聖女の代わりがいくらでもいるなら、私がやめても構いませんよね?

木山楽斗

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 私とレイグス、さらにヘルゼン様とその護衛の四人は王都の中に入っていた。
 いつもなら活気に満ち溢れている王都は、やけに静かだ。その静けさが、何かあったことを表している。

「どうやら、何かあったみたいだな……」
「そうみたい……」
「どこかに、他の魔術師が潜んでいるかもしれませんね……」
「ええ、そうですね……」

 王都の中には、魔術師が潜んでいる可能性があった。
 いや、可能性ではない。潜んでいると断言していいだろう。

「そんなことを言っている内に、出てきたようだぜ」
「あっ……」

 私達が話している内に、目の前に魔術師達が現れていた。
 門の近くにいた二人が倒れたことは把握されているはずなので、その来訪は予想できたものである。

「なっ……!」
「あなたは……」

 現れた魔術師達は、私の顔を見て驚いていた。
 いや、私だけではないだろう。ヘルゼン様の存在にも驚いているようだ。
 王城で魔術師として働いていた彼等にとって、私や彼はとても馴染み深い人物である。そんな人達が王都に来たことに、かなり動揺しているようだ。

「アルメア様、どうして、こちらに……?」
「あなた達を止めに来たの。今となっては、それが私の目的だよ」
「私達を止めに? あなたなら、わかるはずです。これに、どのような意味があるのかを……」

 私の言葉に、魔術師達は表情を歪めた。
 彼等の気持ちは、よくわかる。私も、一歩間違えればあちら側にいたはずだからだ。
 だが、それでも、彼等は止めなければならないだろう。どのような理由があっても、武力に頼るべきではない。彼等がやっていることは、許されないことなのだ。

「邪魔をするなら、あなたであっても、容赦しませんよ?」
「一対一ならあなたに敵わなくても、この人数ならあなたにも勝てます」
「待って、まずは私の話を……」
「問答無用!」
「くっ……仕方ないか」

 構える魔術師達に対して、私も構えた。
 ここで、彼等を鎮めるしかない。話を聞いてくれる雰囲気ではないので、戦うしかなさそうだ。

「お待ちください」
「え?」

 そんな魔術師達の前に、一人の女性が現れた。
 その女性も、私の部下だった一人である。

「お久し振りですね、アルメア様」
「カルリア……」

 その部下の名前は、カルリア。私も信頼していた優秀な部下の一人だ。
 彼女は、私達と魔術師を遮るように立っている。彼等の動きを、止めてくれたのだろう。
 つまり、彼女は私の話を聞いてくれるということだ。そのことに、私は少しだけ安心する。戦いが避けられるなら、それが一番だ。
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