魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章4節 幸せの居場所

2-6 (92話)

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数時間・・・。というより何分経った?
ここにいて何か進展しただろうか。
中に入れないだけあってどうなっているのかすらわからない。
岩城が入るななんて言う人間だっただろうか。
あの優しい顔からは想像もできなかった。
しかし、メンタルの弱い人間だというのは知っている。
いつまであのメンタルが続くのか・・・。
と、思っていたらかなり長い。
あの子はいさぎよく学校に行ったが、ふてくされた感じで行ってしまった。
面白くないと言って。
あれはあれとして解決したが、問題は上司を放り投げるという問題だ。
あれは明らかに暴力、いや公務執行妨害こうむしっこうぼうがいあたいする。
いろいろやられてきたが、もう我慢の限界だ。
ここで罰に当たってもらおう。
西崎は岩城が出てくるまでその場であぐらをかいて待っていた。

(さぁ・・・出てこい岩城・・・。俺を怒らせたことを後悔させてやる)

中からは音がしない。
だが、こちらに来る気配がする。
扉に集中して2人が出てくるのを待つ。
そして、扉が開く。
さぁ、これで後悔するんだ!

「岩城ーっ!!お前を公務執行妨害で逮捕たいほ・・・」
「その話はなしです。今から現場に向かいましょう」

出てきたのは岩城ではなく、シンだった。
しかも、これから現場に向かうなんてどういうことなのだ。
話がついていけない。
岩城はシンの後ろについていた。
でも、顔色が変わっている。
あの優しい顔に戻ってる。
挙動不審きょどうふしんのあの姿に。

「ど、どういう意味なんだよ?話が見えてこないだが・・・」
「今回の事件、もしかしたら魔道が関係しているかもしれないんです。なのでそれを証明するために現場に向かいます」
「す・・・すいません、西崎さん。ついイライラしてて投げてしまって」

イライラってなんだ?
あの言い争いか?
それとも踏まれたからイライラしていたのか?
あ、まさか介護の本を折ったからかな?
まあ、何にせよ元に戻っただけありがたい。
しかし、罰は与える。

「ったくよ・・・じゃあ、お前運転しろ」
「えっ?」

いきなり運転してくれと頼まれ、いきなり立ち尽くした岩城。
西崎はどうしたというような顔で岩城を見つめた。
シンは何かに察したのかそのままそそくさと先に行ってしまった。

「なんだよ?何か俺変なこと言ったか?」
「あの・・・僕・・・ペーパーなんですけど・・・」
「・・・は?」

ペーパーと知った瞬間、西崎は愕然がくぜんとした。
まさか、岩城はペーパードライバーだとは知らなかった。
最近取ったとは言ってはいたが、まさか本当に最近の最近だったとは。
こんな人間に運転されたらたまったもんじゃない。
愛車に傷をつけられたら綺麗にしてきた意味がなくなる。

「聞いた俺がバカだったわ・・・」

その言葉を残して西崎はトボトボと自分の車に向かって歩いていった。
岩城は情けない顔で西崎の後ろをついていった。
そのあとに何があるのかを知らずに。
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