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8.婚約者との対面
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私がクレイド様と会うことになったのは、婚約が決まってからすぐのことだった。
彼の顔も性格も私は知っている。ただ、子供の頃の姿は見たことがない。
という訳で、少し楽しみではあった。彼が、どのような感じなのか。ゲームをプレイした一人として気になっていたのである。
「……あなたが、エルミナ嬢なのですね?」
「ええ、私がエルミナです」
クレイド様は、とても可愛らしい見た目をしていた。
整った顔立ちであるということはわかっていたことだ。ただ、幼さが残っているからか、ゲーム中とはまた違った印象を受ける。
「知っているかもしれませんが、自己紹介しておきましょうか。僕の名前は、クレイド・レヴラント。この国の第三王子です」
「はい……」
クレイド様は、そう言って私に笑顔を向けてくれた。
その笑顔は、とても爽やかだ。彼の優しい笑みに、私はとりあえず安心する。
当然のことではあるが、彼も最初から敵意があった訳ではないらしい。
エルミナのひどい態度を見て、段々とゲームのような態度になったということなのだろう。
それなら、滅多なことをしなければ大丈夫そうだ。彼とは、普通の婚約関係を結べるだろう。
「さて、僕達の婚約が決まった訳ですが、正直言ってこういう時にどうすればいいのかというのが、僕にはよくわからないのです。情けない話ではあるのですが、どのような話をしましょうか?」
「え、えっと、そうですね……まあ、まずはお互いのことを知るということで、いいのではないでしょうか?」
「なるほど……確かに、それは良さそうですね」
正直な話、私もこういう時にどういう話をすればいいのかなんてわからない。
親が自分の結婚相手を決める。それは、前世の記憶にはない文化だ。
そういう人もいるにはいたみたいだが、少なくとも私に馴染みはない。
だが、お互いのことを話して損はないはずだ。
将来、私達は結婚することになるのだから、それは必要なことだろう。
もっとも、私達が将来本当に結婚するのかどうかは怪しい所だ。
何が起こるかわからない。ゲームのことを思うと、そう考えてしまう。
「それなら、まずは趣味でも話しましょうか。僕は、読書などが好きですね……ああ、後剣術の稽古も好きです」
「なるほど……インドアもアウトドアも好きなんですね?」
「言われてみれば、そうですね。部屋の中でゆっくりするのも、外で体を動かすのも好きですよ」
クレイド様は、私にそのように言ってきた。
こうして、私達はしばらくお互いについて話し合うのだった。
彼の顔も性格も私は知っている。ただ、子供の頃の姿は見たことがない。
という訳で、少し楽しみではあった。彼が、どのような感じなのか。ゲームをプレイした一人として気になっていたのである。
「……あなたが、エルミナ嬢なのですね?」
「ええ、私がエルミナです」
クレイド様は、とても可愛らしい見た目をしていた。
整った顔立ちであるということはわかっていたことだ。ただ、幼さが残っているからか、ゲーム中とはまた違った印象を受ける。
「知っているかもしれませんが、自己紹介しておきましょうか。僕の名前は、クレイド・レヴラント。この国の第三王子です」
「はい……」
クレイド様は、そう言って私に笑顔を向けてくれた。
その笑顔は、とても爽やかだ。彼の優しい笑みに、私はとりあえず安心する。
当然のことではあるが、彼も最初から敵意があった訳ではないらしい。
エルミナのひどい態度を見て、段々とゲームのような態度になったということなのだろう。
それなら、滅多なことをしなければ大丈夫そうだ。彼とは、普通の婚約関係を結べるだろう。
「さて、僕達の婚約が決まった訳ですが、正直言ってこういう時にどうすればいいのかというのが、僕にはよくわからないのです。情けない話ではあるのですが、どのような話をしましょうか?」
「え、えっと、そうですね……まあ、まずはお互いのことを知るということで、いいのではないでしょうか?」
「なるほど……確かに、それは良さそうですね」
正直な話、私もこういう時にどういう話をすればいいのかなんてわからない。
親が自分の結婚相手を決める。それは、前世の記憶にはない文化だ。
そういう人もいるにはいたみたいだが、少なくとも私に馴染みはない。
だが、お互いのことを話して損はないはずだ。
将来、私達は結婚することになるのだから、それは必要なことだろう。
もっとも、私達が将来本当に結婚するのかどうかは怪しい所だ。
何が起こるかわからない。ゲームのことを思うと、そう考えてしまう。
「それなら、まずは趣味でも話しましょうか。僕は、読書などが好きですね……ああ、後剣術の稽古も好きです」
「なるほど……インドアもアウトドアも好きなんですね?」
「言われてみれば、そうですね。部屋の中でゆっくりするのも、外で体を動かすのも好きですよ」
クレイド様は、私にそのように言ってきた。
こうして、私達はしばらくお互いについて話し合うのだった。
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