心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。

木山楽斗

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 私は、ロウィードに告白した。
 その告白に、彼は応えてくれた。
 元々わかっていたことだが、私達は両想いだったのである。
 長年の思いは、やっと実ったのだ。ここまで、本当に長かった。だが、無事に私は彼と結ばれることができたのである。

「俺達、両想いだったんだな……」
(まさか、両想いだったとはな……」
「え、ええ……」

 ロウィードは、私の思いをまったくわかっていなかった。
 知っていたことであるのだが、改めてその事実には驚きである。
 私は、それなりに露骨な態度で接してきたつもりだ。それなのに、何も気づかなかった彼は、かなり鈍感なのではないだろうか。
 最も、それは私が心の声が聞こえるから、そう思うだけなのかもしれない。普通の人の感性はよくわからないので、私が色々と言うのは間違っているだろう。

「お前と出会って、ずっと一緒にいて、これからもずっと一緒にいられるなんて、夢みたいだな……」
(これからも、カルミラと一緒か……嬉しいな)
「ええ、そうね……」

 私達は、ずっと一緒に育ってきた。
 その間に、お互いに思うようになり、こうして結ばれたのだ。
 それは、とても幸福なことである。貴族が愛する相手と結ばれるなど、中々ないことだろう。

 これを成立させられたのは、心の声が聞こえる力のおかげだ。
 この力は、色々と困るものである。だが、役に立つ力でもあるのだ。

 私は、これからもこの力を有用に使っていくつもりである。色々と困らされた分、大いに利益は得させてもらう。
 私にとって、一番の利益とはロウィードと幸せな道を歩んで行くことだ。だから、私はそのためにこの力を使う。

 ロウィードは、とても素直な男だ。
 そんな彼が、貴族社会でひどい目に合ったりしないようにするためには、この力は絶対に役に立つはずである。
 私がいる限り、ロウィードは安泰だ。彼を騙そうとしてくる者など、私にはすぐにわかる。何かあっても、この力で彼を守っていくのだ。

 彼を守ることは、私自身を守ることである。
 ずっと隣にいて欲しい存在を支えることに、全力を尽くす。私は、そう決意するのだった。

「カルミラ、これからもよろしくな」
(よし……これから、楽しい毎日が続きそうだな)
「ええ、よろしく、ロウィード」
「ああ……」
(本当に、可愛いなこいつ……)

 私は、ロウィードにいつもの笑顔を向けた。
 すると、彼は私のことを褒めてくれる。その心の声を聞く度に、私は元気になれるのだ。
 こうして、私は自分が一番欲していた人を、手に入れることができたのだった。
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みんなの感想(10件)

セライア(seraia)

両想いハッピーエンド🎉

もしかして、2人とも初恋❓😆

2021.04.25 木山楽斗

感想ありがとうございます。
初恋だと思います。

解除
セライア(seraia)

さて、心の声が聞こえることを明かさずに婚約しちゃったけど、どうするのかな❓😳
明かさない(一生隠す)方がいい場合も有るけれど。。。😔

2021.04.24 木山楽斗

感想ありがとうございます。
どういう選択をしたのかは、今後明かしていければと思っています。

解除
セライア(seraia)

ロウィ-ド・・・まっすぐすぎるからこそ色々とやらかすんじゃないかと 親戚のおばちゃん気分でハラハラしてしまう💦

2021.04.20 木山楽斗

感想ありがとうございます。
確かに、少し心配な人かもしれません。

解除

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