。さて、どうしたものか。
「白状って言ったってなぁ。……ん~、あんまし良く覚えて無いんだよな」
「はい?」
「兄者、美咲から何かプチンて聞こえたけど……良いの?」
そんな事を言われても、覚えているだけで記憶に残っているだけだ。『これを覚えている』ではなく、正しくは『こんな事があった』と記憶しているだけなのだ。曖昧に記憶している所為で、記憶の中に見える景色は霞んで浮かぶ。
「……あぁ、公園かな」
「公園?」
「あぁ。小さい頃、少しだけ遊んだのを覚えてるけれど――それっきりだな。だけど、綺麗な子だったのは覚えてる」
「「へぇ~~……」」
「何だお前ら、その目は」
何が何だか分からないが、過去の話をした途端に不機嫌な眼差しを向ける美咲。それに便乗するようして、美羽も一緒になって視線を冷たくしている。この日、俺はそんな冷たい眼差しを背中に受けて過ごしたのであった――。
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