熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。

木山楽斗

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 私は、ウルグスとゼラーム様とともに、ある場所まで来ていた。
 ここは、ゼラーム様が用意した会場だ。今日は、これからこの会場である催しが行われる。一応関係があるので、私達もここに来たのだ。

「これは、一体なんなのかしら……?」
「さあ、まったくわかりませんわ」
「もしかして……」

 会場の中には、複数人の女性がいる。彼女達は、ゼラーム様が集めた人達だ。
 その女性達には、ある共通点がある。それは、ある男に騙されていたということだ。

「これは……」

 その騙した張本人も、この会場まで来ていた。
 その人物とは、もちろんブレギム様である。この会合は、彼とその浮気相手達を会わせるための会合なのだ。
 当然のことながら、ブレギム様の来訪に女性達は驚いている。だが、まだ多くの人達はここに集められた理由に気づいていないようだ。

「さて、ブレギムさんよ? あんた、何故ここに連れてこられたかわかっているかい?」
「ぐっ……」

 ゼラーム様は、ブレギム様の前に立って笑っていた。
 その笑みは、まるで悪人の笑みだ。いや、実際に悪人なのかもしれない。彼がやろうとしていることは、結構ひどいことだ。
 最も、私はブレギム様には同情していない。自業自得だし、迷惑もかけられたので、そんな感情は湧いてこないのだ。

 言葉を受けたブレギム様は、とても焦っている。
 会場にいる女性達を見て、何故集められたか理解したのだろう。

「さて、皆様方、ここにいるブレギム様は、あなた達と関係を持っていました。その高い地位と権力をかざして近づき、あなた達を惑わしたのです」

 ゼラーム様は、続いて会場の人々に言葉を放った。
 ブレギム様は、ここにいる女性達と関係を持っていた。自分より下の地位の者達に対して、言葉巧みに口説き落としたそうだ。
 貴族にとっても、平民にとっても、身分が上の相手と結ばれることは非常に魅力的である。特に、貴族からしてみれば、ブレギム様の妻になれるというのは、家のためにもなることだ。その誘惑に負けてしまうことも、仕方ないといえるだろう。

「ブレギム様、それはどういうことですか?」
「い、いや……」
「私を妻にしてくださると言っていたではありませんか?」
「違うんだ。本当に、これは誤解で……」

 ゼラーム様の言葉を受けて、女性達はブレギム様に詰め寄った。
 その様子を見ていると、彼があまり信用されていなかったことがわかる。ゼラーム様の言葉だけで、すぐに詰め寄ったからだ。
 考えてみれば、妹のイルーアでもわかったのだから、浮気しているかもしれないという疑念は誰しも抱えていたのだろう。だから、こんなにもすぐに詰め寄られているのだ。
 こうして、諸悪の根源は女性達の相手をせざるを得なくなった。後は、彼女達に任せていればいいだろう。
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