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6.横暴への報い
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「貴族というものは、嗅覚に優れていなければならない。それは社交界で生き残るにあたって、最も重要なことだ。それをお前は、わかっていなかったようだな?」
「そ、それは……」
アゼルト殿下は、目の前にいるレシリア様に対して冷たい視線を向けていた。
レシリア様の方はというと、すっかり縮こまってしまっている。第一王子から圧力をかけられたら、流石の彼女も強気に振る舞うことはできないようだ。
「も、申し訳ありませんでした。どうかお許し下さい。私は何も知らなかったのです。その子が王家の血を引いているなんて……」
「……そのことを口にしないでもらおうか」
「あっ……」
アゼルト殿下の言葉に、レシリア様は怯んでいた。
嬉々として私を嬲っていた令嬢は、見る影もない。怯え切ったその様は、少し哀れに思えた。
しかし私は、彼女を許すつもりはない。セディルスさんのこともあるし、私自身の未来のためにも生半可な対応はしないつもりだ。
「それからお前は、一つ勘違いをしているな。お前がやったことは、メルフィナに対して行ったから問題という訳ではない。誰に対してであっても、許されないことだ。使用人をどのように扱っても良いと考えているようだが、それは間違いとしか言いようがない」
「わ、私は別に……」
「ランカール侯爵家の使用人達からも、既に話は聞いている。どうやらお前は、随分と横暴だったようだな。はっきり言って、反吐が出る」
心底軽蔑したのか、アゼルト殿下は深くため息をついた。
諸々を伝えた時に聞かされたことだが、貴族の中にはレシリア様のように横暴を働く者も少なくないらしい。使用人に対して何をしても良いと、考えている者がいるそうなのだ。
それはなんとも、ひどい話である。王家もそう認識しているらしく、そういった貴族の意識の是正には積極的であるようだ。
「この私を売るなんて……」
「まだ吠えるか。しかし、お前のその横暴ももう終わりだ。ランカール侯爵家は、お前の追放を決めた」
「……え?」
レシリア様は、そこで目を丸めていた。
この期に及んで、まだ彼女は自分が貴族でいられると思っていたようだ。しかし既に、決定はなされている。ランカール侯爵家は、レシリア様を切り捨てる決断をしたのだ。
「そんな、私が見捨てられるなんて……」
「何を言った所で、もう終わりだ。お前は横暴に振る舞い過ぎたのだ。しっかりと噛みしめることだな。自らの過ちを……」
ゆっくりと立ち上がったアゼルト殿下は、意気消沈しているレシリア様を見下していた。
それから彼は、部屋の出入り口に向かった。私はそれに追従する。
とりあえずこれで、降りかかってきた火の粉は払えたということだろう。最早レシリア様には、こちらに手出しする権力も気力も、残っていないはずだ。
「そ、それは……」
アゼルト殿下は、目の前にいるレシリア様に対して冷たい視線を向けていた。
レシリア様の方はというと、すっかり縮こまってしまっている。第一王子から圧力をかけられたら、流石の彼女も強気に振る舞うことはできないようだ。
「も、申し訳ありませんでした。どうかお許し下さい。私は何も知らなかったのです。その子が王家の血を引いているなんて……」
「……そのことを口にしないでもらおうか」
「あっ……」
アゼルト殿下の言葉に、レシリア様は怯んでいた。
嬉々として私を嬲っていた令嬢は、見る影もない。怯え切ったその様は、少し哀れに思えた。
しかし私は、彼女を許すつもりはない。セディルスさんのこともあるし、私自身の未来のためにも生半可な対応はしないつもりだ。
「それからお前は、一つ勘違いをしているな。お前がやったことは、メルフィナに対して行ったから問題という訳ではない。誰に対してであっても、許されないことだ。使用人をどのように扱っても良いと考えているようだが、それは間違いとしか言いようがない」
「わ、私は別に……」
「ランカール侯爵家の使用人達からも、既に話は聞いている。どうやらお前は、随分と横暴だったようだな。はっきり言って、反吐が出る」
心底軽蔑したのか、アゼルト殿下は深くため息をついた。
諸々を伝えた時に聞かされたことだが、貴族の中にはレシリア様のように横暴を働く者も少なくないらしい。使用人に対して何をしても良いと、考えている者がいるそうなのだ。
それはなんとも、ひどい話である。王家もそう認識しているらしく、そういった貴族の意識の是正には積極的であるようだ。
「この私を売るなんて……」
「まだ吠えるか。しかし、お前のその横暴ももう終わりだ。ランカール侯爵家は、お前の追放を決めた」
「……え?」
レシリア様は、そこで目を丸めていた。
この期に及んで、まだ彼女は自分が貴族でいられると思っていたようだ。しかし既に、決定はなされている。ランカール侯爵家は、レシリア様を切り捨てる決断をしたのだ。
「そんな、私が見捨てられるなんて……」
「何を言った所で、もう終わりだ。お前は横暴に振る舞い過ぎたのだ。しっかりと噛みしめることだな。自らの過ちを……」
ゆっくりと立ち上がったアゼルト殿下は、意気消沈しているレシリア様を見下していた。
それから彼は、部屋の出入り口に向かった。私はそれに追従する。
とりあえずこれで、降りかかってきた火の粉は払えたということだろう。最早レシリア様には、こちらに手出しする権力も気力も、残っていないはずだ。
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