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1章4節 幸せの居場所
2-3 (89話)
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扉がガチャリと開いた。
誰でもいいから猪野糸を学校に連れ出してほしい。
そうすれば邪魔者は消えて仕事がはかどる。
これで一件落着。のようにみえた。
「これは着脱の時にはそうしないといけんのです。着脱しずらい人にでもできるようにしてはるんですよ」
「だからってボタンのあるやつじゃないとダメなのか?」
聞き覚えのある声。
その瞬間シンは力が抜けたように持っていたパンを猪野糸に返し、自分の席まで戻ってしまった。
猪野糸は何がなんだかわからずにいた。
状況が読み込めないのかシンの表情が一瞬にして変わったように見えた。
気のせいかとも思ったがそうでもなかった。
「あ、シン君すいません。ノックもせんで入ってきてしまって」
「いや・・・別にいいですよ」
何だか焦っているのかシンが座っている席が後ろを向いていた。
どんな表情をしているのかわからなかった。
具合が悪いのだろうかと気にしていたのだが、そこまでではなかった。
状況が悪いようにも思える。
重苦しい雰囲気が充満しているようにも感じた。
でも、その雰囲気をぶち壊すかのようにあの人は話しかけてきた。
「なぁ、お前この事詳しく教えてくれねぇか?岩城にも聞いてんだけど、なかなかわかんなくってさ」
「何で僕に聞くんです?岩城さんに聞いたらいいじゃないですか」
「わからんからお前に聞いたんだ!」
シンは頭を抱えてしまった。
完全にこの雰囲気を一瞬で壊した。
周りの状況も考えずに介護の本片手にこれを教えてほしいなんてよく言えたものだ。
空気の読めない人間はこれだから嫌なんだ。
「あ、刑事さん」
ここにもいた。
空気も読めない人間2人目。
この状況にシンもイスにもたれかかるしかなかった。
仕事どころではない。
むしろ邪魔な人間が2人もいることで場の雰囲気を壊し、仕事すら手につかない状態を作った。
こんなんで依頼者の事件が解決するのだろうか。
先が見えてこなくなってくる。
「お前、昨日のじゃねーか。今日は学校はどうしたんだ?」
いいところでその言葉がきた。
これはチャンスだ!
さあ、刑事なら刑事らしく務めてほしいところ!
「もしかして、あいつに魔探偵になりたいって言ったのか?それでここにいるってわけか」
その言葉にシンはイスから転げ落ちた。
岩城はすぐさまシンのいる場所まで寄っていった。
西崎は違ったのかという顔をしてシンのいる席を向いた。
無表情でパンを食べ続ける猪野糸はポカーンとしていた。
シンの隣にいた伊部もため息をついてしまった。
「大丈夫か、シン君?」
すぐさま立ちあがって西崎にきつい一言を浴びせてやった。
これで反省するかどうかは別として。
「こんなやつがうちの側近だぁ?んなわけないだろ!!こいつは勉強さぼりでここにいるだけだ!!それにこいつを側近だなんて認めた覚えもないし、入れた覚えもない!!なのにこいつは自分の部屋みたいにゆったりと満喫してるだけだ!!それに西崎さんとは違って頭は悪いし、法律も知らないし。常識外れもいいとこだ!!それと、西崎さんは何故今になって勉強してるんです?あなた学生じゃないですよね。一応刑事っていう職があるでしょ!!並み大抵の常識は知っておくべきなのでは?それでも本当に警視なんですか?」
その言葉に西崎はカチンときたのか、持っていた介護の本を放り投げて怒りを爆発させた。
警視の職をバカにされた悔しさがどんどんにじみ出てくる。
こんな人間にバカにされるのは西崎にとってはかなりの汚点。
岩城にはそんな風には言わないのに、何で西崎にだけこんなに突っかかっていくんだ。
この差がわからない。
この差を覆してやるんだ。
ギャフンと言わせてやる。
これを境にシンと西崎の言い争いが始まってしまった。
誰でもいいから猪野糸を学校に連れ出してほしい。
そうすれば邪魔者は消えて仕事がはかどる。
これで一件落着。のようにみえた。
「これは着脱の時にはそうしないといけんのです。着脱しずらい人にでもできるようにしてはるんですよ」
「だからってボタンのあるやつじゃないとダメなのか?」
聞き覚えのある声。
その瞬間シンは力が抜けたように持っていたパンを猪野糸に返し、自分の席まで戻ってしまった。
猪野糸は何がなんだかわからずにいた。
状況が読み込めないのかシンの表情が一瞬にして変わったように見えた。
気のせいかとも思ったがそうでもなかった。
「あ、シン君すいません。ノックもせんで入ってきてしまって」
「いや・・・別にいいですよ」
何だか焦っているのかシンが座っている席が後ろを向いていた。
どんな表情をしているのかわからなかった。
具合が悪いのだろうかと気にしていたのだが、そこまでではなかった。
状況が悪いようにも思える。
重苦しい雰囲気が充満しているようにも感じた。
でも、その雰囲気をぶち壊すかのようにあの人は話しかけてきた。
「なぁ、お前この事詳しく教えてくれねぇか?岩城にも聞いてんだけど、なかなかわかんなくってさ」
「何で僕に聞くんです?岩城さんに聞いたらいいじゃないですか」
「わからんからお前に聞いたんだ!」
シンは頭を抱えてしまった。
完全にこの雰囲気を一瞬で壊した。
周りの状況も考えずに介護の本片手にこれを教えてほしいなんてよく言えたものだ。
空気の読めない人間はこれだから嫌なんだ。
「あ、刑事さん」
ここにもいた。
空気も読めない人間2人目。
この状況にシンもイスにもたれかかるしかなかった。
仕事どころではない。
むしろ邪魔な人間が2人もいることで場の雰囲気を壊し、仕事すら手につかない状態を作った。
こんなんで依頼者の事件が解決するのだろうか。
先が見えてこなくなってくる。
「お前、昨日のじゃねーか。今日は学校はどうしたんだ?」
いいところでその言葉がきた。
これはチャンスだ!
さあ、刑事なら刑事らしく務めてほしいところ!
「もしかして、あいつに魔探偵になりたいって言ったのか?それでここにいるってわけか」
その言葉にシンはイスから転げ落ちた。
岩城はすぐさまシンのいる場所まで寄っていった。
西崎は違ったのかという顔をしてシンのいる席を向いた。
無表情でパンを食べ続ける猪野糸はポカーンとしていた。
シンの隣にいた伊部もため息をついてしまった。
「大丈夫か、シン君?」
すぐさま立ちあがって西崎にきつい一言を浴びせてやった。
これで反省するかどうかは別として。
「こんなやつがうちの側近だぁ?んなわけないだろ!!こいつは勉強さぼりでここにいるだけだ!!それにこいつを側近だなんて認めた覚えもないし、入れた覚えもない!!なのにこいつは自分の部屋みたいにゆったりと満喫してるだけだ!!それに西崎さんとは違って頭は悪いし、法律も知らないし。常識外れもいいとこだ!!それと、西崎さんは何故今になって勉強してるんです?あなた学生じゃないですよね。一応刑事っていう職があるでしょ!!並み大抵の常識は知っておくべきなのでは?それでも本当に警視なんですか?」
その言葉に西崎はカチンときたのか、持っていた介護の本を放り投げて怒りを爆発させた。
警視の職をバカにされた悔しさがどんどんにじみ出てくる。
こんな人間にバカにされるのは西崎にとってはかなりの汚点。
岩城にはそんな風には言わないのに、何で西崎にだけこんなに突っかかっていくんだ。
この差がわからない。
この差を覆してやるんだ。
ギャフンと言わせてやる。
これを境にシンと西崎の言い争いが始まってしまった。
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