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美咲ルート
ブラコン姉妹は、天使だろうか? 美咲√(1)
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遊園地から帰宅した後、私はその日の夜に兄である幸一の部屋を訪ねていた。
「お兄様、入っても大丈夫ですか?」
「んあ?あぁ、良いぞ。どうした、美咲」
幸一の部屋に入ったのは何度もあるけれど、自分から真面目な話をしようとするのはこれが初めてだ。自分からこうやって話すのも初めてでは無いが、こうして改まって話すとなった場合は緊張して仕方が無いのがある。何故なら私、神楽坂美咲という人間は本番に弱いという部分があるからだ。
「あ、勉強中でしたか?」
「いや、大丈夫だ。ひと段落してるし、休憩と思えばちょうど良いかな。何か用か?」
「あぁ、えっと……」
私の話を聞こうという姿勢を整える為、幸一は自分の机からベッドへと座っていた。自分からこういう話を切り出すのも苦労するなと思いつつ、自分よりも美羽の方が向いていると思ってしまう。そんな事を考えている間、幸一は私に気を遣ったのか。ゲームの用意と飲み物を用意し出していた。
「あ、お兄様、それくらい私がやりますよ?」
「良いよ。お前は俺の部屋の客だろ?なら、お前は大人しく座っててくれ。これでも家事とかも手伝ってもらってて、美咲には感謝してるんだよ。たまには兄である俺にも、良い格好をさせてくれ」
「お兄様がそれで良いなら……」
いつもお世話になっていると言っているが、それは私の方だ。いつも兄である幸一に助けられている。それは今だけではなく、昔、つまりは私と美羽がこの家に来た時から助けてもらっている。私という人間を受け入れてくれた事にも感謝しているし、お礼だって言いたい。
だがしかし、兄である幸一はお礼は不要だときっと言うのだろう。それが当たり前だからとか、世話を焼き合うのが家族だとか言って、変に距離を作ろうとするのが椎名崎幸一という人間だ。
「……」
「何飲む?お茶か?珈琲か?」
着々と準備を進めている兄に対して、私は意を決して身を乗り出して言うのであった。それが私がここに来た目的であり、伝えるべき内容だったからだ。
「あ、明日の放課後、空いてますか?お兄様っ」
「明日?放課後って、買い物でもあったか?」
「あ、いや、そうではなくてですね?私は……」
「ん???」
疑問を浮かべているのか、兄は首を傾げて私を見ていた。私はそんなキョトンとした彼の表情を素直に見れず、今すぐにでも穴があったら入りたいという気分に侵されていた。何故なら、今から言う言葉は、私が普段言っている事の延長のようなものだからだ。
「お、お兄様っ」
「お、おう」
「わ、私と明日……デートをして下さいませんかっ!!!」
それがその夜、私が初めて真正面から願った事だった――。
「お兄様、入っても大丈夫ですか?」
「んあ?あぁ、良いぞ。どうした、美咲」
幸一の部屋に入ったのは何度もあるけれど、自分から真面目な話をしようとするのはこれが初めてだ。自分からこうやって話すのも初めてでは無いが、こうして改まって話すとなった場合は緊張して仕方が無いのがある。何故なら私、神楽坂美咲という人間は本番に弱いという部分があるからだ。
「あ、勉強中でしたか?」
「いや、大丈夫だ。ひと段落してるし、休憩と思えばちょうど良いかな。何か用か?」
「あぁ、えっと……」
私の話を聞こうという姿勢を整える為、幸一は自分の机からベッドへと座っていた。自分からこういう話を切り出すのも苦労するなと思いつつ、自分よりも美羽の方が向いていると思ってしまう。そんな事を考えている間、幸一は私に気を遣ったのか。ゲームの用意と飲み物を用意し出していた。
「あ、お兄様、それくらい私がやりますよ?」
「良いよ。お前は俺の部屋の客だろ?なら、お前は大人しく座っててくれ。これでも家事とかも手伝ってもらってて、美咲には感謝してるんだよ。たまには兄である俺にも、良い格好をさせてくれ」
「お兄様がそれで良いなら……」
いつもお世話になっていると言っているが、それは私の方だ。いつも兄である幸一に助けられている。それは今だけではなく、昔、つまりは私と美羽がこの家に来た時から助けてもらっている。私という人間を受け入れてくれた事にも感謝しているし、お礼だって言いたい。
だがしかし、兄である幸一はお礼は不要だときっと言うのだろう。それが当たり前だからとか、世話を焼き合うのが家族だとか言って、変に距離を作ろうとするのが椎名崎幸一という人間だ。
「……」
「何飲む?お茶か?珈琲か?」
着々と準備を進めている兄に対して、私は意を決して身を乗り出して言うのであった。それが私がここに来た目的であり、伝えるべき内容だったからだ。
「あ、明日の放課後、空いてますか?お兄様っ」
「明日?放課後って、買い物でもあったか?」
「あ、いや、そうではなくてですね?私は……」
「ん???」
疑問を浮かべているのか、兄は首を傾げて私を見ていた。私はそんなキョトンとした彼の表情を素直に見れず、今すぐにでも穴があったら入りたいという気分に侵されていた。何故なら、今から言う言葉は、私が普段言っている事の延長のようなものだからだ。
「お、お兄様っ」
「お、おう」
「わ、私と明日……デートをして下さいませんかっ!!!」
それがその夜、私が初めて真正面から願った事だった――。
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