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13.愚かなる兄(モブ視点)
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「何を言っているのか、俺にはまったく理解できないな」
「……」
弟であるツヴァリオの言葉に、ダルキスはその表情を歪めていた。
そんな彼に対して、ツヴァリオは呆れる。自分の兄が、何もわかっていない愚か者だからだ。
「兄上、兄上がやっていることは間違っていると言ったのです。聖女セレティナに無実の罪を着せて追い出したこと、そしてそれから、聖女ティスリアとともに権力を用いて横暴な振る舞いをしていること、全てが過ちです」
「知ったような口を聞くんじゃない。お前に国の何がわかる?」
「兄上が国を語らないでください」
王国では、ダルキスが王位を継ぐことが前提となっていた。
その風潮に対して、今まで異を唱えたものはいない。長男である彼が王位を継ぐことは、当たり前だとされてきたのだ。
しかしそれによってダルキスが増長したと、ツヴァリオは思っていた。彼は自分の地位に胡坐をかき、どんどんとわがままな人間になっていったのである。
そんな兄を反面教師としてきたツヴァリオは、どうにかして兄を失脚させなければならないと考えていた。
不幸中の幸いではあるが、その機会は巡ってきていた。今まで隠していた本性が露わになってきていることによって、国内ではとある風潮が出来上がってきているのだ。
「ドラール王国は、兄上のことを認めません」
「何を言っているのかわからないな。ドラール王国とは、俺の国だ。その国が俺を認めないなど、おかしなことを言う」
「やはりわかっていないようですね。兄上は国を知らないのです。きっとこれからも知ろうとはしないでしょう。しかし、何れあなた方は手痛いしっぺ返しをくらうことになる」
「生意気な口を聞くなよ。お前であっても、この俺には逆らえない。それを直接教えてやろうか?」
聖女セレティアは冤罪であった。それはダルキスや新たに聖女となったティスリアの仕業だ。
二人の国を省みることがない態度に、ドラール王国ではそういった噂が流れ始めていた。
その噂の流布には、ツヴァリオも関わっていないという訳ではない。ただ、それはほんの微力でしかなかった。ここまでその風潮が広まったのは、二人の態度が原因である。
「これ以上、兄上と話していても時間の無駄であるようですね。僕はこれで失礼します」
「逃げるのか! この臆病者め!」
「ええ、僕は確かに憶病かもしれません。しかし兄上のような勇猛さは必要ないのですよ。僕達は臆病なくらいの方が丁度いいのですから」
ツヴァリオはゆっくりと歩き始めていた。
彼はこれから、民に働きかけるつもりだ。このドラール王国をダルキスの手から取り戻すために、ツヴァリオは行動し始めたのである。
「……」
弟であるツヴァリオの言葉に、ダルキスはその表情を歪めていた。
そんな彼に対して、ツヴァリオは呆れる。自分の兄が、何もわかっていない愚か者だからだ。
「兄上、兄上がやっていることは間違っていると言ったのです。聖女セレティナに無実の罪を着せて追い出したこと、そしてそれから、聖女ティスリアとともに権力を用いて横暴な振る舞いをしていること、全てが過ちです」
「知ったような口を聞くんじゃない。お前に国の何がわかる?」
「兄上が国を語らないでください」
王国では、ダルキスが王位を継ぐことが前提となっていた。
その風潮に対して、今まで異を唱えたものはいない。長男である彼が王位を継ぐことは、当たり前だとされてきたのだ。
しかしそれによってダルキスが増長したと、ツヴァリオは思っていた。彼は自分の地位に胡坐をかき、どんどんとわがままな人間になっていったのである。
そんな兄を反面教師としてきたツヴァリオは、どうにかして兄を失脚させなければならないと考えていた。
不幸中の幸いではあるが、その機会は巡ってきていた。今まで隠していた本性が露わになってきていることによって、国内ではとある風潮が出来上がってきているのだ。
「ドラール王国は、兄上のことを認めません」
「何を言っているのかわからないな。ドラール王国とは、俺の国だ。その国が俺を認めないなど、おかしなことを言う」
「やはりわかっていないようですね。兄上は国を知らないのです。きっとこれからも知ろうとはしないでしょう。しかし、何れあなた方は手痛いしっぺ返しをくらうことになる」
「生意気な口を聞くなよ。お前であっても、この俺には逆らえない。それを直接教えてやろうか?」
聖女セレティアは冤罪であった。それはダルキスや新たに聖女となったティスリアの仕業だ。
二人の国を省みることがない態度に、ドラール王国ではそういった噂が流れ始めていた。
その噂の流布には、ツヴァリオも関わっていないという訳ではない。ただ、それはほんの微力でしかなかった。ここまでその風潮が広まったのは、二人の態度が原因である。
「これ以上、兄上と話していても時間の無駄であるようですね。僕はこれで失礼します」
「逃げるのか! この臆病者め!」
「ええ、僕は確かに憶病かもしれません。しかし兄上のような勇猛さは必要ないのですよ。僕達は臆病なくらいの方が丁度いいのですから」
ツヴァリオはゆっくりと歩き始めていた。
彼はこれから、民に働きかけるつもりだ。このドラール王国をダルキスの手から取り戻すために、ツヴァリオは行動し始めたのである。
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