ないものねだり

相思相愛

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第8話

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数日後、
学校の食堂で俺は平然と昼飯を食べていた。


ガッシャァァン‼

「あ、わりぃわりぃ。秋等あきら君。
匂いがキツすぎてどこにいるかきずかなかったよ。

てか、お前にここの飯食うのは食料の無駄になるんだからさ、せめて残飯処理にてっしてたら?」

辺りに広がる乾いた笑い声。
その中に混じるどよめいた空気。

虫酸がはしる。

「だいたい、どんな大金をはたいてこの学校に入ったんだ。
この学校の恥だっての。
Ωは…」

バン‼‼

「なぁ。うるさいんだけど。
他のみんなは昼御飯を食べてる。
自由に時間を過ごしてもいいが人の自由を奪うような行為は許さないから。

それに…。これから社会に出ようとする人がこんな子供染みたことを。
それこそ社会の恥だとわかれよ。」


辺りは静寂に包まれた。
イライラが達し気づいたときには口に出ていた。

でも俺は何にも間違っていない。
そういう確信がある。

自分がαとして生まれただけで勝負に勝ったように振る舞うような階級カースト。社会

テレビや学校では差別をなくすよう諭すが現実はそんなに甘くない。

現に俺がαだと信じているこの場のみんなもこの有り様だ。
だから静寂になる

もうどうやってもこの世界は変えられないのかもしれないとどうじに俺はおもってしまった。

「ちっ。…るっせぇよ。」

男たちはその場から離れる。

一人、散らかってしまった昼御飯を片付ける男。

俺はしゃがみこみその男と一緒に片付ける。

「あ~、ツマンネェ。」


え?
時間が凍ったように感じた


「え、ごめん今何か言った?」

その問いかけを無視して彼は颯爽と消えていった。


なんて言ったのだろう。
その凍った時間は俺の頭からすっぽりと抜けてしまった。

それにこの匂い。
さっき騒がせた男達が口にせずとも言おうとしてたΩ特有の匂いフェロモンではない。

これは香水だ。
こんなにきつく振ってなんのつもりなんだ。





 
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