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最悪のメッセージの話(R18)

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夫を送り出してしまうと、夫の部屋にこっそりと忍び込んだ。

この部屋は夫のさわやかな柑橘の香水と、うっすらと煙草の匂いが香って、さっきかき混ぜられたまだ濡れたままのそこがまたむずむずと疼いた。

夫の使っていたであろう部屋の隅に寄せてある布団を広げて、その中に潜り込むと、夫の匂いがより濃密に香った。

「あ、修司さん・・・・・・。」

まだしっかりと潤っているそこに手を伸ばして、昨日夫が優しく舌で撫でてくれたそこを指で撫でると、びりびりと刺激が走った。


夫に無断で部屋に入って、夫の布団で一人慰めていると、物凄くいけないことをしているようで漏らしたように蜜が溢れてくる。

「あ、修司さん。私、あ、ごめんなさい。あ、

あ、だめ。いっちゃう。ああ、ああん・・・・・・。」

夫が指を出し入れしたそこに指を埋めようとしたけれど、恐ろしくなってやめにした。

疼きは全く収まらなくて、早く夫が帰って来てくれないかな、ともどかしかった。

そのあと夫が吐き出したエプロンの汚れを広げて眺めながらもう一回リビングで一人で慰めて、洗濯を済ませた。コロの顔がまともに見られない一日だった。

夫からのメッセージに落胆して洗濯物を取り込むと、コロを抱いてソファに沈む。

早く帰って来て欲しくて、朝は大胆に唇を求めた。

その時押し当てられた夫を思い起こすと、昨日手のひらで感じた熱がありありと思い出される。

かあ、と顔が熱くなり、足元でこちらを不思議そうに見上げているコロを横に呼んだ。

ジムには若くて綺麗な女性がたくさんいるのかもしれないな、と考えて胸の奥が苦くなる。

夫がどこかホテルにでも寄ってから帰って来ても、ジムでもシャワーを浴びて帰ってくるから分からない。

あんなに素敵なんだから。若い女の子たちに誘われても仕方ないと思う。

「ね、コロ。修司さんかっこいいもんね。」

コロは抱き上げられて、肯定するようににゃん、と鳴いた。

夕方の部屋は、昼の暖かさをすっかり引き上げてしまっている。

夕飯の支度をしようと立ち上がった瞬間に、メッセージを告げる通知音が鳴った。

開いた瞬間、どく、と心臓が音を立てて、握っていたスマホは手から滑り落ちてソファへ落下した。

私はコロをソファにおろして、部屋着からパンツに履き替えて、スマホと財布だけを持って家を飛び出した。

足がもつれるように動かなくて、駅までの道のりが永遠に感じた。

電車に乗ってしまってから、父に車を出して貰えばよかった、と後悔した。

「ジムで怪我したから遅くなるかも」のメッセージが、瞼の裏に焼き付いているように頭から離れない。



返事を送って情報を得ようと何度もアプリを開くのに、全く指が思うように動かなくて、関係のないアプリを開いたりと支離滅裂で、どうしようもなくて諦めた。

夫の通っている駅前のジムのある駅でおりると、パトカーと救急車が止まっていて息が止まりそうになった。

はた、と手汗でびっしょりになっているスマホを見る。

「大したことないよ。そんなに遅くはならなそう。」

いつの間にか届いていた追加のメッセージを開いて、

とりあえず息を吐く。
入り口に立っている警察官に事情を説明して入れてもらうと、中はまだ慌ただしさが残っている。

「橅木さんてご家族は?結婚してるのかなあ。」

「さあ、でも不仲なんじゃない?奥さんと良好だったら毎週金曜日にジムなんて来る?週末前よ?」

「そうだよねえ。子供いないって言ってたしね。

橅木さんは若く見えるけど奥さんは年相応な感じかな?おばさん相手じゃ勃たないとか!」

階段下できゃっきゃと話している若い女の子の話につい耳が向いてしまう。

派手な髪の色に、細身の体。露出の多いトレーニングウエアで、二人顔を寄せ合っているのに大きな声で話している。
ふと、鏡張りの柱に写った自分の姿にギョッとした。

乱れた髪、くたびれたベージュのセーター、パッとしないデニム。ひっかけてきた季節外れのサンダル。

もうこのまま帰ってしまいたいような気持ちになったけれど、夫の顔を見るまでは安心できなかった。

まるでおばさんな自分の姿。せめて髪をまとめてきたらよかったな・・・・・・。


室内の案内に倣って階段を上ると、 警官の姿が多くなった。床に数滴血痕が落ちていてびくりとした。

「香織!」


呼ばれた方に顔を向けると、数日前には思い出せなかった公園で見かけたベンチに座った後ろ姿をどこで見たことがある気がしたのか、猛烈に思い出した。

警察に手錠をかけられて、こちらを異様な目つきで見つめてくる男は、学生の時一瞬付き合ってすぐ離れていった男だった。
「豪太くん!?」

「香織、俺とやり直そう!!君と駄目になってから全部駄目になってくんだよ!受験も落ちたし就職もうまくいかないし!旦那の顔はもう傷がついた!俺のところに来い!」

「香織!」

聞き慣れた声にほっとしてそちらに目をやると、頬に大きなガーゼを貼った夫が警察に囲まれている。

「修司さん!」

トレーニングウエアは襟元から胸のあたりまで血で汚れている。

「来ちゃったの?」

「だって、怪我したって・・・・・・。大丈夫なんですか。」

「うん、平気。彼には悪いけど跡も残らないってさ。」

「ほんとに?よかった・・・・・・。」

頬に貼られたガーゼに手を伸ばすと、夫は顔をずらして手のひらにキスしてくれた。

「香織、泣かないで。もう大丈夫だから。」

「うん、よか、よかった・・・・・・。」

広げられた夫の腕の中に収まってきつく抱きしめられると、ふつふつと怒りが湧いてきた。

ぎゅ、と夫を抱きしめて、その居心地の良い腕の中を離れる。

「豪太くん!なんて事してくれたのよ!あんたと別れたのなんて何年前だと思ってるの!

よくも!よくも私の夫に怪我させたわね!

あんたのことなんて、もうすっかり忘れてたわよ!」

ぱん、と警察に囲まれているその男の忌まわしい顔を睨みつけた。

なにを勘違いしているのか、正面までくるとその男は目をキラキラ輝かせてこちらを見た。それを振り払うように平手で頬を打つと、周りの警官が一瞬動揺するのがわかった。



「最低ね、次私の男に手を出したら許さないから。」


項垂れて連れられていく男に吐き捨てると、後ろから優しく
抱きしめられた。

「香織、もういいよ。ありがとう。」

ぎゅう、と力強く抱き込まれると、

ほっとして涙が溢れた。

「ああ泣かないで。」

「修司さん。」

「なに?」

「私、」

「うん。」

向かい合わせに体を後ろに向けられて、顔を覗き込まれる。大きな頬のガーゼが痛々しくて、申し訳なくてどうしようもなかった。

「手が洗いたい。」
「あっはは、うん、洗っておいで。」

夫に案内されて洗面所へ向かおうとしたところで、周囲に人がたくさんいることに気がついた。

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