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1章1節 始まりの魔探偵
1-11 (11話)
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数十分後、魔探偵に着いた。
そこには見慣れない黒いセダンがあった。
人が降りてくる。
誰なのだろうか。
「もしかして、初代なのでは?」
黒い帽子にスーツ。間違いない。清一郎だ。
秘書らしき人物が事務所の玄関に出てきている。
シンは勢いよく扉を開けて清一郎の元へ走っていった。
直也は止めたのだが、それでも振り切った。
直也とアルツも車から降りてシンの姿を追った。
「お父さん!」
玄関先で立ち止まった清一郎。
ゆっくりと振り返りながらシンを眺めていた。
秘書らしき人も見ていたが、気にもしなかった。
先に行けと目で合図すると、秘書らしき人はそのまま中に入っていった。
ずぶ濡れなシンを気にもしなかったが、それを後ろで見守る2人の姿があった。
「何しに来た」
「何しに来たじゃないだろ!何で俺の事心配しようとしないんだよ!それでも親かよ!」
これまでの怒りをここで晴らそうとしているシン。
子供のことは気にしないで仕事のばかり考える清一郎が許せなかった。
母親の事もそうだった。
そばに寄り添わないで帰って、次の日には態度が変わっていたなんて信じられるわけもない。
数日後には直也の所に預けたまんまで。
家があるのかどうかすらわからない状態の次は事件に巻き込まれる。
訳が分からないことが起きて左目は赤くなるし。
いきなり狂わされてしまった。
これも全部清一郎のせいだとばかり言っていく。
それを止めに行こうと直也は行くが、アルツに止められてしまった。
今はこのまま親子で話し合うべきなのではないかと。
「直とビリーはどうなるんだ?」
「即死に近いのだから死んでも仕方ない。お前も気付いているんだろ。頭一発貫通寸前までいった人間の様を。むしろ、死んだ人間がお前に契約まで交わすとは思っていなかったがな」
契約。 それはどういう意味なのだろうか。
直とビリーに何か直接的に関係があるのだろうか。
清一郎はそれを知っている。
聞き出してみるしかない。
「契約・・・。何の意味だよ」
「教えてやろうか。 お前のその左目は契約の代償として支払われたもの。 しかも、一般人である人間が契約をするなんてもってのほか。 違法に値することなのだ。 魔探偵であれば誰でもいいだろうが、一般人同士が契約を交わすなんてことは禁じられた存在。 シン、お前は違法契約者というレッテルをもらったのだよ。 契約した時点でな」
違法契約者。 やってはいけない行為を行ってしまった。
でも、誰がこのことを知っているんだ。
ビリーはこの事をアルツには聞いてないし、直なんて何も知らない。
なら誰がこの行為そのものを知っているというのだ。
みんなは知っていることなのだろうか。
直也もその事をアルツに聞いてみた。
アルツはその事を分かる範囲で教えてくれた。
何でもこの違法契約者は一般人同士がなんの音沙汰もなく他人に契約、もしくは他人の体を乗っ取ること、他人に阻害する行為であればすべて違法とされてきた。
魔探偵は例外で、生きている人間全員に当てはまるという。
悪魔と契約しても違反。
一般人同士でも違反。
何をしても違反にされるのだ。
違法契約者と死んだ契約者との間には契りというものが存在する。
その契りを交わすと契約紋章というものがあるという。
契約紋章は本人しか分からないが、それを代償として体の一部に刻まれるのだという。
これ以上の事は清一郎と2代目にしかわからないとアルツは言った。
こんなことが身内であるシンに襲い掛かってくるとは思いもしなかった。
「じゃあ、どうしたらいいんだよ」
「定められた契約を達成しなければ元には戻らない。 それはお前自身が知っているはずだろ」
定められた契約。
わからない・・・。
小さな声で語り掛けていたものだから。
時期に思い出すかもしれない。
きっとどんな事を言って契約したのかを。
さらに清一郎はうっすらと笑みを浮かべていた。
「さらに朗報だ。 お前を3代目の魔探偵に決められたそうだ。 感謝するんだな。 この事務所に」
そう言って事務所に入っていった。
シンが3代目の魔探偵になった。
直也とアルツはこの事を聞いて驚いた。
まさかとは思っていたが、シンがなるなんて夢にも思っていなかった。
立ちすくむ直也を気にもせず、シンは下を向いて笑っていた。
ここで超えてやるのだ。
清一郎を超える存在に。
あの日を思い出させてやるのだと。
そこには見慣れない黒いセダンがあった。
人が降りてくる。
誰なのだろうか。
「もしかして、初代なのでは?」
黒い帽子にスーツ。間違いない。清一郎だ。
秘書らしき人物が事務所の玄関に出てきている。
シンは勢いよく扉を開けて清一郎の元へ走っていった。
直也は止めたのだが、それでも振り切った。
直也とアルツも車から降りてシンの姿を追った。
「お父さん!」
玄関先で立ち止まった清一郎。
ゆっくりと振り返りながらシンを眺めていた。
秘書らしき人も見ていたが、気にもしなかった。
先に行けと目で合図すると、秘書らしき人はそのまま中に入っていった。
ずぶ濡れなシンを気にもしなかったが、それを後ろで見守る2人の姿があった。
「何しに来た」
「何しに来たじゃないだろ!何で俺の事心配しようとしないんだよ!それでも親かよ!」
これまでの怒りをここで晴らそうとしているシン。
子供のことは気にしないで仕事のばかり考える清一郎が許せなかった。
母親の事もそうだった。
そばに寄り添わないで帰って、次の日には態度が変わっていたなんて信じられるわけもない。
数日後には直也の所に預けたまんまで。
家があるのかどうかすらわからない状態の次は事件に巻き込まれる。
訳が分からないことが起きて左目は赤くなるし。
いきなり狂わされてしまった。
これも全部清一郎のせいだとばかり言っていく。
それを止めに行こうと直也は行くが、アルツに止められてしまった。
今はこのまま親子で話し合うべきなのではないかと。
「直とビリーはどうなるんだ?」
「即死に近いのだから死んでも仕方ない。お前も気付いているんだろ。頭一発貫通寸前までいった人間の様を。むしろ、死んだ人間がお前に契約まで交わすとは思っていなかったがな」
契約。 それはどういう意味なのだろうか。
直とビリーに何か直接的に関係があるのだろうか。
清一郎はそれを知っている。
聞き出してみるしかない。
「契約・・・。何の意味だよ」
「教えてやろうか。 お前のその左目は契約の代償として支払われたもの。 しかも、一般人である人間が契約をするなんてもってのほか。 違法に値することなのだ。 魔探偵であれば誰でもいいだろうが、一般人同士が契約を交わすなんてことは禁じられた存在。 シン、お前は違法契約者というレッテルをもらったのだよ。 契約した時点でな」
違法契約者。 やってはいけない行為を行ってしまった。
でも、誰がこのことを知っているんだ。
ビリーはこの事をアルツには聞いてないし、直なんて何も知らない。
なら誰がこの行為そのものを知っているというのだ。
みんなは知っていることなのだろうか。
直也もその事をアルツに聞いてみた。
アルツはその事を分かる範囲で教えてくれた。
何でもこの違法契約者は一般人同士がなんの音沙汰もなく他人に契約、もしくは他人の体を乗っ取ること、他人に阻害する行為であればすべて違法とされてきた。
魔探偵は例外で、生きている人間全員に当てはまるという。
悪魔と契約しても違反。
一般人同士でも違反。
何をしても違反にされるのだ。
違法契約者と死んだ契約者との間には契りというものが存在する。
その契りを交わすと契約紋章というものがあるという。
契約紋章は本人しか分からないが、それを代償として体の一部に刻まれるのだという。
これ以上の事は清一郎と2代目にしかわからないとアルツは言った。
こんなことが身内であるシンに襲い掛かってくるとは思いもしなかった。
「じゃあ、どうしたらいいんだよ」
「定められた契約を達成しなければ元には戻らない。 それはお前自身が知っているはずだろ」
定められた契約。
わからない・・・。
小さな声で語り掛けていたものだから。
時期に思い出すかもしれない。
きっとどんな事を言って契約したのかを。
さらに清一郎はうっすらと笑みを浮かべていた。
「さらに朗報だ。 お前を3代目の魔探偵に決められたそうだ。 感謝するんだな。 この事務所に」
そう言って事務所に入っていった。
シンが3代目の魔探偵になった。
直也とアルツはこの事を聞いて驚いた。
まさかとは思っていたが、シンがなるなんて夢にも思っていなかった。
立ちすくむ直也を気にもせず、シンは下を向いて笑っていた。
ここで超えてやるのだ。
清一郎を超える存在に。
あの日を思い出させてやるのだと。
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