59 / 101
1章4節 幸せの居場所
1-6 (80話)
しおりを挟む
車までやってきた2人。
引きずってここまでくるなんて重労働だ。
助手席の扉を開けて岩城を無理矢理押し込んで入れる。
シートベルトも忘れずにした。
扉を閉めて、運転席についた瞬間だった。
バタンと扉が閉まるような音が2か所で起きた。
1か所は運転席側、じゃああと1つはどこなんだ。
岩城はグダッとしているから扉を開ける心配はない。
むしろシートベルトで動きを封じているのだから動かない。
なら誰なんだ。
バックミラーを見てみると、水色の髪の少年が運転席側の後ろの席に座っていた。
パッと振り返ると見慣れた人間がそこにいた。
「なんでお前がここにいるんだよ!事務所にいたんじゃないのか!」
「視察に行くんでしょ?だったら僕も行きます。安心してください。伊部さんには伝えてありますから」
「いや、そういう問題か?」
事務所の中にいたはずのシンが何故か西崎の車に乗ってきたのだ。
視察というのを察知したのか車に来たそうだ。
しかし、シンの様子がなんとなくおかしい。
周りをキョロキョロとしている。
「どうしたんだ?やけに外をキョロキョロしやがって」
「早く車を出してください。でないとまた追っかけられるんで」
追いかけられるとはどういうことなんだ。
話が見えてこなかった。
まあ、今は聞かない事にしておくか。
シンの言う通りに車を出した瞬間だった。
いきなり人が車の前に止まってきた。
急ブレーキをかけて運転席の窓を開けた。
マフラーのようなものをしていてオレンジ色の短い髪。
シンには見たことがあった。
あの少女だ。鈍い顔をしてシンがため息をしている。
あの追っかけ少女が何故ここにいる。
「あぶねぇじゃねーか!!死ぬ気かボケェ!!」
「そこにシン君いませんか?」
「あっ?あいつ?あいつなら・・・」
西崎は後ろを振り返った。
シンが後ろにいることを悟られないように横になっている。
ふざけているのかと思った。
もしかして、追いかけられているというのはこの子のことなのだろうか。
「お前何で隠れてんだよ。バレバレじゃねーか。前のフロントガラスでいるってわかってんだし」
「それでもいないって言ってください。あいつは迷惑なんです」
迷惑と言われてもどうしろというのだろうか。
前を振り向いた瞬間にはもうその子の姿はなかった。
どこにいるのかと探したら後ろの助手席の扉を開けてきた。
「見つけた!」
「何でそこまでして追いかけてくるんだ、猪野糸 真織(いのいと まおり)!そんなに俺のことが知りたいか?」
「当然!」
見つかってしまった以上、どうすることもできない。
いきなり扉を開けてくるなんて問題外だった。
シンはため息交じりで普通に席に座った。
それに加わるように中に入っていった。
西崎は何が何だかわからない状態になっていた。
こいつの周りにはロクな人間はいないのかと。
そんなことに触れることなく車は現場へと向かって行った。
引きずってここまでくるなんて重労働だ。
助手席の扉を開けて岩城を無理矢理押し込んで入れる。
シートベルトも忘れずにした。
扉を閉めて、運転席についた瞬間だった。
バタンと扉が閉まるような音が2か所で起きた。
1か所は運転席側、じゃああと1つはどこなんだ。
岩城はグダッとしているから扉を開ける心配はない。
むしろシートベルトで動きを封じているのだから動かない。
なら誰なんだ。
バックミラーを見てみると、水色の髪の少年が運転席側の後ろの席に座っていた。
パッと振り返ると見慣れた人間がそこにいた。
「なんでお前がここにいるんだよ!事務所にいたんじゃないのか!」
「視察に行くんでしょ?だったら僕も行きます。安心してください。伊部さんには伝えてありますから」
「いや、そういう問題か?」
事務所の中にいたはずのシンが何故か西崎の車に乗ってきたのだ。
視察というのを察知したのか車に来たそうだ。
しかし、シンの様子がなんとなくおかしい。
周りをキョロキョロとしている。
「どうしたんだ?やけに外をキョロキョロしやがって」
「早く車を出してください。でないとまた追っかけられるんで」
追いかけられるとはどういうことなんだ。
話が見えてこなかった。
まあ、今は聞かない事にしておくか。
シンの言う通りに車を出した瞬間だった。
いきなり人が車の前に止まってきた。
急ブレーキをかけて運転席の窓を開けた。
マフラーのようなものをしていてオレンジ色の短い髪。
シンには見たことがあった。
あの少女だ。鈍い顔をしてシンがため息をしている。
あの追っかけ少女が何故ここにいる。
「あぶねぇじゃねーか!!死ぬ気かボケェ!!」
「そこにシン君いませんか?」
「あっ?あいつ?あいつなら・・・」
西崎は後ろを振り返った。
シンが後ろにいることを悟られないように横になっている。
ふざけているのかと思った。
もしかして、追いかけられているというのはこの子のことなのだろうか。
「お前何で隠れてんだよ。バレバレじゃねーか。前のフロントガラスでいるってわかってんだし」
「それでもいないって言ってください。あいつは迷惑なんです」
迷惑と言われてもどうしろというのだろうか。
前を振り向いた瞬間にはもうその子の姿はなかった。
どこにいるのかと探したら後ろの助手席の扉を開けてきた。
「見つけた!」
「何でそこまでして追いかけてくるんだ、猪野糸 真織(いのいと まおり)!そんなに俺のことが知りたいか?」
「当然!」
見つかってしまった以上、どうすることもできない。
いきなり扉を開けてくるなんて問題外だった。
シンはため息交じりで普通に席に座った。
それに加わるように中に入っていった。
西崎は何が何だかわからない状態になっていた。
こいつの周りにはロクな人間はいないのかと。
そんなことに触れることなく車は現場へと向かって行った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
淡色に揺れる
かなめ
恋愛
とある高校の女子生徒たちが繰り広げる、甘く透き通った、百合色の物語です。
ほのぼのとしていて甘酸っぱい、まるで少年漫画のような純粋な恋色をお楽しみいただけます。
★登場人物
白川蓮(しらかわ れん)
太陽みたいに眩しくて天真爛漫な高校2年生。短い髪と小柄な体格から、遠くから見れば少年と見間違われることもしばしば。ちょっと天然で、恋愛に関してはキス未満の付き合いをした元カレが一人いるほど純潔。女子硬式テニス部に所属している。
水沢詩弦(みずさわ しづる)
クールビューティーでやや気が強く、部活の後輩達からちょっぴり恐れられている高校3年生。その美しく整った顔と華奢な体格により男子たちからの人気は高い。本人は控えめな胸を気にしているらしいが、そこもまた良し。蓮と同じく女子テニス部に所属している。
宮坂彩里(みやさか あやり)
明るくて男女後輩みんなから好かれるムードメーカーの高校3年生。詩弦とは系統の違うキューティー美女でスタイルは抜群。もちろん男子からの支持は熱い。女子テニス部に所属しており、詩弦とはジュニア時代からダブルスのペアを組んでいるが、2人は犬猿の仲である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる