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3.これからのために
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オービス侯爵家の屋敷に戻って来た私は、お父様に全てを報告した後に中庭のベンチに腰掛けていた。
深刻な顔をしたお父様から「これからのことは考えるから少し休め」と言われたので、とりあえずぼうっとしているのだ。
しかしやはり頭の片隅には、レヴァール殿下とのことがある。
彼から婚約破棄されたという事実は、私の胸に重くのしかかってきている。
貴族としての華やかさ、レヴァール殿下はそれが私に不足していると言ってきた。
それは別に、間違っている訳ではない。私は地味である。オービス侯爵家は貴族としては質素な風潮があり、私も自然と派手な格好などは避けるようになっていたのだ。
それで別に不自由を感じたことはなかった。しかしもしかしたら、今の時代には最早オービス侯爵家の風潮は、古いものなのかもしれない。
「……浮かない顔をしているな?」
「……アルゼスお兄様、それにフェセネア様も」
「久し振りね、イルセア嬢。元気そうでは……ないみたいだけれど」
色々と悩んでいる私の元に、アゼルスお兄様とその婚約者であるフェセネア様がやって来た。
幸か不幸か、今日はフェセネア様がオービス侯爵家を訪ねて来る日であったのだ。急にレヴァール殿下から呼び出された私の帰宅と、その予定が重なったのである。
表情からして、二人とも私の婚約破棄のことは既に聞いていそうだ。お父様としても、この情報は早い所伝えておきたいものだっただろうし。
「色々と大変だったようだな……」
「……あまり気にしない方がいいわよ? 今回の件に関して、あなたに悪い所はなかったはずだわ。相手が悪かったのよ。レヴァール殿下は滅茶苦茶だわ」
お兄様とフェセネア様は、それぞれ私の両隣に座った。
二人からの慰めの言葉は、とても温かい。私の心は、それで少し安らいだ。
とはいえ、私に悪い所がなかったかというと、それは微妙な所かもしれない。自分でも華やかさなどがないことには自覚がある。
「フェセネア様、少し相談しても良いですか?」
「私に? 何かしら?」
そこで私は、フェセネア様に相談してみることにした。
ハルペン侯爵家の令嬢である彼女は、私とは違って華やかで、メルファナ嬢程に派手という訳ではない。貴族の令嬢として、理想的だといえるのがフェセネア様だ。
そんな彼女から助言をもらえば、私ももう少し評価されるかもしれない。これからのためにも、それは大切なことだと思う。
「レヴァール殿下に、私は言われました。地味でつまらない私は、婚約者に相応しくないと」
「……それは気にする必要がないことだ」
「お兄様、私は別に自分を卑下しようとは思っている訳ではありません。ただこれからのためにも、学んでおく必要があると思っただけです」
「なるほど、それは確かに大切なことかもしれないわね。でも別に私は、イルセア嬢がその点において不足があるとは思わないけれどね」
私の頼みを、フェセネア様は快く了承してくれた。
これで私も、少しは成長できるかもしれない。
深刻な顔をしたお父様から「これからのことは考えるから少し休め」と言われたので、とりあえずぼうっとしているのだ。
しかしやはり頭の片隅には、レヴァール殿下とのことがある。
彼から婚約破棄されたという事実は、私の胸に重くのしかかってきている。
貴族としての華やかさ、レヴァール殿下はそれが私に不足していると言ってきた。
それは別に、間違っている訳ではない。私は地味である。オービス侯爵家は貴族としては質素な風潮があり、私も自然と派手な格好などは避けるようになっていたのだ。
それで別に不自由を感じたことはなかった。しかしもしかしたら、今の時代には最早オービス侯爵家の風潮は、古いものなのかもしれない。
「……浮かない顔をしているな?」
「……アルゼスお兄様、それにフェセネア様も」
「久し振りね、イルセア嬢。元気そうでは……ないみたいだけれど」
色々と悩んでいる私の元に、アゼルスお兄様とその婚約者であるフェセネア様がやって来た。
幸か不幸か、今日はフェセネア様がオービス侯爵家を訪ねて来る日であったのだ。急にレヴァール殿下から呼び出された私の帰宅と、その予定が重なったのである。
表情からして、二人とも私の婚約破棄のことは既に聞いていそうだ。お父様としても、この情報は早い所伝えておきたいものだっただろうし。
「色々と大変だったようだな……」
「……あまり気にしない方がいいわよ? 今回の件に関して、あなたに悪い所はなかったはずだわ。相手が悪かったのよ。レヴァール殿下は滅茶苦茶だわ」
お兄様とフェセネア様は、それぞれ私の両隣に座った。
二人からの慰めの言葉は、とても温かい。私の心は、それで少し安らいだ。
とはいえ、私に悪い所がなかったかというと、それは微妙な所かもしれない。自分でも華やかさなどがないことには自覚がある。
「フェセネア様、少し相談しても良いですか?」
「私に? 何かしら?」
そこで私は、フェセネア様に相談してみることにした。
ハルペン侯爵家の令嬢である彼女は、私とは違って華やかで、メルファナ嬢程に派手という訳ではない。貴族の令嬢として、理想的だといえるのがフェセネア様だ。
そんな彼女から助言をもらえば、私ももう少し評価されるかもしれない。これからのためにも、それは大切なことだと思う。
「レヴァール殿下に、私は言われました。地味でつまらない私は、婚約者に相応しくないと」
「……それは気にする必要がないことだ」
「お兄様、私は別に自分を卑下しようとは思っている訳ではありません。ただこれからのためにも、学んでおく必要があると思っただけです」
「なるほど、それは確かに大切なことかもしれないわね。でも別に私は、イルセア嬢がその点において不足があるとは思わないけれどね」
私の頼みを、フェセネア様は快く了承してくれた。
これで私も、少しは成長できるかもしれない。
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