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23.騎士達との出会い
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「よっと……これは、こっちに置いておけばいいのか?」
「あ、はい。そこにお願いします」
「ふう……」
ロモレイツの町に着いてから数日後、私はお姉様とともにとある集合住宅の一室を借りることにした。今まで離れ離れになっていた分、これはお姉様との時間を過ごすつもりだ。
そのための引っ越しに、レオールさんとルバートさんが手伝いに来てくれた。私達にとっては、とてもありがたい助っ人だ。
「本当に、今日はすみませんね。わざわざ来てもらって……」
「いや、気にする必要はないさ。困った時は、お互い様というだろう」
「……そういえば」
そこで私は、少し気になることを思いついた。
よく考えてみたら、この兄弟とお姉様はどういう関係なのだろうか。
ぼんやりと知り合いであることはわかっているが、詳しいことはまだ聞いていなかった。それは今後のためにも聞いておいた方がいいことかもしれない。
「レオールさんとルバートさんは、いつお姉様と知り合ったのですか?」
「うん? ああ、レネシアが町に来たばかりの時にとある事件が起きてな。その時に知り合ったんだ。あの時はまだ俺達も、騎士ではなかったな……」
「事件ですか?」
「ああ、ちょっとした事件だ。そんなに大事件という訳じゃないぞ?」
「あ、そうなんですか……」
レオールさんの言葉に、私は一瞬驚いてしまった。
しかしどうやら、私が心配をするようなことはないようだ。そんなに大きな事件ではないなら、きっと問題はなかったということなのだろう。
「というか、騎士ではなかったのにお二人も事件に巻き込まれたんですか?」
「まあ、巻き込まれたというか……俺達は首を突っ込んだというのが正しいな」
「え?」
「あの頃の俺達はなんというか、騎士に憧れて愚かにもそういうことに首を突っ込んでいたのさ。今となっては、苦い記憶だ」
「なるほど……」
お姉様がこの町に来たばかりの頃ということは、二人もまだ子供だったということになる。
故に分別がつかず、事件に首を突っ込んだということだろうか。それはなんというか、想像できない訳ではない。
「まあ、その事件をきっかけに、レネシアと知り合ったんだ。当時は記憶喪失で大変だったし、俺達はお節介を焼いていた訳だ。まあ、レネシアからすればいらぬお節介だったかもしれないが……」
「いえ、きっとそんなことはないと思いますよ。ありがとうございます、お姉様を気にかけてくれて……」
「いや、別にお礼を言われることなんてないさ……」
記憶喪失で新しい町に来たお姉様にとって、二人の存在はきっと心強かったはずだ。
妹として、二人の助けはありがたい限りである。二人のような存在がいてくれて、本当によかった。私はなんだか、とても安心するのだった。
「あ、はい。そこにお願いします」
「ふう……」
ロモレイツの町に着いてから数日後、私はお姉様とともにとある集合住宅の一室を借りることにした。今まで離れ離れになっていた分、これはお姉様との時間を過ごすつもりだ。
そのための引っ越しに、レオールさんとルバートさんが手伝いに来てくれた。私達にとっては、とてもありがたい助っ人だ。
「本当に、今日はすみませんね。わざわざ来てもらって……」
「いや、気にする必要はないさ。困った時は、お互い様というだろう」
「……そういえば」
そこで私は、少し気になることを思いついた。
よく考えてみたら、この兄弟とお姉様はどういう関係なのだろうか。
ぼんやりと知り合いであることはわかっているが、詳しいことはまだ聞いていなかった。それは今後のためにも聞いておいた方がいいことかもしれない。
「レオールさんとルバートさんは、いつお姉様と知り合ったのですか?」
「うん? ああ、レネシアが町に来たばかりの時にとある事件が起きてな。その時に知り合ったんだ。あの時はまだ俺達も、騎士ではなかったな……」
「事件ですか?」
「ああ、ちょっとした事件だ。そんなに大事件という訳じゃないぞ?」
「あ、そうなんですか……」
レオールさんの言葉に、私は一瞬驚いてしまった。
しかしどうやら、私が心配をするようなことはないようだ。そんなに大きな事件ではないなら、きっと問題はなかったということなのだろう。
「というか、騎士ではなかったのにお二人も事件に巻き込まれたんですか?」
「まあ、巻き込まれたというか……俺達は首を突っ込んだというのが正しいな」
「え?」
「あの頃の俺達はなんというか、騎士に憧れて愚かにもそういうことに首を突っ込んでいたのさ。今となっては、苦い記憶だ」
「なるほど……」
お姉様がこの町に来たばかりの頃ということは、二人もまだ子供だったということになる。
故に分別がつかず、事件に首を突っ込んだということだろうか。それはなんというか、想像できない訳ではない。
「まあ、その事件をきっかけに、レネシアと知り合ったんだ。当時は記憶喪失で大変だったし、俺達はお節介を焼いていた訳だ。まあ、レネシアからすればいらぬお節介だったかもしれないが……」
「いえ、きっとそんなことはないと思いますよ。ありがとうございます、お姉様を気にかけてくれて……」
「いや、別にお礼を言われることなんてないさ……」
記憶喪失で新しい町に来たお姉様にとって、二人の存在はきっと心強かったはずだ。
妹として、二人の助けはありがたい限りである。二人のような存在がいてくれて、本当によかった。私はなんだか、とても安心するのだった。
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