魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章2節 狩人の目覚め

1-3,4 (14,15話)

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警察があわただしいころ、魔探偵はどうなっているのだろうか。
忙しそうに小刻こきざみで足を素早く出していく探偵達。
今の時期はかなりの依頼量で1日に数件は担当しなければならない。
なので多くの事件に時間をいているわけにはいかないのだ。
最低でも3日。
長くて1週間かかることもあった。
でも、それでも数をこなしていく。
それもそのはず。
初代と2代目の活躍かつやくのおかげでここまで仕事の量が増えた。
ストーカーをやめてほしくてきたとか彼氏彼女が浮気うわきをしているなど。
些細ささいなことでも対応している。
しかし、この探偵は違った。
3代目魔探偵の自室。
大きい本棚2つにはびっしりと本が並び、窓際には魔探偵専用の椅子と机。自室の真ん中には机とソファが2つだけ。
いたってシンプルな部屋だった。
ガチャガチャと何かをいじるような音が部屋の中に響いた。
知恵の輪。
それで遊んでいる1人の少年がいた。
金城シン。まだ入って半年の新米。
今は研修生扱いとしてされている。他の魔探偵には秘書が1人ずつつくのだが、研修生はいない。
仕事がくるまで待機たいきとなるのだ。
毎日剣の稽古けいこや体力作りにはげむ毎日。
そんな毎日が暇になっていた。


「なんか事件・・・転がってないかな・・・」


くるのはくるが大して大きな事件に担当することはなかった。
犬を探してほしい、迷子になった子供を探してほしい。そればかり3代目に押し付けられていた。
事件に関連するものなんて何1つしてもらえない。
ただの見学で済まされる毎日。
こんなことなら探しに行こうかなんて思う。
しかし、何が起きるかわからないため学校以外は外出が禁止されていた。
大人と子供の差というものはここまであるのか。
納得のいかないものだ。
飽き飽きしていく毎日にくたびれてしまった。
しかし、それが唯一の始まりの事件を呼び寄せるのだった。


路上駐車ろじょうちゅうしゃをする1台の車。
普通の乗用車じょうようしゃのようにも見えるが、この車は西崎の愛車でもある。
白いフォルムが印象的いんしょうてきな車。
しかし、4人乗り。
中は案外狭い。しかし、中はちゃんとした設備せつびをしていた。
カーナビ付きに席の部分を少しいいのにしてもらった。
少々お高いのではと思うが、そんなほどでもない。
助手席で岩城が地図を見ながら目的地を探していた。
カーナビをいじる西崎も苦戦していた。
魔探偵探偵事務所。
この辺にあると思っていたが、カーナビはその周辺にしかささなかった。
地図にも載っていない。
誰に聞いても知らないと言われるばかり。
このままでは捕まってしまう。
罰金どころでは済まされないだろう。


「どこにあるんでしょうね、魔探偵なんて」
「どうせ嘘っぱちに決まってるだろ。こんなのがありますよって言っただけなんじゃないのか。からかいのついでに」


看板もない。周りは何もない。
本当にこんな場所にあるのだろうか。
実はあらかじめ名刺を上司からもらっていた。
その下には電話番号。
すかさず携帯にその番号を打ち込んでかけてみた。
すると、かかった。
1コールでつながった。
警察のものだといい、場所がどこにあるかを聞いた。
区役所のような大きな建物が近くにないかと。
周りを見渡したらあった。しかも、西崎が右に振り返った先に。
失礼したと一礼し、携帯を切った。


「こんな所にあったのか・・・。バカでかい場所だな・・・こりゃ」


魔探偵の敷地内しきちないに入って車を止めた。
車から出た2人はすかさず中に入って案内役に伝えた。
警察のものですが、魔探偵との見聞を聞きにきたと。上司の名前も伝えて確認を取らせた。


「ほんまにすごいですね。まるでアトラクションの一部みたいに広いですわ・・・」
「関心してる場合じゃないだろ。これは事件の一環いっかんで来ているだけだ。岩城、あまりはしゃぐなよ」


確認が取れて案内された2人。
いったいどんな魔探偵に依頼をしたというのだろうか。
部屋の扉が次々とある。
どれだけの敷地しきちがあるというのだろうか。
西崎は歩きながら名刺の方を確認した。
金城清一郎。この人に頼めば解決すると。
上司が見込みこんだ相手はいったいどんな人なのだろうか。
案内が終わり、この部屋で事件のことについて話をすることになった。
3代目魔探偵 自室。
案内は元いた場所に戻っていった。
2人はノックをして入った。
しかし、そこには誰もいない。
冷やかしなのだろうと中に入ろうともせず、扉を閉めたその時だった。


「なんで閉めるのさ。用があってここにきたんでしょ?」


部屋の中から声がした。
しかも、子供の声。
どこにいるのか中に入って探してみた。
すると、真ん中にある机の椅子が後ろになっている。
くるっと椅子が回ると、そこには子供の姿があった。
髪は水色で、目がき通った空色の目。普通の服で対応している人物がいた。


「あの・・・どちらさんで・・・」
「やっと事件か・・・。待ちくたびれた」


席を外して自己紹介をした。
彼の名は・・・金城シン。
3代目の候補生こうほせい
この子供が担当するらしい。


「こ、子供?」
「子供って言うな。そんな言葉聞きたくなかった」


キョトンとした顔でシンを見つめた。
この子供がこの事件を担当するというのか。
ふざけた話だと思い、西崎はシンに怒りを募らせた。


「岩城、帰るぞ。こんなガキに事件内容を教える義務ぎむはない。俺達が聞く相手は金城清一郎だ。この部屋から出て案内に苦情くじょうしにいく」
「えっ?でも、そないなこと・・・イタタッ!!」


耳を引っ張って無理やり連れていこうとする西崎。
苦情の一つや二つあってもいいだろうと、案内した人物のいる場所まで向かった。
でも、それを止めた。この言葉で。


「父さんに頼んでも無駄だよ」


さっきのセリフにふと疑問をもち、シンの方を振り返った。


「どういう意味だ?」
「だって父さん、いや初代が頼んできたんだもん。この事件をやれって」


こんな子供に頼んだといいたいのか。
初代もなめたことをしてくれる。
それに反論はんろんしようと西崎はシンにっかかった。


「こんな子供に任せたといいたいのか、坊主」
「だって仕方ないでしょ。みんな他のことで忙しいっていうんだし。しかも、その事件をするんなら俺にやってみろなんて言うもんだからさ。文句もんくあるなら父さんに言えば?まあ、くつがえることは永遠にないけどね」


生意気なまいきな口を聞くシンの言葉にカチンと頭にくる西崎。
そもそも父さんとは誰のことだ。
もしかして、上司に渡された名刺の金城清一郎の息子なのだろうかと疑問をもつ。
しかし、何を言ってもこの子供にさせるということは余程よほど自信があるのだろう。
1パーセントでもかけてみようと、西崎はこんなことを言った。


「本当にこの事件、解決できるのか?」
「解決できるって言ったらどうするの?」


生意気に口が達者たっしゃな子供だ。
かけてみようじゃないか。
解決できるのなら。
岩城の耳を外してこう言った。


「いいだろう。この事件、坊主に任せてみようじゃないか」


こうしてシンと西崎達のタッグが組まれた瞬間、解決という道に突き進もうとしていた。
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