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13(ウェリクス視点)
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リメリアさんを案内してから、僕はある人物の元を訪ねていた。
それは、気になることがあったからである。彼との会話を改めて考えてもよくわからなかったので、直接聞くことにしたのだ。
「兄上、よろしいでしょうか?」
「ウェリクスか。来ると思っていたぞ。入れ」
「失礼します」
レイドール兄上から許可を得て、僕はゆっくりと部屋の中に入った。
彼は、机の上で書類を眺めていた。恐らく、仕事中なのだろう。
「兄上、仕事中ならば、出直しましょうか?」
「構わん。お前が来ることはわかっていたため、仕事はもう終わらせておいた。これが、最後の書類だ」
「そうですか」
「さて、そこに座れ。当然、話はあの使用人のことだな?」
「ええ、その通りです」
兄上は、僕の考えを見通していた。僕が気になっていたのは、リメリアさんのことだ。兄上のあの意味深な言葉の数々が、どういう意味なのか。それを聞いておきたいのである。
「兄上、僕の行いが、彼女に不利益を及ぼすとはどういうことなのでしょう?」
「王子であるお前が、使用人の、それも新しく来たばかりの使用人を特別扱いしている。それは、とてもまずいことだとは思わないか?」
「まずいこと……?」
「王城の使用人は、善人ばかりではない。お前の寵愛を受けるものに対して、敵意を覚える者達がいないなどということはあり得ないだろう」
「敵意……まさか、そんな……」
兄上の言葉を、僕はある程度理解した。要するに、リメリアさんは嫉妬のような感情の対象となる可能性があるということなのだろう。
確かに、僕が彼女に良くしていれば、それは贔屓のように思われるかもしれない。それで、彼女に何かをする。それは、あり得ないことではない。
「浅はかでした。自分の行動を後悔しています」
「そうやって、すぐに考えを改めることができるのは、お前の美徳だ。だが、最早、取り返しはつかない。今からお前が、彼女に何か手助けをすれば、彼女の立場がさらに悪くなるだけだ」
「ええ、そうですね……つまり、僕はどうすることもできないということですか」
「ああ、少なくとも、今は手を貸すべきではないだろう。ことが起こった時は、私が対処してやろう。お前よりは、丸く収まる」
「申し訳ありません……」
「気にするな……とはいわん。だが、弟の過ちを正すは、兄として当然のことだ」
「……ありがとうございます」
レイドール兄上は、とても頼るになる人だ。こういう時に、そういう人がいてくれるということはとてもありがたい。
しかし、それに甘えてばかりではいられない。僕自身も、もっと成長する必要があるだろう。
それは、気になることがあったからである。彼との会話を改めて考えてもよくわからなかったので、直接聞くことにしたのだ。
「兄上、よろしいでしょうか?」
「ウェリクスか。来ると思っていたぞ。入れ」
「失礼します」
レイドール兄上から許可を得て、僕はゆっくりと部屋の中に入った。
彼は、机の上で書類を眺めていた。恐らく、仕事中なのだろう。
「兄上、仕事中ならば、出直しましょうか?」
「構わん。お前が来ることはわかっていたため、仕事はもう終わらせておいた。これが、最後の書類だ」
「そうですか」
「さて、そこに座れ。当然、話はあの使用人のことだな?」
「ええ、その通りです」
兄上は、僕の考えを見通していた。僕が気になっていたのは、リメリアさんのことだ。兄上のあの意味深な言葉の数々が、どういう意味なのか。それを聞いておきたいのである。
「兄上、僕の行いが、彼女に不利益を及ぼすとはどういうことなのでしょう?」
「王子であるお前が、使用人の、それも新しく来たばかりの使用人を特別扱いしている。それは、とてもまずいことだとは思わないか?」
「まずいこと……?」
「王城の使用人は、善人ばかりではない。お前の寵愛を受けるものに対して、敵意を覚える者達がいないなどということはあり得ないだろう」
「敵意……まさか、そんな……」
兄上の言葉を、僕はある程度理解した。要するに、リメリアさんは嫉妬のような感情の対象となる可能性があるということなのだろう。
確かに、僕が彼女に良くしていれば、それは贔屓のように思われるかもしれない。それで、彼女に何かをする。それは、あり得ないことではない。
「浅はかでした。自分の行動を後悔しています」
「そうやって、すぐに考えを改めることができるのは、お前の美徳だ。だが、最早、取り返しはつかない。今からお前が、彼女に何か手助けをすれば、彼女の立場がさらに悪くなるだけだ」
「ええ、そうですね……つまり、僕はどうすることもできないということですか」
「ああ、少なくとも、今は手を貸すべきではないだろう。ことが起こった時は、私が対処してやろう。お前よりは、丸く収まる」
「申し訳ありません……」
「気にするな……とはいわん。だが、弟の過ちを正すは、兄として当然のことだ」
「……ありがとうございます」
レイドール兄上は、とても頼るになる人だ。こういう時に、そういう人がいてくれるということはとてもありがたい。
しかし、それに甘えてばかりではいられない。僕自身も、もっと成長する必要があるだろう。
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