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最終章前編
二章-2
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翌日の昼頃。
やっとの思いでラントンの街へと戻った俺は、まっすぐに宿へと向かった。風呂は駐屯地で汗を拭わせて貰ってるから、まだいいとして。いい加減、着替えたかった……特に下着とか。
足もクタクタだし、なにより徹夜で国境を越えて、潜伏していたから睡眠不足だ。
宿のボロベッドでいいから、ゆっくりと眠りたい。
そんな思いで宿に戻った俺は、先ずクリス嬢の部屋を訊ねた。俺の部屋の鍵を預けてあるのもあるけど、先ずは無事を報告したい。
俺はクリス嬢の部屋をノックしたけど、返事はない。ドアを開ける気配もない。食事で出ているのか、それとも――俺は頭を掻きながら、俺が借りている部屋、つまり隣の部屋のドアノブに手を伸ばした。
ここで待っていてくれる可能性はあるけど。ドアを引きかけて、俺は昔に関わった事件のことを思い出した。
依頼人は、二〇代後半の青年。ちなみに既婚。事件の内容は、少年ギャングから助けて欲しいというものだった。
知り合いの家に青年が匿って貰っている十日間で、俺とガランは少年ギャング団を一掃したんだけど……。
一緒に依頼人の家に帰宅したとき、奥方は別の男と浮気の真っ最中だった。浮気の理由は、旦那を心配しすぎて不安だったから。
今の状況としては、そのときと近いのかもしれない。
宿に残っていたのは、クリス嬢とマーカスさん。二人を信じてはいるけど……ちょっと不安にもなる。
今回のこと、行く前から心配させてたからなぁ……。
宿のドアを開けるだけなのに、情けないけど手が震えてきた。耳を澄ませてみたけど、部屋の中からは、なにも聞こえない。
俺はゆっくりと鍵のかかっていないドアを開けた。
「クリス嬢――います?」
「トト!」
ベッドに腰掛けていたクリス嬢が立ち上がって、俺のところまで駆け寄ってきた。
抱きつく勢いだったので、疲れ切っていた俺はふらつきかけてしまった。
「心配させて、すいません。あと、服は砂まみれなので、くっつくと汚れますよ?」
「……そんなの、構いません」
泣きじゃくりながら、クリス嬢は俺の身体を強く抱きしめた。
彼女の背中に手を回し、俺はなんども謝った。部屋の中に入って、二人で肩を寄せ合っていると、突然に部屋のドアが開いた。
「クリス嬢、もしトトが戻ったら――」
部屋に入ってきたマーカスさんは、俺とクリス嬢を見て目を丸くした。
「トト……いつ戻って?」
「つい今しがたです」
部屋に入ってきたマーカスさんと握手をしてから、俺たちは状況の擦り合わせをすることにした。
スコントラード軍では、戦争の気配は皆無だった。だから、俺は戦争の切っ掛けはブーンティッシュ軍だ。
そんな俺の推測に、マーカスさんは渋い顔をした。
「工作活動といっても……銃撃なんかで可能だと思うのかい?」
「可能でしょうね。工作員を犠牲にすれば。死体を相手の国に送ればいいんですから」
「そんなことまで、すると思ってるのかい?」
「最悪、やるでしょうね。なので、相手の軍には制服を盗まれないよう、気をつけろって言ってあります」
「トト、相手の軍って言ったかい?」
どこか顔を青くしたマーカスさんの頬で、汗が伝った。
どうしたんだろうって思いながら、俺はそっけなく答えた。
「言いましたけど? 軍とは接触できましたからね。戦争が起きるかもってことは、教えてあります。今頃は、警戒してるんじゃないですかね」
「いや、トト? それは、下手をすると国際問題になりかねないんだけど」
「戦争より、国際問題のほうがマシじゃないですか。それに国が動いてくれたら、軍の暴走だって止められるかもしれないですし」
「いや、それは極論だよ。国際問題から、国家紛争になる可能性だってある。迂闊に、火種になるようなことは、相手の国に教えないでくれ」
「でも、一方の国が工作活動をして戦争を引き起こすかもって状況で、相手に無警戒でいろっていうのは危険じゃないですか。ただでさえ、民間人が戦争を止めようっていうんですから、手段なんか選んでられません」
俺の意見を聞いたマーカスさんは、なにかを言いかけたものの、口を閉ざした。
反論が見つからないというより、今はこんな議論は無意味だと思ったらしい。両手を挙げると、力なく頷いた。
「わかった。逆に考えれば、相手国の軍と接触できる切っ掛けになったわけだ。そう考えれば、かなりの進展だよ。しかし、軍隊が君の話に耳を傾けてくれたなんて。一体、どんな魔法を使ったんだい?」
「いやまあ、とっ捕まりましたからね。軍隊に――あ」
最後の「あ」は、クリス嬢やマーカスさんが目を丸くしたのを見た、俺自身の失態に対しての言葉だ。
クリス嬢などは、これだけで半泣きになりかけている。
……うん。これは、拙い。非常に拙い。
俺は咳払いをしてから、服を捲って見せた。
「ほら、拷問とかされてませんから。全然、大丈夫ですよ。カラガンドの街で会った、ゲルドンスさんが、助けてくれましたから」
「いや、トト? それは単に、運が良かっただけじゃないか……」
「ええまあ、そこは反省してます」
「反省で済むと……思ってる……ですの?」
ああ……クリス嬢が泣き出しちゃった。
俺は肩を抱きながら、クリス嬢を宥めた。クリス嬢が落ち着いてきてから、俺は捕まったときの状況を話すことにした。
「兵士の後ろは歩いていましたけど、それだけで捕まったんですよね。それに、今思えば少し準備が良すぎたというか……薬物を仕込ませた吹き矢を使われましたからね」
「吹き矢?」
怪訝な顔をしたマーカスさんが、少し考えた素振りを見せた。
「おかしいね。この世界では、まだ麻酔なんて一般的ではないと思ったが」
「麻酔とは限りませんけどね。たとえば、この前に遭遇したマンティコアが作った、毒の可能性もあります」
〝トト……まさか、エキドアたちが絡んでいると?〟
マンティコアの名を聞いて、ガランが驚いた声をあげた。
マンティコアは、今回の前に関わった、幻獣絡みの事件だ。医者の身体を乗っ取ったマンティコアは、ヤツが造り出した毒で、記憶の消去などの実験をしていたらしい。
そうして造った毒を、軍などに売りさばいていた可能性がある。
「まだ、可能性の話だよ。一般には知られていないだけで、そういう毒が発見された可能性もあるけどね。まあにかく、まるで追跡する者が現れるのを知っていた――そんな配備と装備でしたから。あんなの、俺の想定外ですよ」
「なるほど……」
〝ねえ。それってエキドアが絡んでる可能性もあるんじゃない?〟
マーカスさんと共に行動しているヴォラの声がしたのは、数秒の沈黙が降りたときだった。
未来を視る能力のあるエキドアなら……と思ったけど、なんか制限が多かった気がする。
〝エキドアの力では、彼奴に関わることでない限りトトの接近は難しいだろう〟
〝そーだけどさぁ。ほかに考えられないのよね。直感というかさ〟
直感か……女性の勘は、馬鹿にできないときもあるからなぁ。
ヴォラの意見は、頭の片隅に置いておくことにしよう。
とにかく。
こっちの話は、これで終わりだ。今度は、マーカスさんからの情報や進展具合を知りたい。俺がそのあたりの話を促すと、マーカスさんは部屋に置いてあった街の地図を引き寄せた。
「ジャック商会というところが、軍に食料とかを仕入れているね。店は街の西側にあるけど、倉庫は南側だ」
「なるほど。ありがとうございます。それで、ジャック商会に潜入する手筈は、もう決めてますか?」
「……え?」
「あれ?」
きょとん、としたマーカスさんに、俺はマジで戸惑った。
マーカスさんって、諜報活動が主な仕事じゃなかったっけ? 仕入れ先を突き止めたら、詳細な情報を手に入れるとか、従業員として潜入するとか、そうした段取りは得意だと思ってたんだけど……もしかして、そっち方面は疎かったりするんだろうか?
しかし、俺が呆気にとられていると、マーカスさんもそのことに思い当たったようだ。
「あ……ああ、そうか! すまない、君がスコントラード国に潜入したから、それまでは下手なことをしないほうがいいと思ったから……その、そこまで考えてなかった」
「いやまあ、別に責めてるわけじゃないですから」
とりあえず、これからどうしよう。
昼寝したかったけど、軍が行動を開始する刻限が不明だからな……そんな時間はなさそうだ。
俺はマーカスさんやクリス嬢と、ジャック商会に対する行動を決める話し合いをした。
決まったのは夕方近くになったときなんだけど……結果的に、俺は昼飯を食べ損ねた。
……腹……減った。
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本作を読んで頂き、誠にありがとうございます!
わたなべ ゆたか です。
本編でトトの不安に関することを書いている最中、ずっと「y○utubeの広告にありそうな内容だなー」って思ってました。
なんで、あの広告のストーリーって、あんな感じのヤツしかないんでしょうね?
少しでも楽しんで頂けたら、幸いです。
次回もよろしくお願いします!
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