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2.婚約破棄を告げられて
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「君のような地味でつまらない女は僕には相応しくない。よって君との婚約は破棄させてもらう」
「……え?」
婚約者となって初めての対面から一か月後、私は再び顔を合わせたレヴァール殿下から婚約破棄を告げられることになった。
その言葉に、私は思わず固まってしまう。呼び出されたのは良いことではないとは予測していたものの、婚約破棄されるとは流石に予想外だったからだ。
「レヴァール殿下、それは一体どういうことですか?」
「言葉通りだ。君との婚約は、僕の独断で破棄させてもらう」
「そ、そんなのはあんまりです。私達の婚約は、王家とオービス侯爵家との間で取り交わされた契約なのですよ?」
「わかっているとも。僕だって、色々と考えたんだ。しかし君との婚約は許容できない。僕には他に相応しい相手がいる」
レヴァール殿下は、本当に心底嫌そうに言葉を発していた。
どうやら思っていた以上に、彼は私のことを嫌っていたらしい。婚約破棄するなんて、相当だろう。
「おっと、噂をすれば……」
「え?」
「入ってくれ」
私が茫然としていると、戸を叩く音が聞こえてきた。
レヴァール殿下が許可を出すと、部屋に一人の女性が入ってきた。派手な格好をした明らかに貴族の令嬢であるその女性は、私を見ながら嫌らしい笑みを浮かべている。
「初めまして、イルセア嬢。私はモルディス子爵家のメルファナと申します」
「メルファナ嬢……」
「彼女は僕の新しい婚約者だ。君と違って輝かしい令嬢だ」
令嬢が自己紹介した後に、レヴァール殿下も笑みを浮かべた。
確かに彼の言う通り、メルファナ嬢は輝いているといえるかもしれない。
黒い髪の私とは違い金髪で、さらには装飾に塗れたドレスで着飾っている彼女は、見ているだけで眩暈がしそうだ。
貴族の中には派手好きも多いが、彼女はその中でも特異といえる。これがレヴァール殿下の好みというなら、彼は悪趣味としか言いようがない。
「残念でしたね、イルセア嬢。でも、これはあなたの責任ですよ? 貴族たるもの、自らを美しく見せるのは当然のことです。それなのにあなたは、そんな地味で……」
「メルファナ嬢の言う通りだ。イルセア嬢、君はもう少し貴族らしさというものを学ぶべきだな」
二人は私を嘲笑っていた。なんとも楽しそうなその様に、私はこの二人の相性が良いということを理解することになった。
同時に私は、レヴァール殿下とこれ以上話しても無駄なことを悟る。彼はまともな王族ではない。この婚約破棄は、むしろ良いことと捉えるべきなのかもしれない。
「……え?」
婚約者となって初めての対面から一か月後、私は再び顔を合わせたレヴァール殿下から婚約破棄を告げられることになった。
その言葉に、私は思わず固まってしまう。呼び出されたのは良いことではないとは予測していたものの、婚約破棄されるとは流石に予想外だったからだ。
「レヴァール殿下、それは一体どういうことですか?」
「言葉通りだ。君との婚約は、僕の独断で破棄させてもらう」
「そ、そんなのはあんまりです。私達の婚約は、王家とオービス侯爵家との間で取り交わされた契約なのですよ?」
「わかっているとも。僕だって、色々と考えたんだ。しかし君との婚約は許容できない。僕には他に相応しい相手がいる」
レヴァール殿下は、本当に心底嫌そうに言葉を発していた。
どうやら思っていた以上に、彼は私のことを嫌っていたらしい。婚約破棄するなんて、相当だろう。
「おっと、噂をすれば……」
「え?」
「入ってくれ」
私が茫然としていると、戸を叩く音が聞こえてきた。
レヴァール殿下が許可を出すと、部屋に一人の女性が入ってきた。派手な格好をした明らかに貴族の令嬢であるその女性は、私を見ながら嫌らしい笑みを浮かべている。
「初めまして、イルセア嬢。私はモルディス子爵家のメルファナと申します」
「メルファナ嬢……」
「彼女は僕の新しい婚約者だ。君と違って輝かしい令嬢だ」
令嬢が自己紹介した後に、レヴァール殿下も笑みを浮かべた。
確かに彼の言う通り、メルファナ嬢は輝いているといえるかもしれない。
黒い髪の私とは違い金髪で、さらには装飾に塗れたドレスで着飾っている彼女は、見ているだけで眩暈がしそうだ。
貴族の中には派手好きも多いが、彼女はその中でも特異といえる。これがレヴァール殿下の好みというなら、彼は悪趣味としか言いようがない。
「残念でしたね、イルセア嬢。でも、これはあなたの責任ですよ? 貴族たるもの、自らを美しく見せるのは当然のことです。それなのにあなたは、そんな地味で……」
「メルファナ嬢の言う通りだ。イルセア嬢、君はもう少し貴族らしさというものを学ぶべきだな」
二人は私を嘲笑っていた。なんとも楽しそうなその様に、私はこの二人の相性が良いということを理解することになった。
同時に私は、レヴァール殿下とこれ以上話しても無駄なことを悟る。彼はまともな王族ではない。この婚約破棄は、むしろ良いことと捉えるべきなのかもしれない。
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