もしも僕がいなくなったら

そらね

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第2章

無常高等学校へ

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 目覚ましの音が鳴り響き、飛び上がる。
「……もう少し…じゃない!」
 今日は一日大変な日。そして大事な日。考えるに考えて、考え過ぎて。
 上手くいくかはわからない。けど、やってみるしかないのだ。
「さて、自分の思い通りにはいかないことを想定しないと」
「もちろん。思い通りにはいかないさ」
「え!?」
「おはよ。愼くん」
 そうだ、ここはカゲの部屋だ。すっかり忘れていた。
「頑張っていってらっしゃい。朝ご飯は、もうできてるみたいだよ。僕はそこら辺を散歩してくるから」
「あ、うん」
「じゃぁ」
 カゲはのんきで気ままでいいないつもと思う。そう、自由にこの世界を駆けまわっている。
 僕もこんな日が来るといいのだが……。
「朝ご飯……って、時間がないっ!」
 気づけば七時五十分。走っても間に合わない。自転車ならギリギリ。車なら間に合う。が、自転車も車もこの宿にはないし、タクシーなんて通ってない。
「まぁ、いっか…」
 無常、無情。遅刻したって、僕以外は何も感じないのだから。普通だったら、みんなからの痛い視線を浴びることになるが、ここは違う。多分……。
 急いで支度をし、宿から飛び出す。そして走る。長い道をひたすら走った。汗を拭いながら。
 そして、どこが自信に満ちた気分で駆けていく。
「僕しか、いないんだよね」
 なぜ僕なのかは未だに知らない。知りたいけど答えがない。正しい答えが見つからない。僕以外の人ではダメだったのだろうかと思うけど、変えなければならない。
「待ってろよ、無常高等学校」 
 僕は空に向かって叫んだ。その声は、遠くまで響いた。

 
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