公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗

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村での暮らし(お母様視点)

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 私は、村長さんを自分の執務室に通して彼と話していた。
 彼をこのラーデイン公爵家に招いたのは、セリネアやルネリアのことを聞くためである。
 今まで、私は彼女達が村でどのような暮らしをしていたのかを聞くことは避けてきた。どうしても、浮気相手に対して複雑な気持ちを抱いてしまうからだ。
 しかし、今はその気持ちはない。だから、私は、二人の歩んできた人生を知りたいと思ったのである。

「実の所、私は心配なんです。ルネリアと私は、複雑な関係ですから……」
「……そうですよね」

 二人の暮らしを村長さんから聞いて、私はそんなことを呟いていた。
 私が心配しているのは、ルネリアの親として自分がどう振る舞うべきなのかということである。
 私と彼女の関係は、複雑だ。簡単な関係ではない。
 だからこそ、心配なのだ。自分が、あの子の親として振る舞うにあたって、どうすればいいのかということが。

「……まあ、自分は貴族のあれこれのことはわかりませんが、親というものだけはわかります」
「……どういうことですか?」
「今のルネリアを見て、思ったんです。あなたの隣で、あの子は安心しきっていました。それを見れば、あなたがどれだけ彼女のことを思ってくれているのかは、わかります」

 そんな私に、村長さんはそんなことを言ってくれた。
 ルネリアを私よりも長い年月見てきた彼からそう言ってもらえるのは、非常にありがたいことだ。少なくとも、私の今までの振る舞いは、間違っていなかったということだろう。

「ありがとうございます……ああ、そういえば、ルネリアはあのケリーという子ととても仲が良いんですね?」
「ああ、ケリーですか。ええ、そうですね」

 そこで、私はあることを思い出した。ルネリアの親友、ケリーのことだ。
 二人は、とても仲が良いように感じられた。その関係性が、私は中々気になっているのだ。
 それは、一個人的な興味でもあり、母親としての興味でもある。そして何より、貴族としての興味もあるのだ。

「ルネリアにとって、ケリーはどのような存在なのでしょうか?」
「そうですね……まあ、姉貴分とでもいうべきでしょうか」
「……姉貴分?」
「ええ、まあ、村では一番年が近い女の子ですから、姉のように思っているはずです」

 村長さんの言葉に、私は驚いた。なぜなら、私はケリーのことを男の子だと思っていたからだ。
 だが、彼改め彼女の顔を見た時、私は中性的だと思った。格好は男の子のようだったが、女の子でもおかしくはない。
 こうして、私はルネリア達の村での暮らしと、ケリーの本当の性別を知ったのだった。
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