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1章5節 盤上の世紀末
1-3 (110話)
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汗とにおいが混ざる場所。
少しの笑いが空気を変えていく。
岩城の若かりし頃の話に華を咲かせた。
喉が潤い始めていく。
徐々に減っていくペットボトルの水の量が時間とともになくなり、空になる時も早くない。
息が整い始めていくにつれて会話が弾んでいった。
「西崎さんはどんな少年だったんです?」
「俺はずっと真面目だったよ。勉強にも習い事にも手を抜くことなんてしなかった。本当に何事にも一直線だったからな。友達と遊んだ事なんてあんまりなかったからいい思い出なんて1つもねぇよ」
何事にも前向きに取り組んでいた西崎。
何せ親がうるさかった。
1つでもさぼれば罰が与えられてしまう。
それの怖さからかいつも規則正しい生活を送らされていたのだ。
家族の中でも一番厳しいのは父親だった。
西崎の父親は元警視庁のトップ。
いわばエリート中のエリートだった。
何をしても失敗なんてしなかった。
まさしく西崎の憧れは父親本人の影響だった。
父親のようなたくましい人になりたい。
そう願いながら毎日必死になって努力をし続けた。
世間離れしていても関係ない。
人は人なのだから、他人と比べてはならない。
いつも父親に言われた言葉に救われていた。
「お父さん、そんなに厳しかったんですね。本当に勤勉な方で」
「でも、西崎って名前の人いましたかね?僕、あんまり知らないんで何とも言えないんですが・・・」
「しゃーないだろ、知らなくっても。俺が高校入ってすぐには定年退職したからな。お前が知らなくても無理ねぇよ」
ため息をした西崎は背中を壁にもたれかかり、腕組みをした。
思いつめたような顔ではなかったが、爽やかそうな顔をしていた。
「それにお前らだってこんな事になるなんて思ってなかったんだろ?誘われてなかったらそれぞれ別の道に進んでいたんだからな。運命って怖いなーっ」
手にしていたペットボトルを口に含もうとした時、あっけない言葉が西崎の心を突き刺した。
「僕だって西崎さん達に会うなんて思ってもみなかったですよ。どうせあの時はガキでただの研修生としか思ってなかったですから」
「ゴフッ!!・・・ゲホ・・・ゲホ・・・。お前、もうちょいオブラートに包もうぜ?言っちゃいけないことだってあるだろ?何でもかんでも言っていいわけないんだからさ」
水が変な所に入ってしまい、むせてしまった。
何を言うのかわからないと言い返しができなくなってしまう。
でも、当たり前の事を堂々と言ってくるのだから返す言葉がなくなってしまい息詰まる。
「オブラートが破れてんじゃない?」
「それもそうなんじゃないか?むしろ、こいつにはオブラート自体がなかったりしてな?」
この2人は何故か話が合う。
不思議な縁というものは案外と怖い。
猪野糸と西崎が笑っている時だった。
ガラガラと扉が開く音が聞こえてきた。
一行は扉の方に目を向けた。
誰かが立っている。でも、ここは・・・。
「あの・・・何か用ですか?ここ貸し切りにさせてもろてるんですけど、誰かに用があるんですか?」
1歩1歩こちらに向かって歩いていく。
短い栗色の髪がだんだんと近くに見えていく。
シンは知らない顔をしてペットボトルに入った水を口に含んだ。
すると、これが思わぬ事態を招いてしまった。
「無視するなんて最悪な男じゃん。久々に会うのに目も合わさないなんて・・・ほんと変わってない奴」
「ブーッ!!!」
声を聴くと、つい噴き出してしまった。
何だかシンの様子がおかしい。
青ざめたような顔をしている。
いったいこの人とシンはどんな関係があるのだろうか。
少しの笑いが空気を変えていく。
岩城の若かりし頃の話に華を咲かせた。
喉が潤い始めていく。
徐々に減っていくペットボトルの水の量が時間とともになくなり、空になる時も早くない。
息が整い始めていくにつれて会話が弾んでいった。
「西崎さんはどんな少年だったんです?」
「俺はずっと真面目だったよ。勉強にも習い事にも手を抜くことなんてしなかった。本当に何事にも一直線だったからな。友達と遊んだ事なんてあんまりなかったからいい思い出なんて1つもねぇよ」
何事にも前向きに取り組んでいた西崎。
何せ親がうるさかった。
1つでもさぼれば罰が与えられてしまう。
それの怖さからかいつも規則正しい生活を送らされていたのだ。
家族の中でも一番厳しいのは父親だった。
西崎の父親は元警視庁のトップ。
いわばエリート中のエリートだった。
何をしても失敗なんてしなかった。
まさしく西崎の憧れは父親本人の影響だった。
父親のようなたくましい人になりたい。
そう願いながら毎日必死になって努力をし続けた。
世間離れしていても関係ない。
人は人なのだから、他人と比べてはならない。
いつも父親に言われた言葉に救われていた。
「お父さん、そんなに厳しかったんですね。本当に勤勉な方で」
「でも、西崎って名前の人いましたかね?僕、あんまり知らないんで何とも言えないんですが・・・」
「しゃーないだろ、知らなくっても。俺が高校入ってすぐには定年退職したからな。お前が知らなくても無理ねぇよ」
ため息をした西崎は背中を壁にもたれかかり、腕組みをした。
思いつめたような顔ではなかったが、爽やかそうな顔をしていた。
「それにお前らだってこんな事になるなんて思ってなかったんだろ?誘われてなかったらそれぞれ別の道に進んでいたんだからな。運命って怖いなーっ」
手にしていたペットボトルを口に含もうとした時、あっけない言葉が西崎の心を突き刺した。
「僕だって西崎さん達に会うなんて思ってもみなかったですよ。どうせあの時はガキでただの研修生としか思ってなかったですから」
「ゴフッ!!・・・ゲホ・・・ゲホ・・・。お前、もうちょいオブラートに包もうぜ?言っちゃいけないことだってあるだろ?何でもかんでも言っていいわけないんだからさ」
水が変な所に入ってしまい、むせてしまった。
何を言うのかわからないと言い返しができなくなってしまう。
でも、当たり前の事を堂々と言ってくるのだから返す言葉がなくなってしまい息詰まる。
「オブラートが破れてんじゃない?」
「それもそうなんじゃないか?むしろ、こいつにはオブラート自体がなかったりしてな?」
この2人は何故か話が合う。
不思議な縁というものは案外と怖い。
猪野糸と西崎が笑っている時だった。
ガラガラと扉が開く音が聞こえてきた。
一行は扉の方に目を向けた。
誰かが立っている。でも、ここは・・・。
「あの・・・何か用ですか?ここ貸し切りにさせてもろてるんですけど、誰かに用があるんですか?」
1歩1歩こちらに向かって歩いていく。
短い栗色の髪がだんだんと近くに見えていく。
シンは知らない顔をしてペットボトルに入った水を口に含んだ。
すると、これが思わぬ事態を招いてしまった。
「無視するなんて最悪な男じゃん。久々に会うのに目も合わさないなんて・・・ほんと変わってない奴」
「ブーッ!!!」
声を聴くと、つい噴き出してしまった。
何だかシンの様子がおかしい。
青ざめたような顔をしている。
いったいこの人とシンはどんな関係があるのだろうか。
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