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第1章
町までの道中
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「ラルク」
「....................」
「ラルク!」
「ひぁい!」
母さんに叩き起こされて俺は飛び起きる。何故か、母さんが怒っている。どうしたんだろう。
「いつまで寝てるの!早く準備しなさい!もう馬車は来てるのよ!」
「..........へ⁈嘘⁈」
「嘘じゃないわよ!最近早起きしてたのにどうしたのよ!早くしないと置いていかれて一人だけ来年に先送りになるわよ!」
ヤバイ!それだけはダメだ!
それを聞いた俺は急いで服を着替える。そのあと仕上げにテキトーに身だしなみを整える。
「よし!」
俺は頬を叩き意識を完全に覚醒させる。
準備は整った。俺は荷物を取り家の扉を開ける。昨日の内に荷物を整えていたおかげで間に合いそうだ。
よかった。
「行ってきます!」
「きよつけるのよ!」
「はーい!」
俺は手を振る母さんを背に集合場所まで超特急で走る。これなら間に合いそうだ。本当によかった。
それにしてもなんでこんな大切な日に寝坊なんてしたんだろう?いつもより早く寝たのに。まさか張り切りすぎて寝坊したなんてないよね?
「まさかね」
◆
「みんないるなー!出発するぞー!」
「「「おー!」」」
前方で俺の事を完全に忘れて二台の馬車が出発しようとしているのが見える。もしかしたら、忘れたふりかもしれない。
どっちであってもムカつく事には変わりないな。
「待ってくださーい!」
俺は手を振りながら大声で呼ぶ。
すると、二台の内の一台が止まってくれた。正直、もしかしたら止まってくれないかもしれないとヒヤヒヤしていた。
「あー、あの頭花畑ラルクか。おそいぞー!早くしろー!」
御者のおっさんがそう言って怒ってくる。
頭花畑ラルクってなんだよ!俺そんなあだ名知らないんですけど⁈まさか、ミントが作ったあだ名じゃないよな?
怪しい....................
「す、すみません!」
俺はとりあえず適当に謝りながら馬車に乗り込む。馬車の中にはドンマはいなかったがシュウとミントがいた。相変わらずシュウの周りには女子が多い。そのせいで、こっちの馬車の中には殆ど女しかいない。
村には女子より男子の方が多いのでもう一つの馬車に乗れなかった運の悪い男子達は居心地悪そうに乗っている。いつも元気な男子達が今は借りてきた猫のようだ。
俺も居心地は悪いがちょっかいをかけらられないのであっちの馬車に乗るより良かったかもしれない。
俺はそう思って少し気分が楽になる。
俺はみんなの顔を見ないようにするために下を向いて座った。
◆
「クスクスクスクス!」
「?」
馬車が数分間ほど進んだ頃ふと、小さな笑い声が聞こえたので顔を上げてみると女子達が俺を見て笑っていた。ミントが女子達とわざと俺が聞こえないようにヒソヒソ声で話しているからだった。まあ、まず確実に悪口だろう。
「..........で、...............か.....い..........お..........」
「ま.....で..........ば.....」
「声が大きいわよー!気づかれちゃうでしょー!」
「「「クスクスクスクス!」」」
ミントと女子達は声を会話を聞こえそうで聞こえないくらいの音量を維持して話している。無駄にうまい音量調節だ。練習したのかと思ってしまうくらいだ。
てか、気づいてるの分かってくせになにが気づかれちゃうだ!わざと、注意する声だけ聞こえる音量で言いやがって。そんなに悪口言ってますよアピールしなくても分かってんだよ!
そう考えると頭に血が上ってきた。
歯をギリリッ!と小さくな鳴らしてしまう。
そうだ!こんな時は深呼吸だ!気にするなラルクよ!こうなる事は予想できていただろ!
「スー、ハー.....スー、ハー.....」
俺はゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
うん!よし!落ち着いてきたぞ!これならいける!
俺はなんとか冷静になりまた下を向く。
「「「クスクスクスクス!」」」
「....................」
まだ女子達は悪口を言って笑っている。だが俺は動じない。
ふん!そんなガキみたいな嫌がらせなんかに反応しねーよ!てか、してやんねーよ!
「ふっ」
「!」
急に鼻で笑ったような声が聞こえたので、俺は勢いよく顔を上げシュウを見る。シュウはいつも通り無表情で外を眺めていた。女子達はその姿をキャーキャー言って見てるが、俺にはクールに見せるように格好つけてるようにしか見えない。腹立つわー..........じゃなくて、そんな事よりさっき今お前鼻で笑ったよな?
「...............」
「...............」
俺は無表情なまま無言でシュウを見つめる。シュウはなにも反応しない?
あー...............うん!これ無理だな。我慢できるかわかんないわ。
俺は鼻で笑った奴が誰か確信し、心の中で即前言撤回した。
あっ!そいえばこんな事もあろうかと思って耳栓用意してたんだよな!
耳栓の存在を思い出した俺は、さっそく耳栓を取り出して耳にはめて下を向いた。
よし!これならいける!
...............大丈夫だよな?
◆
「おっ!見えてきたぞー!」
「おぉー!」
御者のおっさんの言葉を聞いて皆んなが馬車から顔を出して歓声をあげる。
あれから2日経ったお昼頃だった。
馬車の前方にはネースの町が広がっていた。
ネースを見て目を輝かせている奴や緊張してきて逆にテンションが下がってしまっている奴など様々だ。
ちなみに、俺の乗っている馬車の男子達は全員が喜びのあまり泣いている。
まあ、そりゃそうだよな。女子ばっかりの狭い空間でほぼ2日も居心地悪くいなきゃいけないなんてきついよな。
女子の好感度を下げないように必死に2日間ずっと頑張るなんてきついよな。
だけど、俺は違うぞ。
俺もネースを見て思わず涙が出たが理由が全くもって違う。
何故なら、そもそも俺は女子から嫌われている。好感度なんてもう下がりきれないところまで下がっているだろう。
じゃあなんで泣いて喜んでるかって?
決まってんだろ!あいつら女子ども飽きもせずずーっと俺の悪口を笑いながら言ってきたからだ!
耳栓もずっと付けるのはきついからたまに外すと悪口言って笑っているのが聞こえてくるんだ。
寝る時は皆んなが寝てるところから少し離れた所で寝るおかげで悪口なんかも聞かないで済むから良かったけど、もし寝る時も悪口やちょっかいなんかかけられたら我慢できなかっただろう。
何度かボコボコにぶん殴ってやりたい衝動に駆られたけど、なんとか我慢できた。
そして、そんな苦痛の時間も終わろうとしているんだ。
そりゃあ嬉しさのあまり泣くでしょ。
まだ今も悪口が聞こえてくるけど、今の俺は全然気にならない。
もうすぐ終わるんだ。少し我慢するくらいどうって事ない。
「ふっ」
「!」
また誰かが鼻で笑ったのが聞こえた。俺はシュウを見る。
シュウは少し口角を上げながらネースを見ていた。
だが、俺には確信が持てる。鼻で笑った奴は絶対にシュウだ。だけど、シュウがなぜ鼻で笑ったのか分からない。もしかしたら、嬉しさのあまり泣いている男子達全員を笑ったのか、はたまた喜びのあまり泣いている俺を見て笑ったのか。どちらか分からないが一つ確かなことだけは分かる。それは、シュウが鼻で笑うのは誰かをバカにしたている時だという事と、笑った理由がどちらであっても俺はバカにされている事だ。
またしても前言撤回しよう。
次シュウが鼻で笑ったら俺は我慢できるかわからない。
◆
あれから、シュウが鼻で笑う事はなく町の入り口検問所までたどり着いた。もうすぐ夜になる。今日はネースにある宿屋で一泊する事になるだろう。
「今回はなんのために来たんですか?」
検問所の検査員と警備員の両方をやっているおっさんが、御者のおっさんにそう聞いてきた。
「成人の儀をしに来たんですよ」
御者のおっさんがそう言うと警備員のおっさんは、「そうですか。じゃあ荷物検査だけしますね」と言って荷物検査を始めた。
そして、荷物検査を数分間した警備員のおっさんはにっこりして、「はい。もう通っていいですよー!」と言って通してくれた。
案外甘い検査だなーと正直俺は思った。
まあ、俺にはなんの関係もないからいいけどね。
今からは成人の儀の事だけ気にしてたらいいんだ。
そう思って俺はワクワクドキドキしながらネースの街並みを見ることにした。
「....................」
「ラルク!」
「ひぁい!」
母さんに叩き起こされて俺は飛び起きる。何故か、母さんが怒っている。どうしたんだろう。
「いつまで寝てるの!早く準備しなさい!もう馬車は来てるのよ!」
「..........へ⁈嘘⁈」
「嘘じゃないわよ!最近早起きしてたのにどうしたのよ!早くしないと置いていかれて一人だけ来年に先送りになるわよ!」
ヤバイ!それだけはダメだ!
それを聞いた俺は急いで服を着替える。そのあと仕上げにテキトーに身だしなみを整える。
「よし!」
俺は頬を叩き意識を完全に覚醒させる。
準備は整った。俺は荷物を取り家の扉を開ける。昨日の内に荷物を整えていたおかげで間に合いそうだ。
よかった。
「行ってきます!」
「きよつけるのよ!」
「はーい!」
俺は手を振る母さんを背に集合場所まで超特急で走る。これなら間に合いそうだ。本当によかった。
それにしてもなんでこんな大切な日に寝坊なんてしたんだろう?いつもより早く寝たのに。まさか張り切りすぎて寝坊したなんてないよね?
「まさかね」
◆
「みんないるなー!出発するぞー!」
「「「おー!」」」
前方で俺の事を完全に忘れて二台の馬車が出発しようとしているのが見える。もしかしたら、忘れたふりかもしれない。
どっちであってもムカつく事には変わりないな。
「待ってくださーい!」
俺は手を振りながら大声で呼ぶ。
すると、二台の内の一台が止まってくれた。正直、もしかしたら止まってくれないかもしれないとヒヤヒヤしていた。
「あー、あの頭花畑ラルクか。おそいぞー!早くしろー!」
御者のおっさんがそう言って怒ってくる。
頭花畑ラルクってなんだよ!俺そんなあだ名知らないんですけど⁈まさか、ミントが作ったあだ名じゃないよな?
怪しい....................
「す、すみません!」
俺はとりあえず適当に謝りながら馬車に乗り込む。馬車の中にはドンマはいなかったがシュウとミントがいた。相変わらずシュウの周りには女子が多い。そのせいで、こっちの馬車の中には殆ど女しかいない。
村には女子より男子の方が多いのでもう一つの馬車に乗れなかった運の悪い男子達は居心地悪そうに乗っている。いつも元気な男子達が今は借りてきた猫のようだ。
俺も居心地は悪いがちょっかいをかけらられないのであっちの馬車に乗るより良かったかもしれない。
俺はそう思って少し気分が楽になる。
俺はみんなの顔を見ないようにするために下を向いて座った。
◆
「クスクスクスクス!」
「?」
馬車が数分間ほど進んだ頃ふと、小さな笑い声が聞こえたので顔を上げてみると女子達が俺を見て笑っていた。ミントが女子達とわざと俺が聞こえないようにヒソヒソ声で話しているからだった。まあ、まず確実に悪口だろう。
「..........で、...............か.....い..........お..........」
「ま.....で..........ば.....」
「声が大きいわよー!気づかれちゃうでしょー!」
「「「クスクスクスクス!」」」
ミントと女子達は声を会話を聞こえそうで聞こえないくらいの音量を維持して話している。無駄にうまい音量調節だ。練習したのかと思ってしまうくらいだ。
てか、気づいてるの分かってくせになにが気づかれちゃうだ!わざと、注意する声だけ聞こえる音量で言いやがって。そんなに悪口言ってますよアピールしなくても分かってんだよ!
そう考えると頭に血が上ってきた。
歯をギリリッ!と小さくな鳴らしてしまう。
そうだ!こんな時は深呼吸だ!気にするなラルクよ!こうなる事は予想できていただろ!
「スー、ハー.....スー、ハー.....」
俺はゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
うん!よし!落ち着いてきたぞ!これならいける!
俺はなんとか冷静になりまた下を向く。
「「「クスクスクスクス!」」」
「....................」
まだ女子達は悪口を言って笑っている。だが俺は動じない。
ふん!そんなガキみたいな嫌がらせなんかに反応しねーよ!てか、してやんねーよ!
「ふっ」
「!」
急に鼻で笑ったような声が聞こえたので、俺は勢いよく顔を上げシュウを見る。シュウはいつも通り無表情で外を眺めていた。女子達はその姿をキャーキャー言って見てるが、俺にはクールに見せるように格好つけてるようにしか見えない。腹立つわー..........じゃなくて、そんな事よりさっき今お前鼻で笑ったよな?
「...............」
「...............」
俺は無表情なまま無言でシュウを見つめる。シュウはなにも反応しない?
あー...............うん!これ無理だな。我慢できるかわかんないわ。
俺は鼻で笑った奴が誰か確信し、心の中で即前言撤回した。
あっ!そいえばこんな事もあろうかと思って耳栓用意してたんだよな!
耳栓の存在を思い出した俺は、さっそく耳栓を取り出して耳にはめて下を向いた。
よし!これならいける!
...............大丈夫だよな?
◆
「おっ!見えてきたぞー!」
「おぉー!」
御者のおっさんの言葉を聞いて皆んなが馬車から顔を出して歓声をあげる。
あれから2日経ったお昼頃だった。
馬車の前方にはネースの町が広がっていた。
ネースを見て目を輝かせている奴や緊張してきて逆にテンションが下がってしまっている奴など様々だ。
ちなみに、俺の乗っている馬車の男子達は全員が喜びのあまり泣いている。
まあ、そりゃそうだよな。女子ばっかりの狭い空間でほぼ2日も居心地悪くいなきゃいけないなんてきついよな。
女子の好感度を下げないように必死に2日間ずっと頑張るなんてきついよな。
だけど、俺は違うぞ。
俺もネースを見て思わず涙が出たが理由が全くもって違う。
何故なら、そもそも俺は女子から嫌われている。好感度なんてもう下がりきれないところまで下がっているだろう。
じゃあなんで泣いて喜んでるかって?
決まってんだろ!あいつら女子ども飽きもせずずーっと俺の悪口を笑いながら言ってきたからだ!
耳栓もずっと付けるのはきついからたまに外すと悪口言って笑っているのが聞こえてくるんだ。
寝る時は皆んなが寝てるところから少し離れた所で寝るおかげで悪口なんかも聞かないで済むから良かったけど、もし寝る時も悪口やちょっかいなんかかけられたら我慢できなかっただろう。
何度かボコボコにぶん殴ってやりたい衝動に駆られたけど、なんとか我慢できた。
そして、そんな苦痛の時間も終わろうとしているんだ。
そりゃあ嬉しさのあまり泣くでしょ。
まだ今も悪口が聞こえてくるけど、今の俺は全然気にならない。
もうすぐ終わるんだ。少し我慢するくらいどうって事ない。
「ふっ」
「!」
また誰かが鼻で笑ったのが聞こえた。俺はシュウを見る。
シュウは少し口角を上げながらネースを見ていた。
だが、俺には確信が持てる。鼻で笑った奴は絶対にシュウだ。だけど、シュウがなぜ鼻で笑ったのか分からない。もしかしたら、嬉しさのあまり泣いている男子達全員を笑ったのか、はたまた喜びのあまり泣いている俺を見て笑ったのか。どちらか分からないが一つ確かなことだけは分かる。それは、シュウが鼻で笑うのは誰かをバカにしたている時だという事と、笑った理由がどちらであっても俺はバカにされている事だ。
またしても前言撤回しよう。
次シュウが鼻で笑ったら俺は我慢できるかわからない。
◆
あれから、シュウが鼻で笑う事はなく町の入り口検問所までたどり着いた。もうすぐ夜になる。今日はネースにある宿屋で一泊する事になるだろう。
「今回はなんのために来たんですか?」
検問所の検査員と警備員の両方をやっているおっさんが、御者のおっさんにそう聞いてきた。
「成人の儀をしに来たんですよ」
御者のおっさんがそう言うと警備員のおっさんは、「そうですか。じゃあ荷物検査だけしますね」と言って荷物検査を始めた。
そして、荷物検査を数分間した警備員のおっさんはにっこりして、「はい。もう通っていいですよー!」と言って通してくれた。
案外甘い検査だなーと正直俺は思った。
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