溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗

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23.見つかったのは

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「これは……」

 ボロボロになった馬車を見て、私は固まっていた。
 どうやら既に遅かったようだ。ペルリナとロメリアの親子に対して、お父様は非情な行為を働いたのである。

「あなたはレフティア様、ですよね?」
「え、ええ……」
「なんと言葉をかけたらいいか……恐らく、野盗でしょうか。母君と妹君は連れ去られてしまったようです」

 辺りにいた警官の男性は、神妙な顔をして私に話しかけてきた。
 ヴェリオン伯爵家の内情は、世間に知られている訳ではない。家族の仲は、一応良好であるということになっている。
 故に男性からしてみれば、家族を失った者として私は映っているのだろう。あの親子が追い出されたなんてことは知る由もないだろうし、出掛けた親子が野党に襲われたと解釈しているようだ。

「護衛などはつけていらっしゃらなかったのでしょうか? あ、いいえ、そんなはずはありませんよね。となると、一緒に連れ去れたのか逃げたのか、はたまた野盗と繋がっていたとか……」
「……」
「何れにせよ。かなり大規模な野盗がいるようですね……まさかこの大通りに現れるなんて。レフティア嬢、このような時にこんなことを言うのは不躾であることはわかっています。しかし申し訳ありませんが、ヴェリオン伯爵家の方で対処していただけませんか。このままではさらに犠牲が……」
「ええ、わかっています」

 警官の言葉に、私はゆっくりと頷いた。
 もちろん、野盗の対処などはヴェリオン伯爵家が行うべき事柄だ。これ程の被害を出した野盗なら、そうなるのが必然である。
 ただ、実際に対処するのかは、別の問題だ。今回の件は、ほぼ確実にお父様が裏で手を引いているだろうから。

「……遺体などは見つかっていないのですよね?」
「ええ、連れ去れていると考えるべきだと思います」
「売り払うつもりでしょうか? それなら、二人はまだ無事であると考えられますか?」
「そうですね。その可能性もあると思います。だからこそ、早急な対処を……」
「わかりました。すみませんが、冒険者に掛け合っていただけますか? 迅速な対処をするなら、そちらの方が話は早いでしょうから」
「わ、わかりました」

 二人が生きている可能性は、充分にある。仮にお父様がすぐに始末するように企てていたとしても、依頼したのが本当に野盗であるならば、それを反故する可能性が高い。
 この場に二人がいないということからも、そう考えることができる。二人を始末するなら、連れ去る必要性はないのだから。
 それなら、お父様の権力が及びにくい者達で二人を救出するとしよう。お父様の非道なる行為は、止めなければならない。
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