142 / 142
after
彼との一時(ケリー視点)
しおりを挟む
僕が生まれ育った村は、辺境といえるような所にある。
村の周囲には自然が広がっていて、隣の村まで行くのも一苦労だ。
とはいえ、僕はそんな村が好きだった。村の人達は皆いい人であるし、掛け替えのない友達――ルネリアもいたから。
だけれど、その友達は突然いなくなってしまった。
ルネリアは、公爵家の隠し子だったのだ。保護という名目で、彼女は公爵家に連れて行かれたのである。
だから僕は、ラーデイン公爵家に対して良い印象を持っていなかった。もしかしたらルネリアは毎日泣いているかもしれない。そんなことを思っていた。
ただそれは、大きな間違いだったといえる。ラーデイン公爵家の方々は、皆優しい人だったのだ。ルネリアは愛されていた。それは実際に屋敷を訪ねて、深く実感したことである。
そして僕は、そこで出会ったのだ。エルーズ様と。
「ふう……」
村の近くの川のほとりで、僕はゆっくりとため息をついた。
辺りには涼しい風が吹いており、それがなんとも心地良い。
そういった場所に来て思うのは、エルーズ様のことだ。
彼は生まれつき、体が弱いそうだ。そんな彼には、空気が澄んだこの辺りは過ごしやすい環境であるらしい。ここなら彼も安らげるのだろうか。僕の頭には、そのようなことが過ってきた。
「そんなこと僕が考えても、仕方ないのにね……」
僕は少し遠くを見つめながら、考えていた。これまでのこととこれからのことを。
昔はこういう所に、ルネリアと一緒に来ていた。そういった日常は、変わらないものだと僕は思っていた。
村でルネリアと一緒に大きくなって、それから誰かと結婚して、両親から農家としての役目を継いで、そうやって生きていく。
ぼんやりとそう思っていたけれど、それは今の時点でもう叶わないことになった。だから僕は、未来のことを考えなければならないのだ。
「――こっちだよ、ウルスドお兄様」
「エルーズ、わかったから落ち着け。あんまり興奮すると、体に響くぞ? たださえ、ここに来るまで結構歩いているんだから」
「ウルスドお兄様は心配性だね? あれ?」
聞こえてきた声に、僕は驚くことになった。
エルーズ様の声がする。一瞬幻聴かと思ったけれど、どうやらそれは現実のものらしい。
僕は後ろを向く。するとそこには、エルーズ様とそれから彼とルネリアの兄であるウルスド様がいた。
「ケリー? こんな所でどうしたの?」
「どうしたのは、こちらの台詞ですよ、エルーズ様。どうしてこちらに?」
「え? ああ、それはね。この辺りが僕にとって過ごしやすい所で……ここはお父様に教えてもらったんだけど」
「……ああ、ルネリアの友達の子か」
エルーズ様が僕に事情を説明してくれている横で、ウルスド様は手を叩いた。
エルーズ様と違って、ウルスド様とはあまり面識がない。お互いに知らないという訳でもないけれど、話したことはないという関係だ。そのため彼は、すぐに僕のことがわからなかったのだろう。
「エルーズから聞いているよ。いつも弟が世話になっているみたいだな」
「あ、ええ、そうですね。エルーズ様は、村によく遊びに来てくれて」
「村って……ここからそれなりに距離があると思うんだが」
「あ、えっと、この辺りは僕達にとっては庭みたいなものですから」
「そうか……体力があるんだな」
僕の言葉に、ウルスド様は頬をかいていた。
それを見て僕は、ここと村からの距離を改めて考える。自分では、そんなに遠くまで来たという気はしないのだが、貴族の方から見たら違うものなのだろうか。
「でも嬉しいな、ケリーとこんな所で会えるなんて。まあ、後で遊びに行こうとは思っていたけど」
「そうだったんですか? ああ、もしかしたら今頃村に遣いの人が来ているのかもしれませんね」
「悪いな、迷惑をかけてしまって」
「ああいえ、エルーズ様が来てくれるのは僕も嬉しいですから」
「いや、公爵家の令息が押し掛けるのはやっぱり大変――」
ウルスド様は、そこで言葉を途中で止めた。
それに私とエルーズ様は、顔を見合わせる。それから私達は、ウルスド様の後ろの方を自然と見た。するとそこには、綺麗な女の人が立っている。
「……あなたは一体、どうしてそうなのかしら?」
「ク、ク、ク、クレーナ?」
「弟との時間ということで、邪魔をするつもりはなかったのだけれどね。これはもう回収しておかないと……」
「俺、なんかしたのかなぁ……」
ウルスド様は、突如現れた女性に連れて行かれた。
なんだか、大変そうだったけれど、大丈夫なのだろうか。そう思って僕は、エルーズ様の方を見つめる。
「大丈夫だよ、あれはウルスドお兄様の婚約者だから。二人はとっても仲が良いんだ」
「そ、そうなんですか……」
「それより、少しここで話そうよ。それから一緒に村まで行こう? それでいいかな?」
「あ、はい。僕は大丈夫です」
エルーズ様の言葉に、僕はゆっくりと頷いた。
僕としては、ここで話すのはもちろん構わない。丁度ここをエルーズ様に紹介したかった所であるし。
「ふう……」
「エルーズ様、大丈夫ですか?」
「ああ、うん。ここまで少し歩いて来たからかな。少し疲れているのかもしれない。でもまあ、今からは休めるから大丈夫だと思う。少し横になってもいいかな?」
「……そ、それなら僕の膝で良ければ使ってください」
「そう? それなら遠慮はしないよ」
エルーズ様が寝転がるということで、僕は自分の膝を貸すことにした。
草むらの上であっても、流石に頭を地面につけるのはまずいだろう。そう思っての提案だ。
ただ僕としては、色々と緊張していた。だって膝枕なんて、まるで恋人のようなことだから。
「それじゃあ、失礼するね?」
「あ、はい。どうぞ」
自分の膝の上に、エルーズ様の重さが加わる。それは思っていたよりも重かった。エルーズ様は、もっと軽い印象だったのだ。
でもすぐに、それは良いことであると思った。その重さは、エルーズ様がしっかりと生きている証拠だ。軽くなくて本当に良かったと、僕は思い直す。
「ふう……ケリーの膝は寝心地がいいね」
「そ、そうですか?」
「なんだか、とても安心できるよ」
エルーズ様の言葉に、僕の心は躍った。
彼に褒めてもらえたことが、とても嬉しい。僕の膝なんて大したものではないと思っていたけれど、少しは自信を持っていいものなのだろうか。
「……やっぱりケリーは、お姉さん気質なのかな?」
「え?」
「いや、僕を見る目がそんな風に思えたんだ」
「す、すみません。無礼ですね、そんな目は……」
「そんなことないよ。ケリーは気にし過ぎだよ。もっと僕に、気軽になって欲しいな」
エルーズ様は、少し寂しそうな表情をしていた。彼は本当に、僕にもっと気軽に話して欲しいのだろう。それはしっかりと伝わってきた。
でもそういう訳には行かないのが、僕達の関係性である。僕は平民で、エルーズ様は公爵家の令息だ。その身分の差は大きい。僕は無礼がないように、務めなければならない立場なのである。
しかし改めて考えてみると、不思議なものだ。僕はただの平民なのに、エルーズ様とこうして触れ合うことができている。
本来ならそれも恐れ多いことのはずだ。意識するとなんだか、少し体が固まってしまう。
「そうだ。ケリーは将来の目標とかあるのかな?」
「将来の目標、ですか?」
「夢と言い換えてもいいかもしれないけれど……」
「……何か特別なことがあるという訳ではありません。家の農業を継ぐことになるとは思いますけど」
唐突な質問だったため、僕は少し面食らってしまった。夢なんて、エルーズ様は急にどうしたのだろうか。
ただ答えは明確だったため、なんとか返答することはできた。僕の将来は、農家になるはずだ。父も母も、きっとそれを望んでいる。
「農業か……それは僕には少し難しそうかな?」
「え? それはまあ、そうかもしれません。体力は必要ですからね……」
「情けないことだよね。もっと丈夫だったら、良かったんだけど」
エルーズ様の言葉が、僕は少しわからなかった。
公爵家の令息である彼は、農業なんて縁がないはずだ。農業ができないことは、特に問題にならないと思うのだが。
「まあでも、諦めたら駄目だよね。これからも頑張っていけば、もっと健康になれるかもしれない」「それは是非とも頑張ってください。でも、農業なんてエルーズ様には似合いませんよ。だから、それは気にしないでください」
「ううん。僕にとって、それは重要なことだから……」
「重要なこと?」
「ケリーとこれからも一緒にいたいからね」
「エ、エルーズ様、それは一体……」
僕はそこで、言葉を詰まらせることになった。
それはエルーズ様が、すごいことを言っているからだ。僕とこれからも一緒とは一体、どういうことなのだろうか。
それは正直、とても気になる。だって僕とエルーズ様との間には、大きな身分の差があるのだから。
「そのままの意味だよ。これからもよろしくね、ケリー」
「そ、それはもちろんですけど……」
「ふふっ……」
僕の顔を見て、エルーズ様は笑顔を浮かべていた。
その笑顔がどういう意味なのか、僕にはわからない。ただエルーズ様は本当に嬉しそうで、僕も自然と笑顔になる。
僕は一体いつまで、エルーズ様と一緒にいられるのだろうか。その時間が長ければ良い。僕はそんなことを思った。
エルーズ様もきっと、同じように思ってくれているのだろう。それが僕は、とても嬉しかった。
それならこれから、僕も頑張らなければならないだろう。二人で一緒にいられる未来を思い浮かべながら、僕はエルーズ様との時間を過ごすのだった。
村の周囲には自然が広がっていて、隣の村まで行くのも一苦労だ。
とはいえ、僕はそんな村が好きだった。村の人達は皆いい人であるし、掛け替えのない友達――ルネリアもいたから。
だけれど、その友達は突然いなくなってしまった。
ルネリアは、公爵家の隠し子だったのだ。保護という名目で、彼女は公爵家に連れて行かれたのである。
だから僕は、ラーデイン公爵家に対して良い印象を持っていなかった。もしかしたらルネリアは毎日泣いているかもしれない。そんなことを思っていた。
ただそれは、大きな間違いだったといえる。ラーデイン公爵家の方々は、皆優しい人だったのだ。ルネリアは愛されていた。それは実際に屋敷を訪ねて、深く実感したことである。
そして僕は、そこで出会ったのだ。エルーズ様と。
「ふう……」
村の近くの川のほとりで、僕はゆっくりとため息をついた。
辺りには涼しい風が吹いており、それがなんとも心地良い。
そういった場所に来て思うのは、エルーズ様のことだ。
彼は生まれつき、体が弱いそうだ。そんな彼には、空気が澄んだこの辺りは過ごしやすい環境であるらしい。ここなら彼も安らげるのだろうか。僕の頭には、そのようなことが過ってきた。
「そんなこと僕が考えても、仕方ないのにね……」
僕は少し遠くを見つめながら、考えていた。これまでのこととこれからのことを。
昔はこういう所に、ルネリアと一緒に来ていた。そういった日常は、変わらないものだと僕は思っていた。
村でルネリアと一緒に大きくなって、それから誰かと結婚して、両親から農家としての役目を継いで、そうやって生きていく。
ぼんやりとそう思っていたけれど、それは今の時点でもう叶わないことになった。だから僕は、未来のことを考えなければならないのだ。
「――こっちだよ、ウルスドお兄様」
「エルーズ、わかったから落ち着け。あんまり興奮すると、体に響くぞ? たださえ、ここに来るまで結構歩いているんだから」
「ウルスドお兄様は心配性だね? あれ?」
聞こえてきた声に、僕は驚くことになった。
エルーズ様の声がする。一瞬幻聴かと思ったけれど、どうやらそれは現実のものらしい。
僕は後ろを向く。するとそこには、エルーズ様とそれから彼とルネリアの兄であるウルスド様がいた。
「ケリー? こんな所でどうしたの?」
「どうしたのは、こちらの台詞ですよ、エルーズ様。どうしてこちらに?」
「え? ああ、それはね。この辺りが僕にとって過ごしやすい所で……ここはお父様に教えてもらったんだけど」
「……ああ、ルネリアの友達の子か」
エルーズ様が僕に事情を説明してくれている横で、ウルスド様は手を叩いた。
エルーズ様と違って、ウルスド様とはあまり面識がない。お互いに知らないという訳でもないけれど、話したことはないという関係だ。そのため彼は、すぐに僕のことがわからなかったのだろう。
「エルーズから聞いているよ。いつも弟が世話になっているみたいだな」
「あ、ええ、そうですね。エルーズ様は、村によく遊びに来てくれて」
「村って……ここからそれなりに距離があると思うんだが」
「あ、えっと、この辺りは僕達にとっては庭みたいなものですから」
「そうか……体力があるんだな」
僕の言葉に、ウルスド様は頬をかいていた。
それを見て僕は、ここと村からの距離を改めて考える。自分では、そんなに遠くまで来たという気はしないのだが、貴族の方から見たら違うものなのだろうか。
「でも嬉しいな、ケリーとこんな所で会えるなんて。まあ、後で遊びに行こうとは思っていたけど」
「そうだったんですか? ああ、もしかしたら今頃村に遣いの人が来ているのかもしれませんね」
「悪いな、迷惑をかけてしまって」
「ああいえ、エルーズ様が来てくれるのは僕も嬉しいですから」
「いや、公爵家の令息が押し掛けるのはやっぱり大変――」
ウルスド様は、そこで言葉を途中で止めた。
それに私とエルーズ様は、顔を見合わせる。それから私達は、ウルスド様の後ろの方を自然と見た。するとそこには、綺麗な女の人が立っている。
「……あなたは一体、どうしてそうなのかしら?」
「ク、ク、ク、クレーナ?」
「弟との時間ということで、邪魔をするつもりはなかったのだけれどね。これはもう回収しておかないと……」
「俺、なんかしたのかなぁ……」
ウルスド様は、突如現れた女性に連れて行かれた。
なんだか、大変そうだったけれど、大丈夫なのだろうか。そう思って僕は、エルーズ様の方を見つめる。
「大丈夫だよ、あれはウルスドお兄様の婚約者だから。二人はとっても仲が良いんだ」
「そ、そうなんですか……」
「それより、少しここで話そうよ。それから一緒に村まで行こう? それでいいかな?」
「あ、はい。僕は大丈夫です」
エルーズ様の言葉に、僕はゆっくりと頷いた。
僕としては、ここで話すのはもちろん構わない。丁度ここをエルーズ様に紹介したかった所であるし。
「ふう……」
「エルーズ様、大丈夫ですか?」
「ああ、うん。ここまで少し歩いて来たからかな。少し疲れているのかもしれない。でもまあ、今からは休めるから大丈夫だと思う。少し横になってもいいかな?」
「……そ、それなら僕の膝で良ければ使ってください」
「そう? それなら遠慮はしないよ」
エルーズ様が寝転がるということで、僕は自分の膝を貸すことにした。
草むらの上であっても、流石に頭を地面につけるのはまずいだろう。そう思っての提案だ。
ただ僕としては、色々と緊張していた。だって膝枕なんて、まるで恋人のようなことだから。
「それじゃあ、失礼するね?」
「あ、はい。どうぞ」
自分の膝の上に、エルーズ様の重さが加わる。それは思っていたよりも重かった。エルーズ様は、もっと軽い印象だったのだ。
でもすぐに、それは良いことであると思った。その重さは、エルーズ様がしっかりと生きている証拠だ。軽くなくて本当に良かったと、僕は思い直す。
「ふう……ケリーの膝は寝心地がいいね」
「そ、そうですか?」
「なんだか、とても安心できるよ」
エルーズ様の言葉に、僕の心は躍った。
彼に褒めてもらえたことが、とても嬉しい。僕の膝なんて大したものではないと思っていたけれど、少しは自信を持っていいものなのだろうか。
「……やっぱりケリーは、お姉さん気質なのかな?」
「え?」
「いや、僕を見る目がそんな風に思えたんだ」
「す、すみません。無礼ですね、そんな目は……」
「そんなことないよ。ケリーは気にし過ぎだよ。もっと僕に、気軽になって欲しいな」
エルーズ様は、少し寂しそうな表情をしていた。彼は本当に、僕にもっと気軽に話して欲しいのだろう。それはしっかりと伝わってきた。
でもそういう訳には行かないのが、僕達の関係性である。僕は平民で、エルーズ様は公爵家の令息だ。その身分の差は大きい。僕は無礼がないように、務めなければならない立場なのである。
しかし改めて考えてみると、不思議なものだ。僕はただの平民なのに、エルーズ様とこうして触れ合うことができている。
本来ならそれも恐れ多いことのはずだ。意識するとなんだか、少し体が固まってしまう。
「そうだ。ケリーは将来の目標とかあるのかな?」
「将来の目標、ですか?」
「夢と言い換えてもいいかもしれないけれど……」
「……何か特別なことがあるという訳ではありません。家の農業を継ぐことになるとは思いますけど」
唐突な質問だったため、僕は少し面食らってしまった。夢なんて、エルーズ様は急にどうしたのだろうか。
ただ答えは明確だったため、なんとか返答することはできた。僕の将来は、農家になるはずだ。父も母も、きっとそれを望んでいる。
「農業か……それは僕には少し難しそうかな?」
「え? それはまあ、そうかもしれません。体力は必要ですからね……」
「情けないことだよね。もっと丈夫だったら、良かったんだけど」
エルーズ様の言葉が、僕は少しわからなかった。
公爵家の令息である彼は、農業なんて縁がないはずだ。農業ができないことは、特に問題にならないと思うのだが。
「まあでも、諦めたら駄目だよね。これからも頑張っていけば、もっと健康になれるかもしれない」「それは是非とも頑張ってください。でも、農業なんてエルーズ様には似合いませんよ。だから、それは気にしないでください」
「ううん。僕にとって、それは重要なことだから……」
「重要なこと?」
「ケリーとこれからも一緒にいたいからね」
「エ、エルーズ様、それは一体……」
僕はそこで、言葉を詰まらせることになった。
それはエルーズ様が、すごいことを言っているからだ。僕とこれからも一緒とは一体、どういうことなのだろうか。
それは正直、とても気になる。だって僕とエルーズ様との間には、大きな身分の差があるのだから。
「そのままの意味だよ。これからもよろしくね、ケリー」
「そ、それはもちろんですけど……」
「ふふっ……」
僕の顔を見て、エルーズ様は笑顔を浮かべていた。
その笑顔がどういう意味なのか、僕にはわからない。ただエルーズ様は本当に嬉しそうで、僕も自然と笑顔になる。
僕は一体いつまで、エルーズ様と一緒にいられるのだろうか。その時間が長ければ良い。僕はそんなことを思った。
エルーズ様もきっと、同じように思ってくれているのだろう。それが僕は、とても嬉しかった。
それならこれから、僕も頑張らなければならないだろう。二人で一緒にいられる未来を思い浮かべながら、僕はエルーズ様との時間を過ごすのだった。
118
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(101件)
あなたにおすすめの小説
【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
22時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
聖女の座を追われた私は田舎で畑を耕すつもりが、辺境伯様に「君は畑担当ね」と強引に任命されました
さくら
恋愛
王都で“聖女”として人々を癒やし続けてきたリーネ。だが「加護が弱まった」と政争の口実にされ、無慈悲に追放されてしまう。行き場を失った彼女が選んだのは、幼い頃からの夢――のんびり畑を耕す暮らしだった。
ところが辺境の村にたどり着いた途端、無骨で豪胆な領主・辺境伯に「君は畑担当だ」と強引に任命されてしまう。荒れ果てた土地、困窮する領民たち、そして王都から伸びる陰謀の影。追放されたはずの聖女は、鍬を握り、祈りを土に注ぐことで再び人々に希望を芽吹かせていく。
「畑担当の聖女さま」と呼ばれながら笑顔を取り戻していくリーネ。そして彼女を真っ直ぐに支える辺境伯との距離も、少しずつ近づいて……?
畑から始まるスローライフと、不器用な辺境伯との恋。追放された聖女が見つけた本当の居場所は、王都の玉座ではなく、土と緑と温かな人々に囲まれた辺境の畑だった――。
元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
楠ノ木雫
恋愛
貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?
貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。
けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
告白しないと伝わらないぞ〜(笑)
感想ありがとうございます。
この二人は、しばらくの間こんな感じの関係が続いていくと思います。
ケリーとエリーズ兄ちゃんの後日談見てみたいんですけど│ᐕ) ⁾⁾
ご要望ありがとうございます。
二人の後日談について、検討いたします。
少々お待ちください。
サガードを敵視する幼女(妄想です)。
ルネリア大好きな姪がサガードを敵視してサガードとルネリアの将来に危機が...(ここまで妄想してしまいました。)
感想ありがとうございます。
もしかしたら、そのような感じかもしれません。