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1章3節 欲まみれの浸食
3-15 (74話)
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その後の調べで男はすべてを自供した。
娘のためを思ってお金を盗んだ。
命をなんとも思っていなかった病院に復讐するために実行した。
自分の命と引き換えに娘の命の尊さを知ってほしかったと。
2人は取調室でその男の聴取をしていた。
それを鏡越しで見ていたシン。
怒りと悲しさが生んだすべての事件。
これで終わったと思っていた。
取り調べが終わって警視庁の屋上で1人街並みを眺めていた。
これが今の世界。
今後どのように変わっていくのだろうか。
歪んだ世界になるのか。それとも正しき世界になるのか。
それは神のみぞ知ることだ。
「何してはるんですか?」
ひと段落した西崎と岩城がシンの顔を見に屋上にやってきた。
西崎は疲れた顔をしている。
ため息交じりでシンを見つめていた。
「いや、ただこの街を見てただけですよ」
「本当はそうじゃないんだろ?ほらよ」
いきなり缶のようなものを投げられた。
キャッチすると、それは冷たい缶ジュース。
炭酸飲料で中身はサイダーだった。
2人の手には缶コーヒーを持っていた。
西崎は無糖のブラック、岩城はカフェオレ。
全く違った個性を見せていた。
「バレてましたか?」
「バレバレなんだよ。何年お前といると思ってんだ?顔も見たくないくらい見たんだ。飽きてきてるよ」
2人はシンのいる場所まで向かって手すりにもたれかかった。
「で、何考えてたんだ?」
「この町が、この世界が幸せになるって思いますか?」
シンらしくない答えが返ってくる。
西崎は笑って答えた。
「らしくないこと言うじゃねーか。何でそう思うんだよ?」
「今の世の中、なくならない事件や事故が多く発生しています。そんな中で必死に人間は生き抜いている。いつどうなるかわからない世界の中で。次は自分が襲われるかもしれない、事故で亡くなってしまうかもしれない。そんな恐怖の中にいるんです。それでも耐え忍んでいく人間がもし魔道に憑りつかれたりでもしたらと思うと、それだけで息苦しく感じるんです。たった1つの小さな命が魔道によって狂わされていく。そんなのあってはならないことなんです。幸せを、命を僕達はこの先も守っていけるのかどうか不安で仕方ないんです。常に命の事と向き合わなければいけない僕達はちっぽけなんでしょうか」
強がりなシンの小さな本音。
2人にとってシンはかけがえのない命をもう一度もらった。
死ぬかもしれない人生を。
それでも今を生きていたい。
前を向いて歩いていたい。
シンの思う事は大人の思うことじゃない。
子供らしい思い。
2人はそれをしみじみと感じ取った。
どうなだめればいいのだろうか。
言葉で返すのはどこか不自由に感じる。
こんな背中でいろんなものを背負って生きている。
人の命を、人の幸せを。
すべてこいつが背負っている。
それでもシンは前を向いて歩いているんだ。
西崎はため息をついてシンにこう伝えた。
「守っているのはお前だけじゃない。俺たちも同じことだ。この町を平和にするためにも俺たちがいる。そんな世界を作らせないためにな。そのためにお前と協力してんじゃねぇか。違うか?違うなら説明ぐらいしてほしいな」
「僕らだって救われた人間なんです。一度失ったものをシン君は取り戻してくれた。今度は僕らがシン君に恩返しする番なんです。どんな些細なことでも僕らはシン君といれば何でもできるて思てますから。だから、信じてください。僕らのこと」
その言葉にフッと笑ってしまった。
いろんな人が支えてくれていることをすっかり忘れていた。
何をそんなに考えてしまっていたのだろうか。
まだまだ大人の考えじゃないことに気づく。
今のは子供が思うことだ。
この2人からすれば子供にしか見えないんだ。
こんな本音でも返答してくれているだけでも感謝をしなければ。
シンは下を向いたまま、屋上を後にした。
それについていくように2人はシンの後を追っていった。
娘のためを思ってお金を盗んだ。
命をなんとも思っていなかった病院に復讐するために実行した。
自分の命と引き換えに娘の命の尊さを知ってほしかったと。
2人は取調室でその男の聴取をしていた。
それを鏡越しで見ていたシン。
怒りと悲しさが生んだすべての事件。
これで終わったと思っていた。
取り調べが終わって警視庁の屋上で1人街並みを眺めていた。
これが今の世界。
今後どのように変わっていくのだろうか。
歪んだ世界になるのか。それとも正しき世界になるのか。
それは神のみぞ知ることだ。
「何してはるんですか?」
ひと段落した西崎と岩城がシンの顔を見に屋上にやってきた。
西崎は疲れた顔をしている。
ため息交じりでシンを見つめていた。
「いや、ただこの街を見てただけですよ」
「本当はそうじゃないんだろ?ほらよ」
いきなり缶のようなものを投げられた。
キャッチすると、それは冷たい缶ジュース。
炭酸飲料で中身はサイダーだった。
2人の手には缶コーヒーを持っていた。
西崎は無糖のブラック、岩城はカフェオレ。
全く違った個性を見せていた。
「バレてましたか?」
「バレバレなんだよ。何年お前といると思ってんだ?顔も見たくないくらい見たんだ。飽きてきてるよ」
2人はシンのいる場所まで向かって手すりにもたれかかった。
「で、何考えてたんだ?」
「この町が、この世界が幸せになるって思いますか?」
シンらしくない答えが返ってくる。
西崎は笑って答えた。
「らしくないこと言うじゃねーか。何でそう思うんだよ?」
「今の世の中、なくならない事件や事故が多く発生しています。そんな中で必死に人間は生き抜いている。いつどうなるかわからない世界の中で。次は自分が襲われるかもしれない、事故で亡くなってしまうかもしれない。そんな恐怖の中にいるんです。それでも耐え忍んでいく人間がもし魔道に憑りつかれたりでもしたらと思うと、それだけで息苦しく感じるんです。たった1つの小さな命が魔道によって狂わされていく。そんなのあってはならないことなんです。幸せを、命を僕達はこの先も守っていけるのかどうか不安で仕方ないんです。常に命の事と向き合わなければいけない僕達はちっぽけなんでしょうか」
強がりなシンの小さな本音。
2人にとってシンはかけがえのない命をもう一度もらった。
死ぬかもしれない人生を。
それでも今を生きていたい。
前を向いて歩いていたい。
シンの思う事は大人の思うことじゃない。
子供らしい思い。
2人はそれをしみじみと感じ取った。
どうなだめればいいのだろうか。
言葉で返すのはどこか不自由に感じる。
こんな背中でいろんなものを背負って生きている。
人の命を、人の幸せを。
すべてこいつが背負っている。
それでもシンは前を向いて歩いているんだ。
西崎はため息をついてシンにこう伝えた。
「守っているのはお前だけじゃない。俺たちも同じことだ。この町を平和にするためにも俺たちがいる。そんな世界を作らせないためにな。そのためにお前と協力してんじゃねぇか。違うか?違うなら説明ぐらいしてほしいな」
「僕らだって救われた人間なんです。一度失ったものをシン君は取り戻してくれた。今度は僕らがシン君に恩返しする番なんです。どんな些細なことでも僕らはシン君といれば何でもできるて思てますから。だから、信じてください。僕らのこと」
その言葉にフッと笑ってしまった。
いろんな人が支えてくれていることをすっかり忘れていた。
何をそんなに考えてしまっていたのだろうか。
まだまだ大人の考えじゃないことに気づく。
今のは子供が思うことだ。
この2人からすれば子供にしか見えないんだ。
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それについていくように2人はシンの後を追っていった。
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