寝る前数分で読めるちょっとえっちな短編集

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夜道を流れる主導権(セフレ)

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「ねえりゅうちゃん、今日はセックス以外の事したいなあ。」

「ん~?」

もうすっかりシャワーも済ませて、ベッドサイドにコンドームと箱ティッシュを準備していたセフレの手が止まる。

「あ、あ~、なんだ、そういう気分?」

「うん、だめ?」

「別にいいよ、どうしようか、夜中だしなあ、ドライブとかでもいい?」

「えっいいの?どこ行こうか。」

わざとらしくはしゃいだ声を出しても、相手の目に見えてがっかりした態度に虚しくなる。

Tシャツと短パンを着て車の鍵をポケットに入れるセフレを眺めながら私もTシャツとスウェットに着替える。

高速に乗ってサービスエリアでも冷やかそうか、ということになって、助手席でのんびりと暗闇の中流れていく車のライトや深夜営業お店たちを眺めている。

運転席のセフレのテンションは芳しくない。

高速に乗って1番近くのサービスエリアにゆっくりと車が流れて行く。

ここで私の気が済んで家に戻れば、まだセックスする時間はあるよね、という雰囲気が横からじわじわと圧迫してくる。

彼は車を停めて深夜の駐車場に降りた。

「なんか飲む?」

「コーヒーでも飲もうか。」

週末の高速道路の深夜の駐車場にはまったく休みの気配はなくて、大型のトラックからぽろぽろと疲れ果てたドライバーたちが降りてくる。

機嫌が悪いわけじゃなく、明らかに私をもてなす意味を見失っている彼は先に降りてほの明るい自動販売機の前に立って自分の飲み物を選んでいる。

甘いコーヒーを自分で買って、ふたりで外のベンチに並んで座った。夜の駐車場は湿気が軽くまとわりついて来て、程よい喧騒が心地いい。

「来週って忙しい?」

「仕事?」

「うん。」

「ん、ん~?うん、少し忙しくなるかな。」

「そっか、わかった。」

仕事が忙しいは会ってセックスする暇はないという意味だ。

コーヒーで喉を潤すと、私たちは車へ戻った。

ポツポツと停まっている車の隙間を歩きながら、先に歩くセフレのシャツの裾を引く。

「ねえりゅうちゃん。」

「うん?」

なに~?と気のない返事。もうすっかり私のことなんか面倒になってる顔だ。

「ちょっと耳貸して。」

彼が面倒臭そうに身を屈める。
コーヒーと、かすかに煙草の匂い。

「私ね、コンドーム持って来たよ。」

つまらなそうだった顔が、ぱっと明るくなる。

あ~あ、馬鹿みたい。こんな気の引き方。

「ホテル行く?それとも車でしちゃおっか?」

わざわざお金のかからない選択肢まで入れちゃって。

「車でしちゃおうか。」

先を歩いていた彼が私の肩を抱いて、車の後部座席の
扉を開けた。促されるまま車に乗り込むと、彼も一緒に乗り込んで来て、深夜のサービスエリアの駐車場で抱き合った。

Tシャツの裾から少し冷えた彼の手が入り込んでくる。
下着を上にずり上げられて、胸の先を優しく擦るように刺激されて、私が少し息を漏らすと反対の手が背中側から足の間に伸ばされる。下着の際から指を入れて触れられる。

「興奮してる?外でこんなこと。」

「ん、少し興奮してるかも。あと少し緊張してる。」

「俺も興奮して来た。えっちしたくてゴム持って来たの?本当かわいい。」

うんとも違うとも言わずに、ポケットに忍ばせたコンドームを取り出して渡した。

「外から見えないようにしないとね。おっさんにりえちゃんのおっぱい見られちゃう。」

「後ろから入れて。」

彼に呆れているような気でいるくせに、ひどく濡れているのを感じる。

座ったまま短パンをずり下げてコンドームをつけた彼の上に、お尻を寄せる。

そのまま誘導する様に膨らんでいる彼の上に腰を支えて座らされる。

「んっ、あ、入っちゃう。りゅうちゃん、硬い。

あっあっ。」

「は・・・・・・。りえちゃん中すごいよ。あ、あんまもたないかも。こら、そんなに腰振ったら外から見えちゃうよ。」

「や、持ち上げて。ん、ああ・・・・・・、ん。」

彼に軽く持ち上げてもらうと、外からでも角度によっては車窓から私の何もかもが見える筈だ。


「りえちゃん、すけべだ・・・・・・。」

彼は息を荒くしてがくがくと私と自分を揺さぶって果てた。

「見えてないかなあ。」

後始末をして、それぞれ運転席と助手席に移動する。

「恥ずかしいよ。」

さっきの行為中の視線を今更気にする彼に俯きがちにそう返すと、にやにやと得意気な笑顔。

「外でしたくて外に誘ったの?」

「さあ?」

どうだろうね?と窓の外に視線を流すと、りえちゃんはえっちだなあ、と笑いを含んだ声。

「だって刺激のなくなったセフレなんている意味なくない?」


「えっ?・・・・・・え?」

笑いの消えた声で彼が何度も問い返す。

車窓から眺める夜道は行きよりずっと煌めいていて、目が眠気とつまらなさでなんども閉じそうになる。

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