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34.長い年月を経て(アルティリア視点)
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「……久し振りね」
「……はい、お久し振りですね」
私の目の前には、一人の女性がいる。
かつて少女だった彼女は、立派な女性に成長していた。当たり前のことではあるのだが、そこには年月が感じられる。
「何か話せばいいかしらね……いえ、遠回りして結局言えなくなったら駄目だから、最初に言わせてもらうわね。ごめんなさい、学生時代にあなたにした非道の数々、遅くなったけど謝らせて」
私は、ゆっくりと頭を下げた。
深く深く頭を下げながら、私は彼女の言葉を待つ。
許してもらえるかはわからない。だが、それでも私は謝りたかった。それは、自己満足なのかもしれないが。
「……確かに、アルティリア様には色々なことを言われたりされたりしたと記憶しています。そのことで傷ついたこともありました」
「……ええ」
「ですが、アルティリア様はそれを反省して悔やんで、こうして私に謝ろうとしてくれました。自らの過ちを認めるのはきっと辛かったでしょう……その顔を見ればわかります」
「……」
「……ですから、私はあなたを許します。だから、頭を上げてください」
彼女の言葉に私は一瞬逡巡する。その顔を見るのが、少し怖かったのだ。
彼女は、太陽のような女性だった。その眩しさに、私は勝てるのだろうか。
そう思った瞬間、ファルミルの顔を思い出した。すると、不安がすぐに消える。
そこで私は理解した。もう私は太陽の光を浴びても大丈夫なのだ。なぜなら、私の傍には彼女以上に眩しい太陽があったのだから。
「……アルティリア様」
「……ラムリア」
「こうしてあなたともう一度話せることを嬉しく思います。こう言っては失礼かもしれませんが、ご立派になられましたね」
「……そう言ってもらえると嬉しいわね。まあ、本当に立派かどうかは微妙な所だけれど」
私は、ラムリアと向き合った。
改めて顔を見ながら、私は思う。本当に眩しい笑顔を浮かべる人だと。
この笑顔を向けられたら、それは好きになってしまうだろう。ファルクス様が彼女に恋をしたのも仕方ないと思える。もっとも、私は彼女以上の笑顔を持つ少女を知っているのだが。
「いえ、間違いなく立派だと思います。今のアルティリア様の顔を見ればわかります。あの時とは大きく変わられたのだと……」
「変えてくれたのよ。私にとって、最も大切な子が……」
「そうなのですね……その話を聞かせていただけますか?」
「それはもちろんいいけれど、長い話になるわよ?」
「大丈夫です。今日はたくさんお話しましょう」
「……ええ」
私はラムリアと一緒に笑っていた。
それがとても嬉しい。ファルミルのおかげで、私はラムリアとも友達になれたようだ。
「……はい、お久し振りですね」
私の目の前には、一人の女性がいる。
かつて少女だった彼女は、立派な女性に成長していた。当たり前のことではあるのだが、そこには年月が感じられる。
「何か話せばいいかしらね……いえ、遠回りして結局言えなくなったら駄目だから、最初に言わせてもらうわね。ごめんなさい、学生時代にあなたにした非道の数々、遅くなったけど謝らせて」
私は、ゆっくりと頭を下げた。
深く深く頭を下げながら、私は彼女の言葉を待つ。
許してもらえるかはわからない。だが、それでも私は謝りたかった。それは、自己満足なのかもしれないが。
「……確かに、アルティリア様には色々なことを言われたりされたりしたと記憶しています。そのことで傷ついたこともありました」
「……ええ」
「ですが、アルティリア様はそれを反省して悔やんで、こうして私に謝ろうとしてくれました。自らの過ちを認めるのはきっと辛かったでしょう……その顔を見ればわかります」
「……」
「……ですから、私はあなたを許します。だから、頭を上げてください」
彼女の言葉に私は一瞬逡巡する。その顔を見るのが、少し怖かったのだ。
彼女は、太陽のような女性だった。その眩しさに、私は勝てるのだろうか。
そう思った瞬間、ファルミルの顔を思い出した。すると、不安がすぐに消える。
そこで私は理解した。もう私は太陽の光を浴びても大丈夫なのだ。なぜなら、私の傍には彼女以上に眩しい太陽があったのだから。
「……アルティリア様」
「……ラムリア」
「こうしてあなたともう一度話せることを嬉しく思います。こう言っては失礼かもしれませんが、ご立派になられましたね」
「……そう言ってもらえると嬉しいわね。まあ、本当に立派かどうかは微妙な所だけれど」
私は、ラムリアと向き合った。
改めて顔を見ながら、私は思う。本当に眩しい笑顔を浮かべる人だと。
この笑顔を向けられたら、それは好きになってしまうだろう。ファルクス様が彼女に恋をしたのも仕方ないと思える。もっとも、私は彼女以上の笑顔を持つ少女を知っているのだが。
「いえ、間違いなく立派だと思います。今のアルティリア様の顔を見ればわかります。あの時とは大きく変わられたのだと……」
「変えてくれたのよ。私にとって、最も大切な子が……」
「そうなのですね……その話を聞かせていただけますか?」
「それはもちろんいいけれど、長い話になるわよ?」
「大丈夫です。今日はたくさんお話しましょう」
「……ええ」
私はラムリアと一緒に笑っていた。
それがとても嬉しい。ファルミルのおかげで、私はラムリアとも友達になれたようだ。
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