溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗

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33.露骨な反応

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「お父様、今の言葉はどういうことですか?」
「いや……」

 私の質問に、お父様は言葉を詰まらせていた。
 その様子に、私は確信する。お父様は、バンガルさんの他にも手にかけている人がいるのだ。
 その人が誰なのか、それも実は見当がついている。ただそれは、私にとってはできればそうあって欲しくないことだ。

「お父様、一つお聞きします。あなたはまさか……まさか、私のお母様を」
「な、何を言う」
「母は突然死にました。突発的に心臓発作が起きたと、お医者様から聞きましたが……」
「ふん、それが事実だ。それ以外に何かあるという訳ではない」

 お父様は、私の言葉を必死に誤魔化してきた。
 それは図星であるからとしか思えない。やはりお母様は、お父様に殺されたのだろうか。
 その可能性は、低いという訳ではない。二人の仲は悪かった。お父様なんて妾を作っていたくらいだ。

 もちろん、流石の私でも実の父親が実の母親を手にかけたなどという事実は、できれば嘘であって欲しい。
 ただ、お父様の態度はそれが事実であると私に告げてくる。私は少し気分が悪くなっていた。
 しかし、なんとか自分を奮い立たせる。お父様がもしも罪を犯しているというなら、私はそれを償わせなければならないのだ。

「お父様、隠し切れるとお思いですか?」
「な、なんだと?」
「私の背後には、エヴォート侯爵家のクレンド様がいるのですよ? 彼の権力を持ってすれば、お父様が揉み消した事件件を調べるのも容易なことです。この際洗いざらい吐き出した方が、身のためですよ?」
「そ、それは……」

 お父様は、私からゆっくりと目をそらした。
 その表情からは、迷いが伝わってくる。一応自主的に発言した方が罪が軽くなるなどと、考えているのだろうか。
 そしてお父様は、意を決したような表情をしてこちらを向いた。それは話してくれるつもりになったということだろうか。

「……レフティア、わかった。観念しよう。私はお前に、全てを話す。しかし少々時間がかかる。そこに座ってくれ」
「……構いませんが」

 お父様に促されて、私は部屋にある応接のようのソファに座った。
 するとお父様は、お茶の準備をし始めた。このままゆっくりと話したい。そういうことだろうか。

 いや、恐らくそうではない。お父様がそんな殊勝な人であるとは思えない。長年の経験から、私は察していた。
 きっとお父様は、私に何かを仕掛けてくるつもりだ。つまり先程の迷いというものは、実の娘を手にかける覚悟だったということなのだろう。
 その事実に、私はゆっくりと息を呑む。やはりお父様は、最低な人間であるようだ。
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