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11.玉座の間にて
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「フェリティア嬢、我々はあなたの来訪を歓迎しよう」
「ありがとうございます、アルバラス王」
私は、アルバラス王国の国王様の前にいた。
玉座に腰掛ける獅子の獣人は、レオニア様とよく似た顔立ちをしている。というか、正直見分けがほとんどつかない。
彼の父親であるはずなのでかなりの年齢であるはずなのだが、それもわからなかった。どうやら私は、まだ獣人の見分けがつかないらしい。
「レオニア、お前もご苦労だったな。しかしながら、驚いたぞ。まさか、嫁を連れて来るなどとは思っていなかった……」
「それはそうでしょう。それに関しては、私も思ってもいなかったことですから」
「なるほど、しかしそれはめでたいことだ」
国王様は、私とレオニア様の顔を交互に見ていた。
私達は、愛し合って婚約したということになっている。国王様は裏の事情を知っているらしいのだが、敢えてそういう反応をしているようだ。
第二王子が人間の国から嫁を迎えたということで、周りには多くの人達がいる。そういう人達に事情を悟られないために、そう言っているのだろう。
「しかしレオニアよ、お前には一つ言っておかなければならないことがある。事情を知らぬ人間を妻に迎えるというのは、彼女に対しては酷なことであるだろう。そんな彼女を、お前はこれから守り抜かなければならない。その覚悟は決まっているのか?」
「もちろんです。私は、フェリティアを愛しています。彼女を守り抜くことを心に決めております」
レオニア様は、そこで私の手をゆっくりと取った。
それは、周囲の獣人達にアピールなのだろう。馬車の中で慣らしておいてよかった。特に驚くこともなく、それを受け入れられる。
「……本当に、そうなのですかな?」
「む?」
「国王様、これはアピールなのでしょう。人間と獣人が分かり合える。そんな絵空事のために、その娘を連れてきたのでしょう?」
そこで一人の獣人の声が、玉座の間に響き渡った。
それは、虎の獣人が出した声だ。彼の周囲には、鋭い視線を私に向ける獣人達がいる。
やはりこちらの国にも、人間と和平を結ぶのに反発する勢力がいるらしい。あの獣人は、その一派のリーダーといった所だろか。
「……レオニア様、少しだけ屈んでもらえますか?」
「……ああ、それは構わないが」
「失礼します」
「む……」
そこで私は、レオニア様の口元にそっと口づけをした。
彼のひげが顔に当たって、少しくすぐったい。ただ、悪くない感触だ。
私の意図を理解してくれたのか、レオニア様は特に動かない。これならきっと、周囲の獣人達も反論できないだろう。
「……これが、私達が愛し合っているという証です。何か言いたいことがあるなら、どうぞ?」
「むぐっ……」
大衆の前で口づけを交わす。これはそれなりに、効果的であったようだ。
虎の獣人達は、明らかに勢いを失っている。流石に、分が悪いと思ってくれたのだろう。
そのことに、私は少し安心する。体を張った甲斐も、あったものだ。
「ありがとうございます、アルバラス王」
私は、アルバラス王国の国王様の前にいた。
玉座に腰掛ける獅子の獣人は、レオニア様とよく似た顔立ちをしている。というか、正直見分けがほとんどつかない。
彼の父親であるはずなのでかなりの年齢であるはずなのだが、それもわからなかった。どうやら私は、まだ獣人の見分けがつかないらしい。
「レオニア、お前もご苦労だったな。しかしながら、驚いたぞ。まさか、嫁を連れて来るなどとは思っていなかった……」
「それはそうでしょう。それに関しては、私も思ってもいなかったことですから」
「なるほど、しかしそれはめでたいことだ」
国王様は、私とレオニア様の顔を交互に見ていた。
私達は、愛し合って婚約したということになっている。国王様は裏の事情を知っているらしいのだが、敢えてそういう反応をしているようだ。
第二王子が人間の国から嫁を迎えたということで、周りには多くの人達がいる。そういう人達に事情を悟られないために、そう言っているのだろう。
「しかしレオニアよ、お前には一つ言っておかなければならないことがある。事情を知らぬ人間を妻に迎えるというのは、彼女に対しては酷なことであるだろう。そんな彼女を、お前はこれから守り抜かなければならない。その覚悟は決まっているのか?」
「もちろんです。私は、フェリティアを愛しています。彼女を守り抜くことを心に決めております」
レオニア様は、そこで私の手をゆっくりと取った。
それは、周囲の獣人達にアピールなのだろう。馬車の中で慣らしておいてよかった。特に驚くこともなく、それを受け入れられる。
「……本当に、そうなのですかな?」
「む?」
「国王様、これはアピールなのでしょう。人間と獣人が分かり合える。そんな絵空事のために、その娘を連れてきたのでしょう?」
そこで一人の獣人の声が、玉座の間に響き渡った。
それは、虎の獣人が出した声だ。彼の周囲には、鋭い視線を私に向ける獣人達がいる。
やはりこちらの国にも、人間と和平を結ぶのに反発する勢力がいるらしい。あの獣人は、その一派のリーダーといった所だろか。
「……レオニア様、少しだけ屈んでもらえますか?」
「……ああ、それは構わないが」
「失礼します」
「む……」
そこで私は、レオニア様の口元にそっと口づけをした。
彼のひげが顔に当たって、少しくすぐったい。ただ、悪くない感触だ。
私の意図を理解してくれたのか、レオニア様は特に動かない。これならきっと、周囲の獣人達も反論できないだろう。
「……これが、私達が愛し合っているという証です。何か言いたいことがあるなら、どうぞ?」
「むぐっ……」
大衆の前で口づけを交わす。これはそれなりに、効果的であったようだ。
虎の獣人達は、明らかに勢いを失っている。流石に、分が悪いと思ってくれたのだろう。
そのことに、私は少し安心する。体を張った甲斐も、あったものだ。
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