称号がすべてのこの世界で少年は、世界最強を目指す!

フィンガー

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第1章

成人の儀の4日前

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あれから約2年も経って俺ももうすぐで15歳だ。あの出来事があってから俺は、まず最初に俺は第一人称を僕から俺に変えた。
変えてからすぐの頃は、母さんからは熱が出たんじゃないかと心配され、ドンマ達には「ぶふぅぅぅぅ!ラルクがカッコつけてやがる!ギャハハハハハハ!」とバカにさ、ミントからは「あ?え?なに?もしかして、私に指摘されたから直したの?まさか直したら考え直してもらえるとでも思ったの?プフゥゥゥゥゥ!そんな訳ないじゃん!頭お花畑な訳?超ウケるんだけど!アハハハハハハ!」と笑われた。

「んなこと思ってねーよ!お前の頭を物理的にお花畑の一部にしてやろうか!」と言いたくなったが、寸前のところで止められた俺はすごいと思う。褒めて欲しいくらいだよ。

だがそれ以上に、シュウに鼻で笑われたのが腹が立った。こっちを見て「ふっ」だ。

あいつには絶対に地獄を味あわせてやる。

次に身体を鍛えた。
いつも日が昇る前に起きて、ドンマ達が来る前に森の中に入って筋トレをした。ドンマ達でも流石に森の中に入って来ないから邪魔をされない。何故なら、あまり奥に行きすぎるとゴブリンやグレーウルフの群れに遭遇してしまうからだ。もし遭遇したらおしまいだ。俺も何度か遭遇しそうになった事があった。一番やばかった時は、森の全然浅い場所にゴブリンが1匹迷い込んできていて、その逸れゴブリンと遭遇した時だった。あの時は本当に死を覚悟した。
ゴブリンが襲い掛かろうと飛び付いてきた瞬間に思いっきり剣を前に突き出したら勢いで首に突き刺さるという奇跡が起きたのだ。偶然が積み重なって起きた奇跡のせいで自分が殺したという認識が薄かったからかは分からないが、殺した時の罪悪感や嫌悪感のような物はなかった。まあ、グロくて気持ち悪いとは思ったから自分はサイコパスではないと思う。
家に帰ってステータスを見た時にレベルが上がっていてガッツポーズをしたのは今でも鮮明に覚えている。

だって、ステータスのレベルを上げるにはモンスターを倒して経験値を稼ぐ以外方法がないからだ。この村には子供は当たり前だけど大人でもレベルが1から上がってないやちだっているんだ。つまり、この村で初めて子供の時からレベルが1以上になった奴かもしれないからだ。そりゃあ誰でもはしゃぐだろ。
しかも、筋トレをすることによってATKとかAGLとかは少し上がるけど、レベルが上がる時と比べたら筋トレがバカらしく思えてくるくらいしか上がらない。
レベルが上がっただけで前の自分とは全く違う自分になったかと思うくらいの変化だ。

だから、あれから俺は筋トレも欠かせなかったが逸れモンスターを探して狩るようにもなった。そのおかげで今や筋肉も付いてきて少しガッチリしてきたし、群れで襲いかかってきてこられても平気で勝てる。まあ、残念なのは最近はあまりレベルが上がらなくなった事だ。初めの頃はモンスターを狩れるくらい強くなってきているという幸福感も薄くなり、レベルが上がった時の喜びがなかなかレベルが上がらなくなったせいであまり味わえなくなってきている。
ちなみに、ステータスは頭の中でステータスと唱えるだけで前に現れる。しかも、自分以外に見えるようにしたりしなかったりと自由にできる。これは昔から神様が与えてくれた奇跡だと大雑把に教えられている。

そして、俺がこんなに頑張っているのはミントやシュウやドンマ達を見返すためだけじゃない。
俺には夢があるのだ。
その夢は誰もが小さい頃には夢を見るが諦めていく夢、『世界最強』という称号を手にする事だ。
昔はシュウやドンマ達も「『世界最強』という称号を手にするのは俺だ!」と豪語していたが、今やシュウでさえも(諦めたのかは分からないが)言わなくなった。
そういえば、俺が前に家に帰っている時にドンマ達が茶化すように「おい!泣き虫ラルク!最近テメーなにしてんだ!」と、俺をボコれなくなったからイライラしてたのかは分からないが、怒って来たので。
「『世界最強』という称号を手にするために筋トレとかをしてる」と言うと、「はー⁈いやいやいやいや!無理だろ!俺でさえ諦めたってのにお前にできるわけないだろ!寝言は寝て言えよ!ギャハハハハハハ!」と、笑われた。
そして、その事をドンマ達が言いふらしたせいで、今や俺は大人達にまで笑われる村の笑い者になった。
最近じゃ父さんに「お前ももうすぐ15歳。大人の仲間入りをするんだ。ちゃんと現実を見て目を覚ませ」と、言われて心配された。
あの時はすごく悔しかった。
最近は笑われるのが嫌だからあまり人とできるだけ接触しないようにしたりはしているが、俺は諦めていない。諦めていたらこんな無茶な事はしない。

まあ、この約2年間でこう言う事があったが俺はここまで頑張ってきた。4日後はいよいよ成人の儀だ。成人の儀を執り行うためにシュウやミントやドンマ達も含めて全員が明日馬車に乗って近くの町ネースにある教会に向かう。
だから俺は、今日は早めに帰って寝ようと思っている。だけどその前に今から毎日行っているステータスチェックだ。

「よっと!」

俺はぶら下がっていた木の枝を降りてステータスを開く。



名前 ラルク


年齢 14歳
種族 人族 〈ヒューマン〉


レベル 28


HP 1537/1537
MP 300/300
ATK 340
DEF 151
AGL 264

【メイン称号】


【サブ称号】
いじめられっ子
諦めぬ者
努力家
人間不信



「よし!いい感じだ。ていうか、『いじめられっ子』っていう称号いつ無くなるんだ」

俺はガッツポーズをしながらも少しガッカリする。

「まあ、4日後はメイン称号が授与される俺の夢への第一歩になる大事な日になるんだ。ポジティブ!ポジティブ!」

俺は頬を叩いて気合いを入れる。
この世界は称号がすべての世界だと言われている。その重要性は王族や貴族の長男でもまともなメイン称号をもらえなかったら、その日から直ぐに継承権を剥奪されるほどだ。
何故なら、サブ称号はこれからの人生をどう生きるかで手に入れたり無くしたり称号自体が変化したりするが、メイン称号はこの成人の儀で神様にもらったら最後称号自体が変化(これを進化と言ったりもするが)する事があっても増えたり減ったりする事は絶対にないのだ。
だが、一番の理由はステータスなどに影響するレベルの違いだ。サブ称号はステータスなどに影響したりしなかったりするが影響してもたいした影響はない。だが、メイン称号はこれからの人生を大きく変えるほどステータスなどに大きく影響していくのだ。しかも、数が一つだけだったり二つだったり1人で三つをも、もらったりする事がある。だがまあ、大体の人が親と同じメイン称号を同じ数だけもらう。だが、たまに例外が出てくるのだ。
そんな日が、4日後にあるというのだ。みんな緊張して仕方がないだろう。俺も気合いを入れないとネガティブな事を考えてしまうくらいだ。

大丈夫だよね?

「いやいやいやいや!なにネガティブな事考えてるんだ!ネガティブな事を考えるな!俺はどんなメイン称号をもらっても俺は自分の夢を諦めないんだ!..........よし!帰るか」

俺は自分にそう言い聞かせて早めに家に帰った。

大丈夫だよね?
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