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7.信じられない主張
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「龍などという存在が、本当にいる訳がないだろう」
私は、王都に巨大な龍が近づいているという主張をした。
しかし、その主張は多くの人から受け入れられなかった。
龍などという存在は、おとぎ話の存在。実際にはあり得ない。その主張に、私の意見は押し潰されてしまうのだ。
「本当なんです。信じてください」
「信じられる根拠が何もないではないか」
「私は、確かにこの目で見たのです。この王都に近づいて来る龍の姿を……」
「残念ながら、そのようなものは監視網も確認していない」
私は、国王様に直談判していた。
だが、彼も他の者達と同じ意見のようだ。
悲しいことではあるが、私だけの意見は信じられないようである。私は、この国で最も強力な魔法使い、聖女であるというのに。
「このままでは、王都は大変なことになります。戦いの準備をしてください」
「……どうやら、お主は疲れているようじゃな」
「そんなことはありません」
「少し休んだらどうじゃ。そうだのう……一週間程、お主には休息する時を与えよう」
「一週間……」
国王様は、私に休暇を言い渡してきた。
私が疲れで幻覚を見ている。暗にそう言いたいのだろう。
しかし、私は正気である。決して疲れている訳ではない。一週間も休んでいる場合ではないのである。
「国王様、このままでは大変なことになります。何か対策をしなければならないのです」
「まさか、お主がそのような世迷いごとをいうようになるとは……」
「世迷いごとではありません……いいえ、例えそう思っていても構いません。せめて、最低限の戦の準備だけは進めておいてください」
「うむ……」
私の言葉は、国王様に届いていないような気がした。
一応返事はしているが、実際に何か対策をする気はない。そのように聞こえるのだ。
龍というものは、空想上の生き物。そんな考えが、国王様の頭の中にはあるのだろう。
だが、だからといって、ここまで信じられないものなのだろうか。私が多大な魔力を持っていることは、国王様も知っているはずなのに。
結局、私の主張は一切受け入れられることはなかった。
誰も、私を信じてはくれなかったのである。
それがどうしたなのか、この時の私には少しわからなかった。
聖女という偉大な地位に就いている私の言葉に、信憑性がない。その状況には、どうにも少しだけ違和感があった。
それがわかったのは、この少し後のことである。
それには、私という人間の森で生まれ育ったという特別な出自が関係していたのだ。
私は、王都に巨大な龍が近づいているという主張をした。
しかし、その主張は多くの人から受け入れられなかった。
龍などという存在は、おとぎ話の存在。実際にはあり得ない。その主張に、私の意見は押し潰されてしまうのだ。
「本当なんです。信じてください」
「信じられる根拠が何もないではないか」
「私は、確かにこの目で見たのです。この王都に近づいて来る龍の姿を……」
「残念ながら、そのようなものは監視網も確認していない」
私は、国王様に直談判していた。
だが、彼も他の者達と同じ意見のようだ。
悲しいことではあるが、私だけの意見は信じられないようである。私は、この国で最も強力な魔法使い、聖女であるというのに。
「このままでは、王都は大変なことになります。戦いの準備をしてください」
「……どうやら、お主は疲れているようじゃな」
「そんなことはありません」
「少し休んだらどうじゃ。そうだのう……一週間程、お主には休息する時を与えよう」
「一週間……」
国王様は、私に休暇を言い渡してきた。
私が疲れで幻覚を見ている。暗にそう言いたいのだろう。
しかし、私は正気である。決して疲れている訳ではない。一週間も休んでいる場合ではないのである。
「国王様、このままでは大変なことになります。何か対策をしなければならないのです」
「まさか、お主がそのような世迷いごとをいうようになるとは……」
「世迷いごとではありません……いいえ、例えそう思っていても構いません。せめて、最低限の戦の準備だけは進めておいてください」
「うむ……」
私の言葉は、国王様に届いていないような気がした。
一応返事はしているが、実際に何か対策をする気はない。そのように聞こえるのだ。
龍というものは、空想上の生き物。そんな考えが、国王様の頭の中にはあるのだろう。
だが、だからといって、ここまで信じられないものなのだろうか。私が多大な魔力を持っていることは、国王様も知っているはずなのに。
結局、私の主張は一切受け入れられることはなかった。
誰も、私を信じてはくれなかったのである。
それがどうしたなのか、この時の私には少しわからなかった。
聖女という偉大な地位に就いている私の言葉に、信憑性がない。その状況には、どうにも少しだけ違和感があった。
それがわかったのは、この少し後のことである。
それには、私という人間の森で生まれ育ったという特別な出自が関係していたのだ。
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