魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章3節 欲まみれの浸食

3-1 (60話)

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しばらく喫茶店きっさてんの中で事件のことを話していた。
そんなことをしているうちに夕方になっていた。
午後の5時半前。
慌てて時計を見て驚いてしまった。

「西崎さん、もうこんな時間ですよ。そろそろ警視庁に戻らないといけないんやありません?」
「そんな時間か。さすがに戻って資料を確認しないといけないな」

イスから立ち上がろうとすると、マスターが待ってほしいと声をかけた。

「もし、警察庁に戻るんだったら資料室行ってみたら?たぶんその事件の資料あるかもしれないから」

急に変なことを言ってくる。
警察庁に何か関係しているような言い方をしている。
このマスターがどんな人間かまたわからなくなってきた。
その言葉に一応返事をしたのだが、本当にあるのだろうか。
変な予感しかしない。
なんだかこのマスターが怪しい人物に思えてくる。

「まあ、確認はしてみるが・・・」
「してみるじゃなくてするんですよ。マスターの言うことは本当なんですから」

シンはマスターのことを疑いもせずに信じている。
どこにそんな余裕があるのだろうか。
不思議な人間が2人もいると、不安だらけで仕事にならなくなりそうだ。
むしろ、病気になりそうで怖い。

「シン君はマスターのこと、信用したはるんですね」
「いつもこんな感じだから気にしないでね。マスターも昔の仕事の癖が出てるから」

昔の仕事というのは何だろうか。
ますます気になってしまう。
でも、気にしている暇もない。
今は事件のことに集中しなければいけない。

「あぁ、代金だな。いくらだ?」
「いいよいいよ。今回は僕のおごりにしていくから」

気前のいいマスターだけど、事件の話をするとすごいしゃべる。
昔の仕事が気になって仕方がなくなりそうだ。
シンがここまで信頼しているのだから何かしらの情報は持っているのだから、少し信用してもいいのかもしれない。
西崎は財布を持ったまま立ち尽くしてしまう。
スーツも持たないまま立ち尽くすのもなかなかない。

「西崎さん何立ち止まってるんです?まさか、冬眠とうみんでもするつもりですか?ここだったら邪魔じゃまなんで樹齢じゅれいが長い場所に行ってくださいよ」
「冬眠なんてするか!なんで樹齢の長い場所で寝なきゃいけないんだよ!んなもん死ぬだろ!」
「知らないんですか?冬眠する動物って寝てるわけじゃないんですよ。体力を極限きょくげんまで保てるように木の中に入って冬を過ごしているんですよ」

いい情報だが、1つ1つが腹が立ってしまう。
あんな子供でここまでの知能をもつとこんなふうに扱われることを知る。
イライラが収まらない西崎はズカズカと喫茶店を後にした。
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