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10.彼の末路は
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私は、エリクス殿下とともに病院に来ていた。
目の前にあるベッドの上には、チャルド様が寝転がっている。彼はなんとか一命を取り留めたものの、かなりの重傷だ。その目は虚ろであり、私達の来訪には気づいていなさそうである。
「うあああああ」
チャルド様は、唸り声をあげていた。
傷が痛むのか、あるいは盗賊の襲撃がトラウマになっているのか、とにかく彼の状態は良いものとは言い難い。
「……チャルド様がリリアナ嬢との婚約を破棄したことは、もちろん許されるようなことではありませんが、ここまでの報いを受ける程のことだったのでしょうか?」
「……そうですね。僕としても、非常に悔いが残る結果となってしまいました。できることなら、血を流さずに今回の件を解決したかった。チャルド伯爵令息を守れなかった。これは僕の失態です」
チャルド様は褒められるような人ではなかったが、こんな結末は流石にあんまりだ。
せめて彼が、無事に回復することを祈っておくとしよう。中々に厳しい状態ではあるのだろうが、快方に向かって欲しいものである。
「……行きましょうか」
「はい……」
私は、エリクス殿下の言葉にゆっくりと頷いた。
現在私達は、とある町の病院にいる。ただこの町に来たのは、チャルド様を見舞うためというだけが理由ではない。
今回の事件の首謀者――リリアナ嬢も現在、この町にいるのだ。彼女はチャルド様と同じ町にいて、どうやら襲撃の際もその場に居合わせたようである。
「リリアナ嬢は、私が思っていた以上に残虐な方だったようですね……」
「それについては、僕も見誤っていました。彼女の狂気にもう少し早く気づいておきたかったものです」
「ご自分だけを責めるのはよくありませんよ。それは誰もわからなかったことなのですから。私もチャルド様も、それからリリアナ嬢の父親であるラナール伯爵だって、彼女がこんなことをするなんて思っていなかったはずです」
リリアナ嬢のことは、直情的であるとは思っていた。一時の感情に身を任せる所がある。舞踏会の場において私に詰め掛けてきた時、それがわかった。
同時に彼女は、残虐的だったようだ。チャルド様は明らかにいたぶられていた。恐らくリリアナ嬢が賊にそう指示したのだろう。
「ケイティア嬢、本当に大丈夫なのですか? 彼女と顔を合わせることは、あなたにとってはとても辛い時間になるはずです」
「大丈夫です。私も決着をつけなければならないと思っていますから」
「決着、ですか?」
「ええ、巻き込まれた身でしかありませんが、それでも私は渦中にいた一人です。この件を終わらせる場に立っていなければと、そう思うのです」
私はリリアナ嬢と対面することに決めた。それはエリクス殿下に言った通り、決着をつけるためだ。
私はこの一件を乗り越えていかなければならない。そのためにはリリアナ嬢と向き合う時間が、必要だと思うのだ。
目の前にあるベッドの上には、チャルド様が寝転がっている。彼はなんとか一命を取り留めたものの、かなりの重傷だ。その目は虚ろであり、私達の来訪には気づいていなさそうである。
「うあああああ」
チャルド様は、唸り声をあげていた。
傷が痛むのか、あるいは盗賊の襲撃がトラウマになっているのか、とにかく彼の状態は良いものとは言い難い。
「……チャルド様がリリアナ嬢との婚約を破棄したことは、もちろん許されるようなことではありませんが、ここまでの報いを受ける程のことだったのでしょうか?」
「……そうですね。僕としても、非常に悔いが残る結果となってしまいました。できることなら、血を流さずに今回の件を解決したかった。チャルド伯爵令息を守れなかった。これは僕の失態です」
チャルド様は褒められるような人ではなかったが、こんな結末は流石にあんまりだ。
せめて彼が、無事に回復することを祈っておくとしよう。中々に厳しい状態ではあるのだろうが、快方に向かって欲しいものである。
「……行きましょうか」
「はい……」
私は、エリクス殿下の言葉にゆっくりと頷いた。
現在私達は、とある町の病院にいる。ただこの町に来たのは、チャルド様を見舞うためというだけが理由ではない。
今回の事件の首謀者――リリアナ嬢も現在、この町にいるのだ。彼女はチャルド様と同じ町にいて、どうやら襲撃の際もその場に居合わせたようである。
「リリアナ嬢は、私が思っていた以上に残虐な方だったようですね……」
「それについては、僕も見誤っていました。彼女の狂気にもう少し早く気づいておきたかったものです」
「ご自分だけを責めるのはよくありませんよ。それは誰もわからなかったことなのですから。私もチャルド様も、それからリリアナ嬢の父親であるラナール伯爵だって、彼女がこんなことをするなんて思っていなかったはずです」
リリアナ嬢のことは、直情的であるとは思っていた。一時の感情に身を任せる所がある。舞踏会の場において私に詰め掛けてきた時、それがわかった。
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「決着、ですか?」
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