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「財政難ですか。それは、なんとも世知辛い話ですね」
「というよりも、お母様やお兄様やお姉様などの浪費癖が原因のようですけど……」
「見栄を張るのは貴族や王族の駄目な所ですね。身の丈にあった生活というものを心掛けなければならないというのに……」
ゼルーグ殿下は、アルファンド伯爵家の杜撰な資金体制に憤りを覚えているようだった。
それはきっと、王族としての誇りがあるからなのだろう。私にはそういったものがないため、彼らには呆れているだけだったので、少し驚きである。
「しかしながら、あなたが放り出されるというのは、正直こちらとしては都合がいいですね……」
「都合がいい? 何故ですか?」
「放り出された人をどうしようとも、僕の勝手でしょう?」
「……ああ」
ゼルーグ殿下の言葉に、私は理解した。確かに、私がここを追い出されるということは、アルファンド伯爵家と関わりがなくなるということである。
もしも私が残ったまま彼と婚約を交わせば、きっとお母様達は資金の援助を頼んだだろう。私を急に連れて行こうとしている彼は、それに従わざるを得なかったかもしれない。
当然、私はゼルーグ殿下にこのアルファンド伯爵家の負債を払わせたいとは思っていない。もちろん、彼も払いたいとは思わないだろう。
それなら、私が追い出されるというのはいいのかもしれない。ただ、同時に駄目な部分も思いつく。
「追い出された私を妻に迎えるというのは、難しいのではありませんか?」
「そうでもありません。オルフェノン王国の王族は寛大ですからね」
「寛大?」
「政略結婚というのは、あまりないのです。相手は自分で見つけるという方針で……もっとも、血筋はそれなりに関係します。平民を妻にするのは難しいでしょう。ですが、あなたならその点に関しては問題ない」
「まあ、私は確かに伯爵の血を継いでいる訳ですからね……」
オルフェノン王国の王族のことは今までよく知らなかったが、随分と寛大な人達であるらしい。
婚約のこともそうだが、ゼルーグ殿下を一員として認めているというのも私にそう思わせる要因の一つだ。
いや、もしかして前の国王が女性関係で苦労したため、そういう風な慣習になったのだろうか。
「とはいえ、問題はあなたが僕の手を取ってくれるかどうかということになりますが……」
「……それはもちろん取りたいと思っています。まだお会いして数時間しか経っていませんが、私はあなたのような人の妻になれるなら、幸せだと思っていますから」
「そうですか……ありがとうございます。僕も同じ気持ちです」
「え?」
「あなたとなら良き関係が築けそうだと思いました。これは誤算です。失礼ながら僕は、あなたのことを少し侮っていましたから……」
ゼルーグ殿下は、笑顔を見せてくれた。
どうやら、この短い間に私達は通じ合うことができたようだ。
それは、とても嬉しい。彼のような人間が手を差し伸べてくれたこと、それは私の人生にとって最も幸福なことなのかもしれない。
「というよりも、お母様やお兄様やお姉様などの浪費癖が原因のようですけど……」
「見栄を張るのは貴族や王族の駄目な所ですね。身の丈にあった生活というものを心掛けなければならないというのに……」
ゼルーグ殿下は、アルファンド伯爵家の杜撰な資金体制に憤りを覚えているようだった。
それはきっと、王族としての誇りがあるからなのだろう。私にはそういったものがないため、彼らには呆れているだけだったので、少し驚きである。
「しかしながら、あなたが放り出されるというのは、正直こちらとしては都合がいいですね……」
「都合がいい? 何故ですか?」
「放り出された人をどうしようとも、僕の勝手でしょう?」
「……ああ」
ゼルーグ殿下の言葉に、私は理解した。確かに、私がここを追い出されるということは、アルファンド伯爵家と関わりがなくなるということである。
もしも私が残ったまま彼と婚約を交わせば、きっとお母様達は資金の援助を頼んだだろう。私を急に連れて行こうとしている彼は、それに従わざるを得なかったかもしれない。
当然、私はゼルーグ殿下にこのアルファンド伯爵家の負債を払わせたいとは思っていない。もちろん、彼も払いたいとは思わないだろう。
それなら、私が追い出されるというのはいいのかもしれない。ただ、同時に駄目な部分も思いつく。
「追い出された私を妻に迎えるというのは、難しいのではありませんか?」
「そうでもありません。オルフェノン王国の王族は寛大ですからね」
「寛大?」
「政略結婚というのは、あまりないのです。相手は自分で見つけるという方針で……もっとも、血筋はそれなりに関係します。平民を妻にするのは難しいでしょう。ですが、あなたならその点に関しては問題ない」
「まあ、私は確かに伯爵の血を継いでいる訳ですからね……」
オルフェノン王国の王族のことは今までよく知らなかったが、随分と寛大な人達であるらしい。
婚約のこともそうだが、ゼルーグ殿下を一員として認めているというのも私にそう思わせる要因の一つだ。
いや、もしかして前の国王が女性関係で苦労したため、そういう風な慣習になったのだろうか。
「とはいえ、問題はあなたが僕の手を取ってくれるかどうかということになりますが……」
「……それはもちろん取りたいと思っています。まだお会いして数時間しか経っていませんが、私はあなたのような人の妻になれるなら、幸せだと思っていますから」
「そうですか……ありがとうございます。僕も同じ気持ちです」
「え?」
「あなたとなら良き関係が築けそうだと思いました。これは誤算です。失礼ながら僕は、あなたのことを少し侮っていましたから……」
ゼルーグ殿下は、笑顔を見せてくれた。
どうやら、この短い間に私達は通じ合うことができたようだ。
それは、とても嬉しい。彼のような人間が手を差し伸べてくれたこと、それは私の人生にとって最も幸福なことなのかもしれない。
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