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第8話 三つ子の誰かと
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婚約破棄してから数日後、私は弟達とともにお父様に呼び出されていた。
なんでも、話したいことがあるらしいのだ。
恐らく、私の婚約に関係することだろう。もしかしたら、何か決まったのかもしれない。
「さて、お前達を呼び出したのは、アルムナの婚約に関することで、一つ方針を決定したからだ」
「方針を決定したから? なんだか、変な言い回しですね」
お父様の言葉に、私は違和感を覚えた。
私の婚約に関することが、方針が決定したならわかる。だが、方針を決定したという言葉は少しおかしい気がするのだ。
普通、婚約というものは、家同士が話し合って決める。しかし、今の言葉では、お父様だけで決定したかのように聞こえるのだ。
「婚約破棄したことによって、アルムナの婚約はかなり難しいものになった。よって、彼女はこのメルスード家にいてもらうことにした」
「いてもらう?」
「このメルスード家の当主の妻として、この家に留まってもらうのだ」
「なっ……」
お父様の言葉に、私も弟達も驚いた。
まさか、そのようなことになるとは思ってもいなかったからだ。
私が、弟達の内の誰かの妻になる。そのようなことが、あっていいのだろうか。
「ほ、本気ですか? お父様……」
「ああ、何か問題でもあるか? お前と息子達は、いとこだ。この国の法的にも問題はないだろう?」
「まあ、そうなのですが……」
私と弟達が結婚するというのは、法的には問題はない。
なぜなら、私達はいとこであるからだ。
私の本当の両親は、目の前にいるお父様の弟とその妻である。母は、私が生まれてすぐに、父は数年前にあった大戦によって、それぞれ亡くなってしまったため、私は今のお父様に引き取られたのだ。
「でも、心情的には色々と複雑です。私達は、普通の姉弟として育ってきたのですよ? 今更、結婚だなんて……」
「嫌だということか?」
「え? まあ、百歩譲って私はいいですけど、三人が嫌だと思います」
お父様の言葉に、私は少し微妙な反応しかできなかった。
よく考えてみると、そんなに嫌でもなかったからである。
婚約というものは、自分で決められるものではない。よって、よく知らない人と結ばれるものである。
そういう人物と結ばれるよりも、弟達の誰かと結ばれる方が幸せな気がしてしまった。お互いによく知っているので、絶対に上手くいくと思ってしまったのだ。
それは、スルーガ様のことが念頭にあるからかもしれない。ああいう人だったらどうしよう。そういう不安があるから、弟達の方がいいと思ってしまうのかもしれない。
しかし、それは私の考えである。
弟達は、姉と結ばれるのは嫌なはずだ。仲は悪くないが、普通に考えるとそのはずである。
「私は、構いませんよ」
「俺も、別にどうでもいいな」
「僕は、大丈夫だよ」
「あれ?」
そう思っていたが、意外にも三人はこの提案に好意的だった。
よくわからないが、私の認識は間違っているようだ。
「三人は、大丈夫なようだな……さて、アルムナ、お前はどうだ?」
「え? まあ、三人がいいなら、別にそれで構いませんけど……」
「そうか、それならば、とりあえず、次の当主がアルムナを妻とするということで話を進めよう」
三人が平気なら、私も特に断る理由はなかった。
という訳で、私は弟の妻になることが決定したのである。
なんでも、話したいことがあるらしいのだ。
恐らく、私の婚約に関係することだろう。もしかしたら、何か決まったのかもしれない。
「さて、お前達を呼び出したのは、アルムナの婚約に関することで、一つ方針を決定したからだ」
「方針を決定したから? なんだか、変な言い回しですね」
お父様の言葉に、私は違和感を覚えた。
私の婚約に関することが、方針が決定したならわかる。だが、方針を決定したという言葉は少しおかしい気がするのだ。
普通、婚約というものは、家同士が話し合って決める。しかし、今の言葉では、お父様だけで決定したかのように聞こえるのだ。
「婚約破棄したことによって、アルムナの婚約はかなり難しいものになった。よって、彼女はこのメルスード家にいてもらうことにした」
「いてもらう?」
「このメルスード家の当主の妻として、この家に留まってもらうのだ」
「なっ……」
お父様の言葉に、私も弟達も驚いた。
まさか、そのようなことになるとは思ってもいなかったからだ。
私が、弟達の内の誰かの妻になる。そのようなことが、あっていいのだろうか。
「ほ、本気ですか? お父様……」
「ああ、何か問題でもあるか? お前と息子達は、いとこだ。この国の法的にも問題はないだろう?」
「まあ、そうなのですが……」
私と弟達が結婚するというのは、法的には問題はない。
なぜなら、私達はいとこであるからだ。
私の本当の両親は、目の前にいるお父様の弟とその妻である。母は、私が生まれてすぐに、父は数年前にあった大戦によって、それぞれ亡くなってしまったため、私は今のお父様に引き取られたのだ。
「でも、心情的には色々と複雑です。私達は、普通の姉弟として育ってきたのですよ? 今更、結婚だなんて……」
「嫌だということか?」
「え? まあ、百歩譲って私はいいですけど、三人が嫌だと思います」
お父様の言葉に、私は少し微妙な反応しかできなかった。
よく考えてみると、そんなに嫌でもなかったからである。
婚約というものは、自分で決められるものではない。よって、よく知らない人と結ばれるものである。
そういう人物と結ばれるよりも、弟達の誰かと結ばれる方が幸せな気がしてしまった。お互いによく知っているので、絶対に上手くいくと思ってしまったのだ。
それは、スルーガ様のことが念頭にあるからかもしれない。ああいう人だったらどうしよう。そういう不安があるから、弟達の方がいいと思ってしまうのかもしれない。
しかし、それは私の考えである。
弟達は、姉と結ばれるのは嫌なはずだ。仲は悪くないが、普通に考えるとそのはずである。
「私は、構いませんよ」
「俺も、別にどうでもいいな」
「僕は、大丈夫だよ」
「あれ?」
そう思っていたが、意外にも三人はこの提案に好意的だった。
よくわからないが、私の認識は間違っているようだ。
「三人は、大丈夫なようだな……さて、アルムナ、お前はどうだ?」
「え? まあ、三人がいいなら、別にそれで構いませんけど……」
「そうか、それならば、とりあえず、次の当主がアルムナを妻とするということで話を進めよう」
三人が平気なら、私も特に断る理由はなかった。
という訳で、私は弟の妻になることが決定したのである。
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