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1章2節 狩人の目覚め
2-7,8 (26,27話)
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「おい、何かあったのか?」
慌てて警視庁から飛びだした3人。
誰かを探すために出て行ったのだろうか。
それを問いただすためシンに聞いてみた。
「ナンバー2を探すんだよ。もしかしたら、あの男が犯人だって可能性もある」
「どういう意味ですか?」
西崎の車で一通り話しはじめたシン。
最初の事件が始まって次々に死亡していったために特別対策本部を設置して、最初の時だった。
全員を集合させ、事件概要の説明をしていた。
その時誰か欠けていたかどうかを聞いた。
すると、ナンバー2の人間だけがそこにいなかったという。
他の警視総監や警視長らはいたのにナンバー2だけがいなかった。
理由は別件で行けないということで欠席されていた。
その別件が今回の殺人と繋がっている可能性があると示唆するシン。
盗聴器はそのためのものであり、かく乱させるために使ったものだとみて判断した。
その時に電話が鳴っていたかどうかも聞いた。
すると、西崎は警視監の電話にあったという。
それは本部が一斉に解散し始めた頃。
急に事件現場に行くのを止められたときのことだった。
西崎が反抗しても覆らなかったのはそのためだった。
つまり、2人はそのナンバー2の駒でしかなく、操り人形のように命じられたことをしていた。
魔探偵に協力してほしいといったのも作戦の1つだったのではと推測をする。
それまでには十分時間があることから死亡原因を改ざんし、魔探偵に嘘の死因を言った。
魔探偵が警察に介入するのも予定に入っていた。
おそらく別件というのは殺人を犯していたからなのではないかとシンは言った。
しかし、それが岩城の言葉で覆る。
「でも、さっき飛び出したときあれ鋳剣警視総監でしたよね。警視庁ナンバー2の」
「はっ!?」
岩城は鋳剣警視総監の事を知っていた。
しかも、ナンバー2の正体も。
何故知っているのかと聞いてみた。
何でも岩城を警視庁に異動させたのは鋳剣警視総監本人だったという。
直接あったことは1回だけあったが、まさかあの時通り過ぎた人物がナンバー2だったとは思いもしなかった。
「何で言わなかったんだよ!!」
「早よ来い言うから通り過ぎたんやないですか。ましてや、西崎さんだってわかっていたと思って・・・」
「わかるか!!」
助手席にいた岩城の頭を平手打ちで1発叩いた。
重要なことを何で言わないのかという1発。
涙目になりながらも頭をおさえる岩城。
シンは鋳剣警視総監の部屋はどこかと聞いてきた。
岩城は涙目になりながらもこう答えた。
第2警視総監室にいると。
そこは警視庁3階の左にあるという。
曲がってすぐには今のトップがいる部屋。
そのもう1つ後ろにあるのが第2警視総監室だという。
急いで車から降りて警視総監室へと向かい、調査をしに行った。
そのころの第2警視総監室ではというと、面談をしているようにも思えた。
「あんたが長官に?無理無理。あたしみたいな人じゃなきゃ無理でしょ」
「それはどうだろうね。彼女も君と同じような頭脳の持ち主じゃないか。一般社会になじみながらもこのような頭脳にする。明らかにすごいと思わないか」
この女と同じような頭脳をもつ少女。
このまま野放しにしていれば持ち腐れになってしまっても仕方ない。
あるまじき場所にいるべきだと尊重する。
それでも女は頑なに拒否をしている。
自分の場所が一番合っているのではないかと迫りくる。
聞くだけ聞いている少女は何も反論はしない。
ただ見ているだけ。
「それでもうちのIPUには必要な人間なの」
「必要って・・・ただ無理矢理連れてきただけじゃん。事件の捜査でっていう一環で」
事件の捜査のために引き取られた少女。
そのころの記憶が戻らないことからIPUという組織に引き取られていた。
女はそのIPUの偉い人。
長官であるし、研究員としてもある。
頭は冴えるし、どんな言葉であろうと返してくる。
少女と女との関係は全くをもってない。
事件の繋がりだけが唯一の理由なのだ。
「記憶が戻らない以上、こちらも色々と対策もしている。そちらの見解によって・・・」
「失礼するぞ!!」
ノックもせずにいきなり乗り込んできた男。
西崎と岩城、そして魔探偵のシン。
邪魔な雰囲気を作ってしまった。
岩城は慌てて出ていこうとするが、鋳剣に止められた。
「別にいいさ、岩城巡査部長。用があってここに来ているわけであろう。用件はいったいなんですか」
「それがですね・・・」
「この盗聴器つけたのあんただろ」
何の躊躇もなく証拠品を差し出すシン。
周りも気にしないで事を済まそうとしている。
戸惑う岩城に背中から1発平手打ちがきた。
「痛っ!!」
「落ち着け、お前は!」
2つの盗聴器。
それを鋳剣に見せた。
関係のない者まで巻き込んでいく。
「証拠はそれだけか」
「えっ?」
他にもあるような言いぐさをしている鋳剣。
他の2人も全く動じることなく見ている。
たった1つの証拠だけで事件が動くとは限らない。
物的証拠があれば鋳剣を黙らせられると思っていた。
でも、違った。
何もなかったかのような顔つきをしてシン達を見つめる。
「たったそれだけでこの人やろうなんて甘い甘い。もっと重要なものを提出しないと何も起こらないよ」
「たった2つの盗聴器があるだけでこの人が犯人であるって証拠にはならない。他の人間が皆の視界を遮るのと同時に2つの盗聴器だって設置することくらい可能だろ。しかも、わからないところにやるんだったら下見ぐらいしたはずだし」
こんなにも簡単にも説明されるとなんだか悔しい。
探偵でもない人物がこんなに詳しいなんてことはよっぽどの才能がある。
侮れない2人を前にするシン。
覆らない答えが揺さぶっていく。
「じゃあ、何で事件を知っているんだ?」
「知らないんだ。今この事件マスコミ沙汰になってるよ。5件目からの事件からマスコミは追っかけていってるみたいだし。誰かからリークされてることも知らないなんてどうかと思うけど。声明文も公表されてるって知ってた?もしかして、それも知らないとか言うんじゃないよね」
何でここまで知っているんだ。
リークされているってどういう意味なんだ。
テレビも見てなかったものだから何も知らなかった。
それに声明文までもが出されているなんてことは本部でも聞いていない。
誰かがそれを阻止していると言いたいのか。
「だ、誰がそんなこと・・・」
「決まっているだろう。この警察がだよ」
警察がこのことを漏らしている。
誰がそんなことをしているんだ。
警察内部にいるとしたら鋳剣以外に誰がいるのだろうか。
この事件は誰によって作り出されたものなのだろうか。
答えはこの男の口から語られるまでは知らなかった。
警視総監ナンバー2、鋳剣 誠によって解明されていくとは。
慌てて警視庁から飛びだした3人。
誰かを探すために出て行ったのだろうか。
それを問いただすためシンに聞いてみた。
「ナンバー2を探すんだよ。もしかしたら、あの男が犯人だって可能性もある」
「どういう意味ですか?」
西崎の車で一通り話しはじめたシン。
最初の事件が始まって次々に死亡していったために特別対策本部を設置して、最初の時だった。
全員を集合させ、事件概要の説明をしていた。
その時誰か欠けていたかどうかを聞いた。
すると、ナンバー2の人間だけがそこにいなかったという。
他の警視総監や警視長らはいたのにナンバー2だけがいなかった。
理由は別件で行けないということで欠席されていた。
その別件が今回の殺人と繋がっている可能性があると示唆するシン。
盗聴器はそのためのものであり、かく乱させるために使ったものだとみて判断した。
その時に電話が鳴っていたかどうかも聞いた。
すると、西崎は警視監の電話にあったという。
それは本部が一斉に解散し始めた頃。
急に事件現場に行くのを止められたときのことだった。
西崎が反抗しても覆らなかったのはそのためだった。
つまり、2人はそのナンバー2の駒でしかなく、操り人形のように命じられたことをしていた。
魔探偵に協力してほしいといったのも作戦の1つだったのではと推測をする。
それまでには十分時間があることから死亡原因を改ざんし、魔探偵に嘘の死因を言った。
魔探偵が警察に介入するのも予定に入っていた。
おそらく別件というのは殺人を犯していたからなのではないかとシンは言った。
しかし、それが岩城の言葉で覆る。
「でも、さっき飛び出したときあれ鋳剣警視総監でしたよね。警視庁ナンバー2の」
「はっ!?」
岩城は鋳剣警視総監の事を知っていた。
しかも、ナンバー2の正体も。
何故知っているのかと聞いてみた。
何でも岩城を警視庁に異動させたのは鋳剣警視総監本人だったという。
直接あったことは1回だけあったが、まさかあの時通り過ぎた人物がナンバー2だったとは思いもしなかった。
「何で言わなかったんだよ!!」
「早よ来い言うから通り過ぎたんやないですか。ましてや、西崎さんだってわかっていたと思って・・・」
「わかるか!!」
助手席にいた岩城の頭を平手打ちで1発叩いた。
重要なことを何で言わないのかという1発。
涙目になりながらも頭をおさえる岩城。
シンは鋳剣警視総監の部屋はどこかと聞いてきた。
岩城は涙目になりながらもこう答えた。
第2警視総監室にいると。
そこは警視庁3階の左にあるという。
曲がってすぐには今のトップがいる部屋。
そのもう1つ後ろにあるのが第2警視総監室だという。
急いで車から降りて警視総監室へと向かい、調査をしに行った。
そのころの第2警視総監室ではというと、面談をしているようにも思えた。
「あんたが長官に?無理無理。あたしみたいな人じゃなきゃ無理でしょ」
「それはどうだろうね。彼女も君と同じような頭脳の持ち主じゃないか。一般社会になじみながらもこのような頭脳にする。明らかにすごいと思わないか」
この女と同じような頭脳をもつ少女。
このまま野放しにしていれば持ち腐れになってしまっても仕方ない。
あるまじき場所にいるべきだと尊重する。
それでも女は頑なに拒否をしている。
自分の場所が一番合っているのではないかと迫りくる。
聞くだけ聞いている少女は何も反論はしない。
ただ見ているだけ。
「それでもうちのIPUには必要な人間なの」
「必要って・・・ただ無理矢理連れてきただけじゃん。事件の捜査でっていう一環で」
事件の捜査のために引き取られた少女。
そのころの記憶が戻らないことからIPUという組織に引き取られていた。
女はそのIPUの偉い人。
長官であるし、研究員としてもある。
頭は冴えるし、どんな言葉であろうと返してくる。
少女と女との関係は全くをもってない。
事件の繋がりだけが唯一の理由なのだ。
「記憶が戻らない以上、こちらも色々と対策もしている。そちらの見解によって・・・」
「失礼するぞ!!」
ノックもせずにいきなり乗り込んできた男。
西崎と岩城、そして魔探偵のシン。
邪魔な雰囲気を作ってしまった。
岩城は慌てて出ていこうとするが、鋳剣に止められた。
「別にいいさ、岩城巡査部長。用があってここに来ているわけであろう。用件はいったいなんですか」
「それがですね・・・」
「この盗聴器つけたのあんただろ」
何の躊躇もなく証拠品を差し出すシン。
周りも気にしないで事を済まそうとしている。
戸惑う岩城に背中から1発平手打ちがきた。
「痛っ!!」
「落ち着け、お前は!」
2つの盗聴器。
それを鋳剣に見せた。
関係のない者まで巻き込んでいく。
「証拠はそれだけか」
「えっ?」
他にもあるような言いぐさをしている鋳剣。
他の2人も全く動じることなく見ている。
たった1つの証拠だけで事件が動くとは限らない。
物的証拠があれば鋳剣を黙らせられると思っていた。
でも、違った。
何もなかったかのような顔つきをしてシン達を見つめる。
「たったそれだけでこの人やろうなんて甘い甘い。もっと重要なものを提出しないと何も起こらないよ」
「たった2つの盗聴器があるだけでこの人が犯人であるって証拠にはならない。他の人間が皆の視界を遮るのと同時に2つの盗聴器だって設置することくらい可能だろ。しかも、わからないところにやるんだったら下見ぐらいしたはずだし」
こんなにも簡単にも説明されるとなんだか悔しい。
探偵でもない人物がこんなに詳しいなんてことはよっぽどの才能がある。
侮れない2人を前にするシン。
覆らない答えが揺さぶっていく。
「じゃあ、何で事件を知っているんだ?」
「知らないんだ。今この事件マスコミ沙汰になってるよ。5件目からの事件からマスコミは追っかけていってるみたいだし。誰かからリークされてることも知らないなんてどうかと思うけど。声明文も公表されてるって知ってた?もしかして、それも知らないとか言うんじゃないよね」
何でここまで知っているんだ。
リークされているってどういう意味なんだ。
テレビも見てなかったものだから何も知らなかった。
それに声明文までもが出されているなんてことは本部でも聞いていない。
誰かがそれを阻止していると言いたいのか。
「だ、誰がそんなこと・・・」
「決まっているだろう。この警察がだよ」
警察がこのことを漏らしている。
誰がそんなことをしているんだ。
警察内部にいるとしたら鋳剣以外に誰がいるのだろうか。
この事件は誰によって作り出されたものなのだろうか。
答えはこの男の口から語られるまでは知らなかった。
警視総監ナンバー2、鋳剣 誠によって解明されていくとは。
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