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第1章
成人の儀1日前の宿屋で
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「おーい、お前達こっち見ろ!」
御者をしてたおっさんの方を振り向く。今俺達は宿屋の一階広場に集まっている。
「全員向いたなー。よし、これから男子同士女子同士で二人一組のペアを作れ!そして、ペアを作った奴らは俺のところに来て鍵をもらえ!いいな?」
おっさんが少し大きな声でそう言う。
「「「はい!」」」
「よし!じゃあ作れ!」
おっさんの指示が終わったらみんな一斉にペアを作り始めた。
「おい。俺は男子同士と女子同士でペアを作れって言ったろ」
俺はハブられているので一人余るまで突っ立っているつもりで突っ立っていると、そうおっさんが言ってるのが聞こえたのでおっさんの方に振り向く。
すると、おっさんの前にはシュウとシュウの腕にくっ付いているミントがいた。その光景を男子達も女子達も不満半分諦め半分といった顔で見ている。
「えー、いいじゃないですかー!私達付き合ってますし!ねー♡」
「ああ」
「し、しかしだなー」
「いいじゃないですかー!だって私達明日で成人するんですよー!シュウもいいよね?」
「ああ」
「む、むー.....................」
「お願いします!このとうり!」
ミントが手を合わせて拝む様にお願いする。
「わ、分かった............ほらよ」
おっさんは渋々鍵を渡す。
「やったー!ありがとうございます!行こ!」
「ああ」
ミントは体全体で喜びをあらわにしながら鍵を受け取り、シュウを引いて部屋に行った。
おっさんは部屋に行くシュウとミントの背を見ながら、「最近の若い奴はませてんな」と小さな声で言った。
おっさん、俺も俺もすっごく思う。てか、ませすぎだと思う。
まあ、俺には関係ない事だしいっか。
俺は早くペア決めろよ!と思いながら周りを見る。
周りでは男子達は「悔しいけどシュウだから仕方ないよな」と言い、女子達は「悔しいけどミントだし仕方ないよね」と言ってテンションだだ下がりな雰囲気でペアを作って直ぐに部屋に行く光景が広がっている。正直そんなことはどうでもいいので早くペアを作って欲しい。
ちなみに、ドンマは「くそう!羨ましい!だけど仕方ないしなー.................くそう!」と、ぶつぶつ言っていた。
そして、数分で最後のペアがやっとできて一人余った。
「うわ!頭花畑ラルクかよ!頑張れよロン!」
「うわ!残念だったなーロン。まぁ、頑張れよ!」
「うわ!マジでかー!最悪!てかお前ら人ごとみてーに言うなよ!」
「「いや、人ごとだし」」
「ひっでー!」
「まぁ、頑張れよ!じゃあな!」
「じゃあな!」
「仕方ねーな。じゃあな!」
最後のペアと残った一人がそんな話をして最後のペアが部屋に行く。
「はー、マジ最悪.....................ほら、部屋行くぞ」
余った一人が嫌そうな顔をしておっさんから鍵を受け取り、俺を呼ぶ。
お前より俺の方が最悪って言いたいよ。
「ああ」
適当に返事をした後俺はその後ろを付いて部屋に行った。
◆
部屋に着くとさっきロンと呼ばれてた奴が、「明日早いから俺は寝る。だから、うるさくすんなよ。わかったか?」と言ってきた。それに、俺は「ああ」とまた適当に返事を返す。
ちなみに、俺はあまり人と関わらない様にしてきたせいで、村の奴らで母さんと父さんとドンマとミントとシュウの名前しか覚えていない。
だけどまあ、めんどくさいからが一番の理由なんだよね。ぶっちゃけ、あまり人と関わらない様にしてるなんてただの言い訳だし。
俺はベッドに横になって布団をかぶる。そして、目をつぶって寝ようとすーー
「ねえ、シュウみんな寝たんじゃない?」
「かもな」
ーーる直前に隣からヒソヒソ声が聞こえてきた。
.................は?嘘だろ.....................ないないないない!あぁぁぁぁマジでない!マジでないぃぃぃぃ!あーもうマジで最悪だ。もう一度言う!マジで最悪だぁぁぁぁ!まさか隣の部屋にあいつらがいるなんて思ってもみなかったぁぁぁぁ!さっきまで寝そうな勢いだったのに完全に目覚めただろうが!これならまだドンマが隣ではしゃいでる方がいいぞ!
「こっ、んんんん、畜生~!」
俺は低い声で唸る様に言葉を絞り出す。歯には力が入りギリギリと鳴り、ベットをぶん殴りたい衝動にかられ手はわなわなと震えだす。
「うるさいぞ!歯をギリギリ鳴らすな!寝れねーだろ!ぶん殴るぞ!」
寝てたロンが俺にそう怒ってきた。
「あぁぁぁ?いぃぃぃまぁぁぁ何つったぁぁぁぁあ?」
俺は首だけを錆びたブリキ人形の様にギギギギィィィ!っとロンの方に動かし睨み殺すほどの勢いで睨みつける。俺に睨みつけられたロンは一瞬にして蛇に睨みつけられたカエルの様に固まる。顔は驚きと恐怖が混ざり合った様な顔になり、体は小刻みに震えている。さっきまでのでかい態度が嘘だったようだ。
まぁ、仕方がない。今の俺は余裕がないんだ。そんな時に怒ってきたロンが悪いんだからなクックックックックックッ!
おっと!いかんいかん。何故か笑いが込み上げてきてしまった。
「何も喋らずにお前は寝てろ。それと、お前は何も見ていない、何も聞いていない、ただ、部屋に入って寝ただけ。いいな?」
俺はロンに満面の笑みでそう言い聞かせる。ロンはクビが取れそうなくらい頷き急いで布団をかぶって寝た。
よし、それでいい。問題は隣をどうするかだ!
俺は視線を壁に戻す。
「ねえ、シュウ」
「ん?」
ミントがシュウを呼ぶ声が聞こえる。
ん?この雰囲気は?...........ま、まさか⁈
「みんな寝ただろうしー、私達明日で大人だからさー」
「うん」
ミントが恥ずかしそうに喋っているのが聞こえる。
おいおいおいおい!この雰囲気はやばいって!マジでやばいって!やめろぉぉぉぉぉぉ!このペアの聞くとか最悪すぎるから!吐くわ俺!マジで吐くからやめて!
俺は必死にやめろと壁の向こう側に拝んで頼む。だか、それも虚しく話は進む。
「そ、そのー」
「うん」
やめろ!やめろ!やめろおぉぉぉぉぉ!
「セッ◯スしない?」
「いいよ」
あー、言ったよ。ついに言ったよ。言っちゃったよこいつら。あー逆に冷静になってきたー.....................て、んな訳ねーだろ!てかテメーら軽すぎんだよ!
俺の心の中が怒りとなんとも言えない感情に染まり怒りがマグマの様にグツグツと込み上げてくる。そりゃあ当たり前だろう、だって隣の部屋で村で昔好きだった相手(しかも、ふるだけじゃなく俺の心をズタズタに引き裂いてコケにした相手だ)がやろうとしてるんだから誰でもそんな気持ちになるだろ。
ほんと、わけわかんない感情と怒りが混ざってはらわたが煮えくりかえりそうだよこん畜生!
床がミシミシと鳴ってミントがシュウのベッドに近づいているのがわかる。
その音を聞いた俺は怒りのあまり手に力が入りすぎて壁が握力でミシミシっと音を立てる。もう少し力を入れたら壁を壊して穴を開けてしまいそうだ。
「ん?なんか音しなかった?」
ミントが音に反応して止まる。
音しましたよ。しましたから早くやめろ!
「誰か起きてるのかもしれないね。もしかしたらこのやり取りが聞こえてるのかも」
シュウがまさかねとそう言うが、実際は大当たりだ。
そう!そのとうりだからマジでやめろよ!気持ちわりーんだよ!こっちは寝てーんだよ!.....................うわ、マジで気分悪くなってきた。あー、マジで吐きそう.................。
「まさかね」
ドンッ!
なんでそうなるんだよ!
そんな心境も知らずに言ったミントの一言に俺は我慢できなくなってベッドを殴った。その衝撃で少し部屋が揺れ、隣の部屋で2人がビクッ!と小さく飛び跳ねた音がした。
「ね、寝よっか」
「そ、そうだね」
そう言ってミントとシュウが自分のベッドに入って寝る音がした。
はぁぁぁぁぁぁぁぁ。よかった。これで俺も寝られる。やっとか。
俺は、大きなため息をつく。そして、そのまま布団をかぶる。
覚えとけよ。2人とも。死ぬより恐ろしい目に合わせてやる。
「クックックックックックッ!」
思わず笑いがこみ上げてきて笑ってしまった。
おっと、いかんいかん。寝ないとな。
俺は目を瞑って直ぐに寝た。ちなみに、ロンは終始ずっと布団にくるまって小刻みに震えていた。
俺は悪くないからな。
御者をしてたおっさんの方を振り向く。今俺達は宿屋の一階広場に集まっている。
「全員向いたなー。よし、これから男子同士女子同士で二人一組のペアを作れ!そして、ペアを作った奴らは俺のところに来て鍵をもらえ!いいな?」
おっさんが少し大きな声でそう言う。
「「「はい!」」」
「よし!じゃあ作れ!」
おっさんの指示が終わったらみんな一斉にペアを作り始めた。
「おい。俺は男子同士と女子同士でペアを作れって言ったろ」
俺はハブられているので一人余るまで突っ立っているつもりで突っ立っていると、そうおっさんが言ってるのが聞こえたのでおっさんの方に振り向く。
すると、おっさんの前にはシュウとシュウの腕にくっ付いているミントがいた。その光景を男子達も女子達も不満半分諦め半分といった顔で見ている。
「えー、いいじゃないですかー!私達付き合ってますし!ねー♡」
「ああ」
「し、しかしだなー」
「いいじゃないですかー!だって私達明日で成人するんですよー!シュウもいいよね?」
「ああ」
「む、むー.....................」
「お願いします!このとうり!」
ミントが手を合わせて拝む様にお願いする。
「わ、分かった............ほらよ」
おっさんは渋々鍵を渡す。
「やったー!ありがとうございます!行こ!」
「ああ」
ミントは体全体で喜びをあらわにしながら鍵を受け取り、シュウを引いて部屋に行った。
おっさんは部屋に行くシュウとミントの背を見ながら、「最近の若い奴はませてんな」と小さな声で言った。
おっさん、俺も俺もすっごく思う。てか、ませすぎだと思う。
まあ、俺には関係ない事だしいっか。
俺は早くペア決めろよ!と思いながら周りを見る。
周りでは男子達は「悔しいけどシュウだから仕方ないよな」と言い、女子達は「悔しいけどミントだし仕方ないよね」と言ってテンションだだ下がりな雰囲気でペアを作って直ぐに部屋に行く光景が広がっている。正直そんなことはどうでもいいので早くペアを作って欲しい。
ちなみに、ドンマは「くそう!羨ましい!だけど仕方ないしなー.................くそう!」と、ぶつぶつ言っていた。
そして、数分で最後のペアがやっとできて一人余った。
「うわ!頭花畑ラルクかよ!頑張れよロン!」
「うわ!残念だったなーロン。まぁ、頑張れよ!」
「うわ!マジでかー!最悪!てかお前ら人ごとみてーに言うなよ!」
「「いや、人ごとだし」」
「ひっでー!」
「まぁ、頑張れよ!じゃあな!」
「じゃあな!」
「仕方ねーな。じゃあな!」
最後のペアと残った一人がそんな話をして最後のペアが部屋に行く。
「はー、マジ最悪.....................ほら、部屋行くぞ」
余った一人が嫌そうな顔をしておっさんから鍵を受け取り、俺を呼ぶ。
お前より俺の方が最悪って言いたいよ。
「ああ」
適当に返事をした後俺はその後ろを付いて部屋に行った。
◆
部屋に着くとさっきロンと呼ばれてた奴が、「明日早いから俺は寝る。だから、うるさくすんなよ。わかったか?」と言ってきた。それに、俺は「ああ」とまた適当に返事を返す。
ちなみに、俺はあまり人と関わらない様にしてきたせいで、村の奴らで母さんと父さんとドンマとミントとシュウの名前しか覚えていない。
だけどまあ、めんどくさいからが一番の理由なんだよね。ぶっちゃけ、あまり人と関わらない様にしてるなんてただの言い訳だし。
俺はベッドに横になって布団をかぶる。そして、目をつぶって寝ようとすーー
「ねえ、シュウみんな寝たんじゃない?」
「かもな」
ーーる直前に隣からヒソヒソ声が聞こえてきた。
.................は?嘘だろ.....................ないないないない!あぁぁぁぁマジでない!マジでないぃぃぃぃ!あーもうマジで最悪だ。もう一度言う!マジで最悪だぁぁぁぁ!まさか隣の部屋にあいつらがいるなんて思ってもみなかったぁぁぁぁ!さっきまで寝そうな勢いだったのに完全に目覚めただろうが!これならまだドンマが隣ではしゃいでる方がいいぞ!
「こっ、んんんん、畜生~!」
俺は低い声で唸る様に言葉を絞り出す。歯には力が入りギリギリと鳴り、ベットをぶん殴りたい衝動にかられ手はわなわなと震えだす。
「うるさいぞ!歯をギリギリ鳴らすな!寝れねーだろ!ぶん殴るぞ!」
寝てたロンが俺にそう怒ってきた。
「あぁぁぁ?いぃぃぃまぁぁぁ何つったぁぁぁぁあ?」
俺は首だけを錆びたブリキ人形の様にギギギギィィィ!っとロンの方に動かし睨み殺すほどの勢いで睨みつける。俺に睨みつけられたロンは一瞬にして蛇に睨みつけられたカエルの様に固まる。顔は驚きと恐怖が混ざり合った様な顔になり、体は小刻みに震えている。さっきまでのでかい態度が嘘だったようだ。
まぁ、仕方がない。今の俺は余裕がないんだ。そんな時に怒ってきたロンが悪いんだからなクックックックックックッ!
おっと!いかんいかん。何故か笑いが込み上げてきてしまった。
「何も喋らずにお前は寝てろ。それと、お前は何も見ていない、何も聞いていない、ただ、部屋に入って寝ただけ。いいな?」
俺はロンに満面の笑みでそう言い聞かせる。ロンはクビが取れそうなくらい頷き急いで布団をかぶって寝た。
よし、それでいい。問題は隣をどうするかだ!
俺は視線を壁に戻す。
「ねえ、シュウ」
「ん?」
ミントがシュウを呼ぶ声が聞こえる。
ん?この雰囲気は?...........ま、まさか⁈
「みんな寝ただろうしー、私達明日で大人だからさー」
「うん」
ミントが恥ずかしそうに喋っているのが聞こえる。
おいおいおいおい!この雰囲気はやばいって!マジでやばいって!やめろぉぉぉぉぉぉ!このペアの聞くとか最悪すぎるから!吐くわ俺!マジで吐くからやめて!
俺は必死にやめろと壁の向こう側に拝んで頼む。だか、それも虚しく話は進む。
「そ、そのー」
「うん」
やめろ!やめろ!やめろおぉぉぉぉぉ!
「セッ◯スしない?」
「いいよ」
あー、言ったよ。ついに言ったよ。言っちゃったよこいつら。あー逆に冷静になってきたー.....................て、んな訳ねーだろ!てかテメーら軽すぎんだよ!
俺の心の中が怒りとなんとも言えない感情に染まり怒りがマグマの様にグツグツと込み上げてくる。そりゃあ当たり前だろう、だって隣の部屋で村で昔好きだった相手(しかも、ふるだけじゃなく俺の心をズタズタに引き裂いてコケにした相手だ)がやろうとしてるんだから誰でもそんな気持ちになるだろ。
ほんと、わけわかんない感情と怒りが混ざってはらわたが煮えくりかえりそうだよこん畜生!
床がミシミシと鳴ってミントがシュウのベッドに近づいているのがわかる。
その音を聞いた俺は怒りのあまり手に力が入りすぎて壁が握力でミシミシっと音を立てる。もう少し力を入れたら壁を壊して穴を開けてしまいそうだ。
「ん?なんか音しなかった?」
ミントが音に反応して止まる。
音しましたよ。しましたから早くやめろ!
「誰か起きてるのかもしれないね。もしかしたらこのやり取りが聞こえてるのかも」
シュウがまさかねとそう言うが、実際は大当たりだ。
そう!そのとうりだからマジでやめろよ!気持ちわりーんだよ!こっちは寝てーんだよ!.....................うわ、マジで気分悪くなってきた。あー、マジで吐きそう.................。
「まさかね」
ドンッ!
なんでそうなるんだよ!
そんな心境も知らずに言ったミントの一言に俺は我慢できなくなってベッドを殴った。その衝撃で少し部屋が揺れ、隣の部屋で2人がビクッ!と小さく飛び跳ねた音がした。
「ね、寝よっか」
「そ、そうだね」
そう言ってミントとシュウが自分のベッドに入って寝る音がした。
はぁぁぁぁぁぁぁぁ。よかった。これで俺も寝られる。やっとか。
俺は、大きなため息をつく。そして、そのまま布団をかぶる。
覚えとけよ。2人とも。死ぬより恐ろしい目に合わせてやる。
「クックックックックックッ!」
思わず笑いがこみ上げてきて笑ってしまった。
おっと、いかんいかん。寝ないとな。
俺は目を瞑って直ぐに寝た。ちなみに、ロンは終始ずっと布団にくるまって小刻みに震えていた。
俺は悪くないからな。
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