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46.疑惑の人物
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「リオーブ様、何か犯人に心当たりがあるのですか?」
「いや……あんた達は、俺の姉貴の事件とこの学園で起きている事件、それらは共通の犯人が起こした事件と思うか?」
「え? それは……」
私の質問に、リオーブは質問を返してきた。それは、根本的な質問である。
「魂奪取魔法を使える人物は、そう多くないでしょう。かなり高度な魔法のようですから、共通の犯人と考えるべきなのではないでしょうか」
「そうか……」
メルティナの答えに、リオーブは暗い顔をした。彼にとってその答えは望ましいものではなかったようだ。
リオーブは、考えるような顔をしている。彼の中でも、犯人が誰であるかは、まだ確定してはいないようだ。
「……あんた達は、さっき魔法の実技の授業での四人組は、あまり重要ではないと言っていたな?」
「え? あ、はい……」
「だが、今の話を聞いて、俺はもしかしたら、それがとても重要なことなのかもしれないと、そう思ったんだ。俺の姉貴の魂を奪えて、この学校にも通っている人物……あまり考えたくないことだが……」
リオーブは、私達が出した結論に対して、そのように言ってきた。
あの魔法の授業内でなら、誰でもレフェイラに魔法をかけられるはずだ。だから、授業中の四人組は重要ではない。そんな私達の考えは、リオーブからすれば違うようである。
「リオーブ様、一体何を考えているのですか?」
「メルティナ、時が巻き戻る前、俺の婚約者は誰だった?」
「え? それは……まさか」
「どうやら、変わっていないようだな。それなら、益々俺は疑念を深めなければならない。俺達は、あの授業の時、レフェイラと同じ四人組だった。それが偶然だとは思えない」
リオーブは、悲しそうにそう呟いた。二人の会話で、私も彼が誰を黒幕だと考えたのか理解する。
「まさか、ファルーシャ様が?」
「……彼女なら、婚約者だったファルーシャなら、姉貴にも近づけたはずだ」
「そんな……」
リオーブの考えた結論は、納得したくないものだった。あのファルーシャが黒幕、そんなことがあるのだろうか。
彼女は、優しい女性だったはずだ。そんな彼女に裏の一面があるというのだろうか。
だが、リオーブの言っていることが理解できない訳ではない。リリシアにもレフェイラにも関われる人物。それに、ファルーシャは該当しているのだ。
「……アルフィア様、覚えていますか? レフェイラ様を発見した時のことを……いえ、正確には、発見する直前のことを」
「発見する直前……あ」
メルティナに言われて、私は思い出した。そういえば、レフェイラを追いかける途中、私達は彼女に会っていたのだ。
別に、廊下で知り合いと会うことなんて珍しいことではない。だが、あの状況で会ったというのは、リオーブの考えを裏付けるものになる。
「……そうだわ。彼女、入学式の前に……」
「……何かあったのですか?」
「彼女、あなたのことを私に話してきたのよ。特別な才能を持っているだとか、一部の貴族が敵愾心を持っているだとか。今思えば、それは私を煽っているような感じだったような気がするわ」
そこで、私は入学式の前のやり取りを思い出していた。あの時、彼女はメルティナのことを唐突に話してきた。今思えば、あれは少し変だった気がする。
メルティナのことをすごいと言い、一部の貴族は、自分達の地位が脅かされると恐れていると言っていた。思い返してみればみる程、あの時の彼女は私を煽っていたかのように思えてしまう。
私を扇動して、メルティナを虐めさせようとしていた。あの時の言葉は、そういうことだったのだろうか。
「……この結論が、間違ってくれているといいんだが」
「リオーブ様……」
様々な事柄が、ファルーシャを黒幕だと示していた。だが、それはできれば信じたくないことである。
あのファルーシャが黒幕。本当に、そうなのだろうか。
「いや……あんた達は、俺の姉貴の事件とこの学園で起きている事件、それらは共通の犯人が起こした事件と思うか?」
「え? それは……」
私の質問に、リオーブは質問を返してきた。それは、根本的な質問である。
「魂奪取魔法を使える人物は、そう多くないでしょう。かなり高度な魔法のようですから、共通の犯人と考えるべきなのではないでしょうか」
「そうか……」
メルティナの答えに、リオーブは暗い顔をした。彼にとってその答えは望ましいものではなかったようだ。
リオーブは、考えるような顔をしている。彼の中でも、犯人が誰であるかは、まだ確定してはいないようだ。
「……あんた達は、さっき魔法の実技の授業での四人組は、あまり重要ではないと言っていたな?」
「え? あ、はい……」
「だが、今の話を聞いて、俺はもしかしたら、それがとても重要なことなのかもしれないと、そう思ったんだ。俺の姉貴の魂を奪えて、この学校にも通っている人物……あまり考えたくないことだが……」
リオーブは、私達が出した結論に対して、そのように言ってきた。
あの魔法の授業内でなら、誰でもレフェイラに魔法をかけられるはずだ。だから、授業中の四人組は重要ではない。そんな私達の考えは、リオーブからすれば違うようである。
「リオーブ様、一体何を考えているのですか?」
「メルティナ、時が巻き戻る前、俺の婚約者は誰だった?」
「え? それは……まさか」
「どうやら、変わっていないようだな。それなら、益々俺は疑念を深めなければならない。俺達は、あの授業の時、レフェイラと同じ四人組だった。それが偶然だとは思えない」
リオーブは、悲しそうにそう呟いた。二人の会話で、私も彼が誰を黒幕だと考えたのか理解する。
「まさか、ファルーシャ様が?」
「……彼女なら、婚約者だったファルーシャなら、姉貴にも近づけたはずだ」
「そんな……」
リオーブの考えた結論は、納得したくないものだった。あのファルーシャが黒幕、そんなことがあるのだろうか。
彼女は、優しい女性だったはずだ。そんな彼女に裏の一面があるというのだろうか。
だが、リオーブの言っていることが理解できない訳ではない。リリシアにもレフェイラにも関われる人物。それに、ファルーシャは該当しているのだ。
「……アルフィア様、覚えていますか? レフェイラ様を発見した時のことを……いえ、正確には、発見する直前のことを」
「発見する直前……あ」
メルティナに言われて、私は思い出した。そういえば、レフェイラを追いかける途中、私達は彼女に会っていたのだ。
別に、廊下で知り合いと会うことなんて珍しいことではない。だが、あの状況で会ったというのは、リオーブの考えを裏付けるものになる。
「……そうだわ。彼女、入学式の前に……」
「……何かあったのですか?」
「彼女、あなたのことを私に話してきたのよ。特別な才能を持っているだとか、一部の貴族が敵愾心を持っているだとか。今思えば、それは私を煽っているような感じだったような気がするわ」
そこで、私は入学式の前のやり取りを思い出していた。あの時、彼女はメルティナのことを唐突に話してきた。今思えば、あれは少し変だった気がする。
メルティナのことをすごいと言い、一部の貴族は、自分達の地位が脅かされると恐れていると言っていた。思い返してみればみる程、あの時の彼女は私を煽っていたかのように思えてしまう。
私を扇動して、メルティナを虐めさせようとしていた。あの時の言葉は、そういうことだったのだろうか。
「……この結論が、間違ってくれているといいんだが」
「リオーブ様……」
様々な事柄が、ファルーシャを黒幕だと示していた。だが、それはできれば信じたくないことである。
あのファルーシャが黒幕。本当に、そうなのだろうか。
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