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1章2節 狩人の目覚め
1-7,8(18,19話)
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警視庁に戻ってきた2人は三課に戻って資料整理をしていた。
まだ魔探偵とのことは話していない。
これでバレずに済めばいいのだが、そうもいかない。
アナウンスで2人は上司に呼び出され、すぐに部屋まで向かい、ノックをして入った。
どうだったかと聞かれては元もない。
正直にすべてのことを話した。
今回担当したのは新米の魔探偵。しかも、子供。
金城清一郎の息子だということも知らせた。
この話をした時点から上司は眉間にしわを寄せていた。
何か手違いがあったのかと思ったが、これまでのいきさつすべてを話した。
「ふざけてんのか!!」
「ふざけてなどいません!今回はまさか子供がやるだなんて知りませんでしたし、本人は別件で手が離せないのなんので・・・」
怒鳴られてしまった。これは当たり前になるが、担当は清一郎のはずだった。
しかし、それを覆し息子にさせるという行為そのものを許しはしなかった。
どんな手段を使っても清一郎にさせろとばかり怒鳴りつけてくる。
当の本人がさせたのだから変えることはもうできない。
かと言って、これで上司が納得いくかなんてわからなかった。
「はぁ・・・。で、意見聞けたの?大したことじゃないだろうから期待しないけどさ」
シンに言われたことを順序に沿って話した。内部と外部は別々で切り刻まれたこと。
包丁の長さ20~30センチぐらいであり、外部を切り刻まれたと推測。
犯行の理由もシンプルに伝え、犯人は世の中に恨みや妬みのある人物だということを伝えた。
そして、内部の傷は別の者がやったのではないかと言っていたことも報告をしていた。
しかも、それは悪魔なのではないかという示唆までつけて。
上司は少し驚いた表情をしていた。
子供だと思っていたが、意外にもちゃんとした答えが帰ってきたことに。
「案外とまとまった答えじゃないか。ちょっとその子供を見直したな。しかし、何だ魔道だぁ?そんなものがいるなんて言っているのか」
「魔探偵の話では・・・そのように言っておりましたけど・・・。本当にいるかどうかは魔探偵が直接会ってみないことには・・・」
どのように言えばいいのだろうか。
本当に上司には伝えたのだが、信用している様子はない。
考えなおそうとしていたみたいだが、答えがまともなこともある。
間違いではないことは事実。
だが、内部の傷をやったのは魔道ですなんてことを信じてはくれない。
実際に見てみなければ誰も知らないし、これも神のみぞ知るということだ。
「まあ、ちゃんとした答えがあることだし、魔探偵の見解はそうであるということにしようか。まあ、次の情報が入るまでは資料整理でもしといて」
まともな答え。雑用係。
これが2人のやる仕事なのだ。
2人は部屋を出て、小声で文句を交わしていた。
「結局はきだまりははきだまりに戻れということだな。雑用には要はありませんってやつか」
「ほんまにそんなふうにしか思てないってことですよね。それやったら駐在してたほうがマシでしたわ。仕事もあったし・・・」
お互いに愚痴をこぼしながら三課に戻って資料整理をしていた。
警視庁で資料整理をしている最中、魔探偵は一段落を迎えていた。
シンは今回の事件のことについて整理をしてみた。
証拠がない状態で、決定的なものすらつかめていない。
資料を1枚もらったが、すべて死体の写真ばかり。
物的な証拠になるものを探しているが、どれも写っていない。
どれもこれも切り刻まれた死体の数ばかり。
犯人につながるものはなにひとつとしてない。
刃先の形、倒れた状況、どれを見比べても同じだった。
「前も後ろも同じ刃物で使って殺害・・・ね。魔道の傷が見当たればな・・・少しは検討つくんだけど」
どの写真も同じ。外傷になるようなものは見当たらない。
特に魔道の傷は直接見てみなければわからない点が多い。
直接見る方法はただ一つ。
あの警察の人達に頼んでみる以外ない。
物的証拠だけでは犯人になるケースは少ない。
今の科学は発展しているためそんな簡単に崩せることないんてない。
100パーセントの確立にしても1パーセントだけでも崩れればあとは簡単なのだが、そこは証拠次第ということになる。
DNA鑑定でも間違いは起こさない。
指紋も血液もいとも簡単に解明できる。
時代とともに進化していく科学。
しかし、犯罪件数0なんて難しい。
必ずしも何かはある。
でも、今回は魔道と繋がっている可能性は十分にある。
確信があるわけではない。あくまで仮説。
それが現実ならだいぶ違うのだろう。
「魔道の傷は他人には見えない。それを利用してもおかしくない。警察もまだ見落としている部分だってあるはず。だったら・・・外部には見えなくて内部では見える・・・。衣類付着があれば間違いなく人間の犯行。しかし、今回はそれが出てきていない。服が刻まれた程度なら衣服の繊維は発見できる。ないとするなら誰がこんなことを・・・」
小言で事件の概要を説明していくシン。
並外れた記憶で事件のことを洗いざらい整理していく。
そんなことを続けているうちに夜になっていた。
まだ魔探偵とのことは話していない。
これでバレずに済めばいいのだが、そうもいかない。
アナウンスで2人は上司に呼び出され、すぐに部屋まで向かい、ノックをして入った。
どうだったかと聞かれては元もない。
正直にすべてのことを話した。
今回担当したのは新米の魔探偵。しかも、子供。
金城清一郎の息子だということも知らせた。
この話をした時点から上司は眉間にしわを寄せていた。
何か手違いがあったのかと思ったが、これまでのいきさつすべてを話した。
「ふざけてんのか!!」
「ふざけてなどいません!今回はまさか子供がやるだなんて知りませんでしたし、本人は別件で手が離せないのなんので・・・」
怒鳴られてしまった。これは当たり前になるが、担当は清一郎のはずだった。
しかし、それを覆し息子にさせるという行為そのものを許しはしなかった。
どんな手段を使っても清一郎にさせろとばかり怒鳴りつけてくる。
当の本人がさせたのだから変えることはもうできない。
かと言って、これで上司が納得いくかなんてわからなかった。
「はぁ・・・。で、意見聞けたの?大したことじゃないだろうから期待しないけどさ」
シンに言われたことを順序に沿って話した。内部と外部は別々で切り刻まれたこと。
包丁の長さ20~30センチぐらいであり、外部を切り刻まれたと推測。
犯行の理由もシンプルに伝え、犯人は世の中に恨みや妬みのある人物だということを伝えた。
そして、内部の傷は別の者がやったのではないかと言っていたことも報告をしていた。
しかも、それは悪魔なのではないかという示唆までつけて。
上司は少し驚いた表情をしていた。
子供だと思っていたが、意外にもちゃんとした答えが帰ってきたことに。
「案外とまとまった答えじゃないか。ちょっとその子供を見直したな。しかし、何だ魔道だぁ?そんなものがいるなんて言っているのか」
「魔探偵の話では・・・そのように言っておりましたけど・・・。本当にいるかどうかは魔探偵が直接会ってみないことには・・・」
どのように言えばいいのだろうか。
本当に上司には伝えたのだが、信用している様子はない。
考えなおそうとしていたみたいだが、答えがまともなこともある。
間違いではないことは事実。
だが、内部の傷をやったのは魔道ですなんてことを信じてはくれない。
実際に見てみなければ誰も知らないし、これも神のみぞ知るということだ。
「まあ、ちゃんとした答えがあることだし、魔探偵の見解はそうであるということにしようか。まあ、次の情報が入るまでは資料整理でもしといて」
まともな答え。雑用係。
これが2人のやる仕事なのだ。
2人は部屋を出て、小声で文句を交わしていた。
「結局はきだまりははきだまりに戻れということだな。雑用には要はありませんってやつか」
「ほんまにそんなふうにしか思てないってことですよね。それやったら駐在してたほうがマシでしたわ。仕事もあったし・・・」
お互いに愚痴をこぼしながら三課に戻って資料整理をしていた。
警視庁で資料整理をしている最中、魔探偵は一段落を迎えていた。
シンは今回の事件のことについて整理をしてみた。
証拠がない状態で、決定的なものすらつかめていない。
資料を1枚もらったが、すべて死体の写真ばかり。
物的な証拠になるものを探しているが、どれも写っていない。
どれもこれも切り刻まれた死体の数ばかり。
犯人につながるものはなにひとつとしてない。
刃先の形、倒れた状況、どれを見比べても同じだった。
「前も後ろも同じ刃物で使って殺害・・・ね。魔道の傷が見当たればな・・・少しは検討つくんだけど」
どの写真も同じ。外傷になるようなものは見当たらない。
特に魔道の傷は直接見てみなければわからない点が多い。
直接見る方法はただ一つ。
あの警察の人達に頼んでみる以外ない。
物的証拠だけでは犯人になるケースは少ない。
今の科学は発展しているためそんな簡単に崩せることないんてない。
100パーセントの確立にしても1パーセントだけでも崩れればあとは簡単なのだが、そこは証拠次第ということになる。
DNA鑑定でも間違いは起こさない。
指紋も血液もいとも簡単に解明できる。
時代とともに進化していく科学。
しかし、犯罪件数0なんて難しい。
必ずしも何かはある。
でも、今回は魔道と繋がっている可能性は十分にある。
確信があるわけではない。あくまで仮説。
それが現実ならだいぶ違うのだろう。
「魔道の傷は他人には見えない。それを利用してもおかしくない。警察もまだ見落としている部分だってあるはず。だったら・・・外部には見えなくて内部では見える・・・。衣類付着があれば間違いなく人間の犯行。しかし、今回はそれが出てきていない。服が刻まれた程度なら衣服の繊維は発見できる。ないとするなら誰がこんなことを・・・」
小言で事件の概要を説明していくシン。
並外れた記憶で事件のことを洗いざらい整理していく。
そんなことを続けているうちに夜になっていた。
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