魔探偵探偵事務所

カクカラ

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1章5節 盤上の世紀末

1-4 (111話)

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この女の子シンは面識があるようにもうかがえた。
シンの今のといい、さっきの女の子の台詞といい。
何だか知り合い以上の関係があるようにも見えた。
シンはその女の子を目向きもしなかった。
ただただ目をそらすばかりで、目を合わせることは今の所はない。

「ん?!」

警察官2人にも見せたことのない姿。
こんな姿を間近で見るなんてことはなかった。
会ってからもう何年経っただろうか。
青ざめたような顔をしたことなんてあっただろうか。
口がボソボソと動いている。
下を向いていて顔を上げることはなかった。
気分が悪いのだろうか。
西崎はシンの姿を必死に見つめていた。
あの毒舌どくぜつがくればこれは気のせいになる。
とっさに西崎はシンに話しかけてみた。

「なぁ、お前どうした?お腹痛いのか?何なら医務室まで連れていくぞ?」

右肩をポンと軽く叩いた。
シンが顔を上げて西崎を見上げたが、何か様子がおかしい。
目がうつろいている。顔色が暗い。
それどころか西崎はシンの目を見て思った。
こいつ目が死んでるな、と。
否定すらない。完全なる肯定こうていになってしまった。

「お願いします・・・とりあえず医務室に」

一刻も早くこの場から退場したい。
不穏な空気を吸っているのも辛く感じて仕方ない。
こんな女と相手をしている暇ではないと思い、西崎と共に医務室まで向かっていくが・・・。

「ちょっと待った」

声にピクリと動く2人。
ゆっくりと女の子の方に向けて顔を横に動かした。
堂々として何だか腹が立つ。
両手を腰にやって偉そうな格好で2人を見つめる。
年上の人間にこんな態度をとるなんて今の子供はどんだけきもが座っているんだ。
ちょっとこれはかつをいれるしかないかもしれない。
ゴクリとつばを飲みこみ、覚悟をした面持おももちで相手からの発言を待つ。

「そいつ、仮病けびょう使ってるよ?どうせこの場に居たくないとか何とか思ってるんじゃないかなって」
「何でそう思うんだ?こいつは顔色悪いんだぜ?んなわけないだろ」

根拠のない言いがかりをしてくる。
長年こいつと居たんだから嘘なんてついたって意味がない。
何て言ったって警察なんだからな。
そう思いながら女の子を見つめると、意外な言葉で返された。

「だって昔っからこうなると、気分を悪くしてその場を退場するから。その場しのぎで今までやってきたつもりだろうけど、もうそういうの慣れた」
「な、慣れっ・・・?!」

まるでシンを知っているような言い訳を返された。
こんなのを言われたらどう言い返せばいいのかわからない。
はい、そうですかと言ったら変になるし。
なら知りませんでしたって言ったらどうなるんだ?
どっちに転んでも同じ答えしか出てこない。
知ってるなんて言ったらどうだろうか?
どうせばれないに決まっている。
思ったことを実行しようとした途端とたん、西崎に危険が襲うことになるとは思ってもみない結末を迎えてしまう。
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